2015年07月04日(土)

久美子と部の成長 「響け!ユーフォニアム」13話の結果発表は2期とそして1話へ繋がる


「響け!ユーフォニアム」第13話で関西大会への進出を決めて第1期終了。

てっきり2クールだと思っていたので、7月からもじゃ髪主人公の久美子がいない夏をどう乗り切っていけばいいのか絶望するわけだが、最終話のラストで結果発表を待つ北宇治高校吹奏楽部の描写を見て、第1期ラストの感動シーンとはいえ「全国目指してんのに関西大会進出ごときで緊張しすぎ、騒ぎ過ぎじゃ?」と思った。

初見時は素直にこう思ったんだけど、何回か見返してみると大会に向けたそれぞれの部員や先生の思いが込められており、また物語冒頭との対比となり繋がるようになっていたので第1話も含めて振り返ってみた。


第1話を見返すと、中学時代の回想にまったく同じ京都府大会の結果発表のシーンがあったことを思い出す。

しかし、こちらは全国大会を目指すことはなく、「ダメ金だけど金」に納得して喜んだ中学時代の久美子の発表前の表情もどこか余裕があるような感じ。



それに対して最終話ではハラハラと不安げな表情。

月に手を伸ばして本気で全国に行きたいと練習してきたからこその心境で、どこか冷めて諦めを持って生活してきた中学時代からの成長の様子が見て取れるだろうか。



麗奈は特に一番全国に行きたい人間だろうに目に涙浮かべて大げさすぎるんじゃ?と初見時は思ったが、中学時代を見ると久美子が全国に行けるわけないと冷めている中でも麗奈はまじめに全国行きたいと思って久美子に食らいついたくらいなので、全国への通過地点にすぎない京都府大会であっても、結果待ちに祈るような気持ちになるのは彼女の性格として当然のものだと納得できた。



これまでも感情表現豊かだった2年生のリボンちゃんこと吉川優子先輩はほぼ泣いちゃってる。先輩のソロを巡って一悶着あっただけに、また間違いが起きていれば部を崩壊させた戦犯になっていたかもしれないだけに、こみ上げる感情が抑えきれないのはなんとなくわかる。

部長の小笠原晴香先輩とトランペットリーダーの中世古香織先輩も3年間やってきてまとめる立場を務めてきたので気が気じゃないという表情。



どうでもいいけど、この時のチューバのぽちゃ先輩こと長瀬梨子先輩の表情がもうかわいすぎて、低音パートリーダーの彼氏が見てる目の前で他の男子部員にネトラれて”演奏”されちゃう薄い本読みたい……。



北宇治高校吹奏楽部の名前が呼ばれて関西大会進出が確定した瞬間。

顧問の松本先生は普段厳しいのにハンカチが手放せなくなってる様子を見るとちょっとかわいい気も。ただし、これはかつての強豪が銅賞取っちゃうような落ちぶれた部になった姿を目の当たりにしてるからで、結果を勝ち取った現在の成長した姿を見たら当然思うところはあるだろう。

滝先生は、部員たちに全国と焚き付けた張本人で久美子に「次の関西大会では~」と言ったりして先のことを考えているだけにさほど驚いた様子はなく、安堵と同時に松本先生の方を向いて気遣う様子を見せている。



田中あすか先輩はドライで何考えてるかよくわからんところもあるけど、予め結果はわかっていたようなどこか納得した表情。



あと、リアルな青春モノの「響け!ユーフォニアム」において、こういう中途半端な百合描写はいらなかったんじゃないかとずっと思っていた。

とはいえ、最後の手を握ってるシーンは久美子が麗奈に軽はずみなことを言ってしまった中学時代からの2人の関係の変化を描写するにはとてもわかりやすくてよかったと思う。2人で、また北宇治高校吹奏楽部全員で、全国を目指す関係になったことを示す象徴的なカットになるだろうか。



冬服を着て、いつもよりスカートを少し長く、そして髪を後ろでとめる。

大会当日の久美子の姿を見ると、久美子の本体とも言えるもじゃ髪がなくなり、ただでさえ身体的特徴のない主人公がまったく誰かわからんくなってしまったことは誠に残念であると遺憾の意を表したい!と思っていたところ、第1話を見返してみたら、ここも入学時と大会当日の対比になっていることに気がついた。

第1話の入学日にはスカートを少し短くし、翌日にはもじゃ髪になってちょっとずつ高校慣れしていくところが、大会当日は真逆になって引き締めるという対比を用い気合を入れて大会に臨む女子高生の姿をリアルに表現してるなあ、と思った。



円形の曲線を多用したコンクリートが特徴的な久美子の最寄り駅・京阪宇治駅。

最終話と物語冒頭を関連付けるというのは当たり前によく用いられる手法だと思うけど、「響け!ユーフォニアム」では冷めてどこか傍観者のようだった久美子や、久美子が入部をためらうほど下手な演奏を見せた北宇治高校吹奏楽部の成長の様子を追っていくことができ、京都アニメーションの毎回のように細々とした描写も含めて、この作品に出会えて本当によかったと思う。2期で再び久美子に会えるその日までがんばって生きていきたい。

正直なところ、ユーフォニアムのユの字も知らなかったクチなので、アニメのキービジュアルの素足を強調した主人公を見て足コキ同人誌しか期待していなかったのが、それぞれの部員の思いが交錯するガチな青春モノに回を増すごとにどんどんのめりこんでたよ。ありがとう!ありがとう!

追記
この他、朝は久美子の制服に歯磨き粉がついたままなのが電車に乗ると麗奈が指摘したのかなくなっている、秀一が苦労していたところがうまく吹けたのを見て先生がアイコンタクトのようなものを送っている、など非常に細かい点で作り込みがされている。

ダメ金ならぬダメレンズの収差で映し出す「響け!ユーフォニアム」と京アニの空間描写が尋常じゃない
京アニの撮影処理の話へ続く。

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