バルカン半島の移動 ボスニア・ヘルツェゴビナ首都サラエボの空港から中心部へ


内戦で大きな犠牲を払い、連邦と共和国で2つに分かれているボスニア・ヘルツェゴビナ。サラエボを観光する際に空港から中心部バシチャルシアへの行き方がわかりづらかったのでプリペイドSIMも含めてまとめた。訪問時のボスニア・ヘルツェゴビナ兌換マルク)は1KM=86円。


サラエボ空港から中心部バシチャルシアへのバス

本数が少なくわかりにくい空港バス


サラエボ国際空港から旧市街で観光地のバシチャルシアまでは空港バスが走っている。

画像の上部が空港→バシチャルシアで、下がバシチャルシア→空港の時刻表になっていて、訪問時は月曜から土曜が1日9本、日曜は1日8本だった。

料金は片道5KM。23kgの荷物まで無料で追加は5KM。



サラエボ中心部のバス停はバシチャルシアの東端だが、空港行きバスが発着する説明書きなどは一切ない。

時刻表は空港で撮影するかWebを検索するしかない。ちなみに、写真奥にはサラエボ市庁舎が写っている。


103番トロリーバスと31E番バス


空港最寄りのドブリニヤ(Dobrinja)バス停。隣にショッピングモールMercatorがある。


サラエボ空港から徒歩と103番バスでオーストリア広場へ行き、空港バスのバス停までのルート

空港からサラエボ郊外の高級住宅街を1kmくらい歩いたドブリニヤ・バス停から103番トロリーバスに乗るとバシチャルシアの南にあるオーストリア広場(Trg Austrije)まで行ける。他に、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時にはセルビア人勢力に狙撃されたスナイパーストリートを通る31Eバスも利用できる。バスや路面電車の料金は訪問時1.8KMで運転士やキオスクで購入できる。車内の端末で日時刻印する必要があるものの、滞在中に車内検察は一度もなかった。

他に、バシチャルシアの手前で北上してゼトラ・オリンピック・ホール方面へ行く107番トロリーバスも利用できる。最初に来たバスが107番だったためこれに乗り込み、サラエボオリンピックの施設と敷地を利用してできたサラエボ紛争の墓地を観光できた。


タクシーは絶対メーターを回してもらう


サラエボでタクシーを乗る時は必ずメーターを回してくれるか運転手に確認すること。観光客はなめられているので言い値では絶対に乗ってはいけない。

中心部から空港へ向かう際、本数の少ない空港バスがいい時間帯になかったためタクシーを利用しようとしたら、「40ユーロ」だとか舐めた価格を提案してくる運転手ばかり。たまたま空港へ行く中国人女性2人組と一緒になったので、全員乗って20ユーロで行ってくれる車をなんとか見つけて事なきを得た。

配車アプリmojTaxi

ボスニア・ヘルツェゴビナはタクシー配車アプリのUberには対応していない。mojTaxiというアプリが使えるためダウンロードして使ってみたが、マッチング率がかなり低く、車と合流するのも結構大変だった。また、クレジットカードを登録してもカード決済する方法がわからなかった。


サラエボ駅とサラエボバスターミナル


新市街側にあるサラエボ駅は近郊列車やモスタル行きの列車が1日数本出ているようだったが、駅舎内はほとんど廃墟みたいになっていた。

隣接してサラエボバスターミナル(Sarajevo Central Bus Station / Autobuska stanica Sarajevo)もある。モスタルやクロアチアのスプリットやドゥブロヴニクへはここからバスに乗る。

ボスニア・ヘルツェゴビナ国内はボシュニャク(ムスリム)人とクロアチア人が住むボスニア・ヘルツェゴビナ連邦セルビア人が住むスルプスカ共和国に分かれている。セルビアやモンテネグロからバスに乗った場合は空港の東でスルプスカ共和国内にあるサラエボ東バスターミナル(Bus Station East Sarajevo / Autobuska stanica Istocno Sarajevo)に発着する。バスターミナルから少し歩くと103、107番のトロリーバスに乗れるようだ。


トンネル博物館へのアクセス


路面電車3番線。

内戦中にサラエボ市街から大統領を脱出させたり物資を輸送したトンネルの一部がサラエボ空港の南で博物館として公開されている。

路面電車の西端イリジャIlidza駅からバスに乗って更に15分くらい歩くとたどり着けるようなのだけど、面倒なのでタクシーを使ってしまった、料金は後述のホテルから20KMくらい。

復路は、博物館の駐車場を運営している人たちが白タクをやっていて10KMでイリジャ駅へ搬送してくれる。タクシー配車アプリmojTaxiは圏外、マジで使えないアプリだった。


トレベヴィチ山へのロープウェイ


ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で破壊され2018年に復活したトレベヴィチ山のロープウェイ。

  • 月曜12-19時、火曜~日曜9-19時
  • 往復30KM
料金がちょっとお高いものの内戦で破壊される前のゴンドラも展示されている。景色はいいし涼しいけど、標高が高すぎて山頂付近から中心部を見下ろすには遠すぎ、新市街は木で隠れて見えない。夕日を見ようとすると営業時間の都合で夏は無理そう。

街を見下ろすならバシチャルシアの東を登ったYellow Fortress(Žuta Tabija)の方がよかった。


プリペイドSIMカード


プリペイドSIMはサラエボ空港でBHテレコムのツーリストパッケージを買うことができる。

  • 20KM: 10日間、15GB、5KMのクレジット
  • 40KM: 30日間、30GB、10KMのクレジット



空港内の売店ではnovotelのeSIMを販売していた。

10日間50GBで30KM。バーコードを読み込んで設定を行い、最後に支払いを行うものだった。

BHテレコムもこの店もなぜか現金のみと言われた。観光客向けのレストランでもクレジカードが使えないと言われるケースが多く、おそらく本当は使えるけど手数料が高くて嫌っているだけだと思うのでゴネれば決済できるのではないかと思う。また、ボスニア・ヘルツェゴビナではだいたいユーロが使え、お釣りはKMで渡される。

他にタイAISのグローバルプランも対応している。


内戦中に唯一営業したホテル・ホリディイン



ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に半壊して電気も水道も止まりつつ、サラエボで唯一営業して真実を伝えるジャーナリストを泊め続けたホテル・ホリディイン。

現在はホテル・ホリデーとして宿泊でき、建物外観に無数の銃痕修復跡を見ることができる。同じグループでオーストリア=ハンガリー帝国時代からの老舗ホテル・ユーラシアと迷ったけど、ホリデーを選択した。1泊1.3万円でビュッフェ形式の朝食付き。

スナイパーストリート沿いで、サラエボ駅、アヴァズ ツイストタワー、国立博物館、ユーゴスラビアの指導者チトーを愛するカフェ・チトーなどが徒歩圏内なのだが、バシチャルシアへは路面電車に乗って移動する必要があるため少し面倒だった。ボスニアやバルカン半島料理が食べられ遅くまで開いているレストランが少ないものの、ホテルの敷地に高級スーパーがあり惣菜で名物料理をたくさん買うことができた。

その他、詳しい観光地図などは「地球の歩き方 A25 中欧」を買うか図書館で借りてほしい。ちなみに、空港ラウンジにお菓子やサンドイッチはあるけどホットミールなし。
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