2015年05月10日(日)

「アルテ」というタイトルと主人公に込められた16世紀フィレンチェのルネッサンス


ミケランジェロ広場から見下ろすフィレンチェの夜景


コミックゼノンで連載、16世紀初頭でルネッサンス発祥の地フィレンチェを描いた大久保圭先生の「アルテ」。画家がまだ職人と捉えられ、女性は嫁いで子供を産むしかなかった時代の貴族家に生まれた主人公アルテは、女というだけでまともに話も聞いてもらえない中で画家を目指し弟子入りできる工房を探す。

再現されるフィレンチェの街並み



丘の上にあるミケランジェロ広場から見下ろすとフィレンチェの街並みやアルノ川が見え、そして花の聖母マリアを示しフィレンチェとルネッサンスの象徴であるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂はアルテ作中で頻繁に登場する。



高さ85メートルのジョットの鐘楼からの景色。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は1296年から172年をかけて建造されドゥオモには3万人が収容できるというから驚き。アイドルマスターシンデレラガールズの舞台探訪でドイツとピサを訪問したついで立ち寄った際はかなり混雑しており、展望台となるのは円屋根クポーラとジョットの鐘楼の2つあり共通券で入場できるが、ジョットの鐘楼の方がすいておりクポーラも入れて街並みの写真を撮れる。



正面のファサード。ファサードは19世紀にできたらしく恐らく「アルテ」では描かれないであろう角度。写真右端にジョットの鐘楼が見える。

差別意識と戦いながら動き回るアルテがとにかくかわいく、時代に基づいたフィレンチェのきれいな背景美術や生活描写も見どころ。


「アルテ」というタイトルと主人公に込められた意味

arteとは – コトバンク
そもそもタイトルにもなっている「アルテ(arte)」は英語ではアート(art)となるイタリア語で、ラテン語のアルス(ars)を語源とするarteは、作品の舞台となる中世ヨーロッパでは「技術」という意味で用いられ、後に美を表現する術という意味付けがされたようだ。

タイトル名と主人公の名前に「アルテ」とつけた本作品は、画家が職人から芸術家へと少しずつ移り変わりゆく時代の中で、時の流れと共に意味が変遷していったarteのように、絵を描き続けたい主人公アルテとその周りの変化を描いていくという含みが込められていることが想像できる。

再生という意味を持つルネッサンス(renaissance)時代は新しい価値観で文化の転換期となったが、女であることに臆することなく情熱を持って行動するアルテはこの作品において人々の職業、男社会、生きることに対する見方を変えるルネッサンスそのものになるに違いない。花の都フィレンチェでアルテはどのような道を進んでいくことになるのだろうか。

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