「なんだこの列車は!?」
四国に新幹線の風!
九州新幹線が2011年に全通し、2015年度には函館までの北海道新幹線も開業を予定する中、北海道、本州、四国、九州の四島で唯一新幹線がないのがこの四国。高松駅では線路の幅が違う新幹線と在来線を行き来できるフリーゲージトレインで新幹線の導入を叫ぶ看板も掲示されているが、世界初の高速鉄道である東海道新幹線の開業50周年の今年2014年、ついに四国にも新幹線がやってきた!
四国の新幹線が走っているという高知県の窪川駅に降り立つと、早速青と白の機影を発見。
し、新幹線……!?
すごくハリボテです……というか、ペーパークラフトでできそう。
というわけで、2014年3月15日のダイヤ改正で四国に彗星のごとく現れたこの偽新幹線は鉄道ホビートレインといい、初代東海道新幹線0系をイメージした青と白のカラーリングや丸みを帯びて団子っ鼻のような顔つきを再現している。
ところが、反対側は予算がなかったのかそれっぽい塗装をしただけのやっつけ!
まあ、おそらく将来は16両編成に繋いで四国中を走るであろうからそのうち反対側と中間車両もできるのだろう。※正確には他の車両との連結するためこのようになっている
鉄道博物館に展示されていた新幹線0系と比較してみると確かに似ている。
……似てる?
JR四国0系新幹線は未来の運賃徴収システムがあるのでワンマンでいいみたい。
丸みを帯びた顔の中はスッカスカかと思ったらライトのパイプを苦労してくっつけたみたいで泣かせる。
飛び出た顔のせいで運転士さん運転し辛いんじゃないかと心配していたら視界はあまり問題なさそう。
JR四国0系新幹線は電化されてなくても高速走行できる技術を密かに開発していたようで。
車内も青と白で統一したデザイン。
四国の偽新幹線を目当てに座席は半分くらい埋まっており、どこから聞きつけたのか外国人夫婦の姿も。
座席は新幹線0系の開業当時のものを再現している(参考)。
座席には線路とSLや電車が描かれている。
カーテンにもSLと四国のイラストが。
壁には四国の往年の特急車両など。
床をよく見てみるとドイツのホーエンツォルレルン社製のBタンク機関車のようで。
今年で宇和島–近永間開業100周年、予土線全線開業40周年だそうで、最初に走ったSL?
車内の一角に模型コーナーの場所を取ってSLや国鉄型特急車両の歴史を展示。
どうせ座席埋まらないだろうからとスペースを有効活用。
鉄道ホビートレインのロゴ。予土線はしまんとグリーンラインという愛称が付いているようで。
新幹線の各時代を代表して人気の高い車両がズラリ。
運賃表にはなぜか東京、大阪、名古屋などの駅名があり、
なんと四国の偽新幹線、
東京駅まで乗り入れる気満々だった!
さすがJR四国が誇る謎のフリーゲージシステム!
……と思ってよく見てみたら「東海道新幹線 開業当時の停車駅」という文字列が。
大都会岡山を通過するなんて何事だ!と思ったらそういうことなのね。Twitterで「運賃が4ケタまでしかない!」「いや、むしろ東京まで4ケタで行けるのか!」「開業当時だから品川や三島がないのか」などなどみんなからいろいろ突っ込みを受けて盛り上がる。
この鉄道ホビートレイン、予土線沿線にフィギュア博物館を持つ海洋堂とタイアップした海洋堂ホビートレインとトロッコ列車のしまんトロッコの3列車を予土線3兄弟と呼び、四国中で空前の大プッシュをされていて、四国の玄関口高松駅もポスターでこの有り様。
車内設置のスタンプでスタンプラリーもやってて制覇すると窪川駅か宇和島駅で完全乗車証明書がもらえる。
宇和島駅はこんな感じで偽新幹線のノボリだらけに。
そんな偽新幹線は子供たちにも大人気。
新幹線は先頭車両からガラス越しに前方の景色を見ることができず、高速鉄道でこれができるのはドイツのICEくらいじゃないかと思うが、なんとJR四国0系新幹線は国内初のガラス1枚越しの前面展望を完備。
そして、四国の偽新幹線はゆっくりと走り出す。
ちょっと待て、反対向きに走ってるぞ!
窪川から宇和島方面へは団子っ鼻の顔が先頭ではなく、なんと後ろ向きに走るようなので注意。
土佐大正駅と土佐昭和駅。
若井駅。
半家(ハゲ)駅
この予土線には半家駅というユニークな名前の駅があることでも有名。
思わずソフトバンクの携帯電話と記念撮影してしまった。
このように大正から昭和、若いからハゲ、へと一気に時代を変える時空の旅ができるのは、数多くの新幹線の中でもこのJR四国0系新幹線だけが持つ未来技術なのだ。
海洋堂の博物館である海洋堂ホビー館四万十へ行くために最寄りの打井川駅に下車。
こっち側の顔もあらためて見るとやっぱり吹き出しそうになる。
後ろ向きで宇和島へ向けて去っていく。がんばれ、四国の偽新幹線。
JR各社の中でも特に経営が厳しい四国、新幹線が走ってないことを逆手にとって少しでも沿線の集客に繋げたいとして生み出された苦肉の策なのだろうか。世間ではハリボテみたいな外観だけが話題になっているが、こんな感じで、車内もいろいろ小ネタ満載で楽しめると思うので、ぜひ四国に行く機会を作ってJR四国が誇る偽新幹線を見てほしい。
追記
・なんでこんなとこにアイマスが!高知県の打井川駅で窮屈そうに踊る春香さん
・チョコエッグからロリペド熱狂のリカヴィネまで フィギュアの歴史を残す海洋堂ホビー館
打井川駅とホビー館へ続く。