ヤギ汁
沖縄の郷土料理のヤギ汁(ヒージャー汁)を食ってみた。北の北海道が羊なら南の沖縄は山羊のようだが、こいつがかなりの曲者……というかクサかった。
トニーそば栄福食堂
石垣島は失礼ながら予想よりはるかに発展していて、しまむら、ゲオ、マックスバリュなど大手チェーンが意外と多い。中心部を歩いてみると、思っていたよりも小綺麗な飲食店しかなく、那覇の国際通りから一本入ったところにあるようなボロボロのバラックみたいな古いお店が全然見つからない。
「もしかして、新石垣空港の開港記念でどこも気合入っちゃったのか?」と思いつつ更に探索していくと、メイン通りからちょっと入ったところに水色のお店を発見。
いかにも昭和っぽい外観で賑やかな感じは面白そうだけど、こういうお店は当たり外れ激しいんだよなー。
看板に「やぎ汁」という文字列を見つけ、調べてみたら沖縄ではお祝いごとがある時に食べる料理らしい。一休食堂という店が有名みたいだけど中心部からは少し離れたところにあるようだった。那覇には何回か来てるけどヤギ汁は初めて聞き、波照間島でたくさんヤギを見て興味があったので食べてみることに。
店内もなんかすごいなあ。
栄福食堂のおっちゃんが俳優・赤木圭一郎(トニー)の大ファンらしく、店内の壁を埋め尽くしてる。
これがトニーそば栄福食堂のおっちゃんや!
元々料亭をやっていたらしいが、区画整理があって最終的に今の大衆食堂に落ち着いたんだとか。
おっちゃんテレビにも出とるー!
ヤギ汁 \1,000 + ご飯 \100
皮は弾力があってぷるんぷるん天国で、肉の部分は歯ごたえがあってウマイ!
……がしかし、なんともうまく形容できないんだが、とにかくヤギ肉がくっせえええええ!!!!
ショウガたっぷり、ヨモギたっぷりでも消しきれてないドブっぽい独特の臭みがかなりきつい。
「おっちゃんがつくりました。」
ヒハツモドキという香辛料をピパーチと呼んでいるようで、これもお好みでかける。石垣では自家製ピパーチを小瓶に入れてウリの1つにしてる飲食店が多いようだ。
他に味が薄い時用に塩も渡される。ヤギ汁とご飯のごま塩を一緒に食べるとスイカと塩の対比効果みたいで救われる感じだった。
波照間島でアイス用の黒糖あんみつを舐めてアヘ顔のヤギ。
自分が栄福食堂でヤギ汁食ってる時の表情もたぶんこんな感じだっただろう。
ピパチチャイ \200
栄福食堂のおっちゃんはマグロ漁船で世界中を旅したことがあるそうで、その途中で出会ったチャイと沖縄のピパーチを組み合わせた独自のピパチチャイを出しているので頼んでみた。
南国なんでアイスかと思ったらホットかよ!
飲んでみると、おいしいんだけどチャイのまろやかさとピパーチの辛さが合わさってとっても個性的だったぜ!
なんでも、日本だと「地球の歩き方」くらい世界中で有名な観光ガイドのロンリープラネットで紹介されて外国人に大人気らしく、店内にロンプラがいっぱい飾ってあった。
ノートには英語や中国語など各国の観光客の書き込みが。
英語はまったく話せないらしいけど、世界で愛されグローバルすぎるおっちゃんであった!
「守るね?尖閣諸島 TONY」
実に頼もしいなトニー!
事前にまったく調べず飛び込んだけど栄福食堂に入ってヤギ汁を食ったのは大正解だった。跡継ぎがいないらしく今後がどうなるかわからないのは残念。
八重山そばも300円から食えるので飲んだ後のシメにもよさそう。
という感じで、ヤギ汁はうまいけどクサイ、クサイけどうまい。とにかくクセが強く地元の人でも苦手な人が多いようなので人を選ぶが、LCC(格安航空)の就航で石垣島にも気軽に行けるようになったので、訪れる機会があればトニーそば栄福食堂のヤギ汁に挑戦してみよう。