ゲームを遊ぶ時に必ずついて回る、コントローラを操作してからモニタに反映されるまでにラグが生じる「遅延」にまつわるお話。
◆ゲームの操作遅延問題について
「入力から表示までの遅延のお話。これは共有しておかないと!!」というM2の堀井社長のつぶやきを見て知ったサイトでして、ゲームの入力遅延についてかなり細かく解説されています。
遅延とひとくくりに言っても、その発生源はいろいろあるようで、コントローラやゲームプログラムで生じる遅延、グラフィックアクセラレータの描写処理で生じる遅延、ゲームモニタで生じる遅延など様々。
シューティングゲームを遊ぶ時には「このゲームは○フレ遅延している」「いやしていない」「そもそもわかるわけないだろ」などと議論になることもあるのですが、人間が1/60フレームの遅延を本当に判別できるかについても触れています。
1フレと2フレの遅延を体感して見分けるテストができるソフトも公開されているので実際にやってみました。
1フレの遅延に対して、2フレから最大8フレまでの遅延との比較が可能です。
1フレと2フレでやってみると、1フレ遅延する自機と2フレ遅延する自機のどちらかがランダムで出現します。スペースキーを押すと自機が切り替わるので、それらを操作してどちらが2フレ遅延した自機かを見分けるというテストになっています。
ジョイスティックで試しにやってみた結果。
75%しか見分けられなかった!
あてずっぽうでも50%前後の正答率になるのでそれを75%しか見分けられなかったというのは、私の目では1/60フレームの遅延はなんとなくは体感できるけど、「このゲームは1/60フレーム遅延している!」などと言い当ててたりするのはほとんど不可能といった感じでしょうか。
シューティングゲームを遊ぶ時は「常に1フレーム1ドットコントロールせよ!」くらいの気合いでやっていたのでちょっとショックでした。
ゲームの操作遅延について特に影響が大きいものとしては、やはり液晶モニタが挙げられていました。
◆薄型テレビ 遅延検証まとめ
こちらのサイトで有志による薄型テレビの遅延をまとめているのですが、モニタによっては2フレ3フレの遅延はザラみたいで、遅延の少なそうなモニタを選ぶ参考にはなるんじゃないかと思います。
今のところ遅延が少ないモニタはやはりブラウン管みたいですね。
シューティングゲームの開発現場でもブラウン管はかかせないものとなっており、ケイブのIKDさんは「D4接続ができるブラウン管が無ければ生きていけない」なんて発言も。もしブラウン管が壊れたら「ケイブでブラウン管作るか」と言うほどブラウン管TVを愛しているそうです。
最後の方にユーザー側で少しでも遅延を減らす方法や、すでにいろんなゲームで試みが行われているでしょうが開発側の遅延を考慮したゲームデザインについても書かれています。
「フルスクリーンモードでなくWindowモードを選択する」「Windows Aero を OFF にする」といったことやモニタや入力装置を遅延の少ないものにすることによって遅延を減らす効果があげられるそうです。
液晶テレビなどを使ってレトロゲームを久々に遊び、プレイ感覚の違いから下手になってしまい、それを遅延が原因だと気がつかずに「俺ももうトシか……」と諦めてしまうのは最も危惧するべき事態であり、遅延の少ない環境や次世代のモニタが早く普及することを切に願います。
早く窓からブラウン管を投げ捨てられるようになる時代がくるといいなあ。