日本じゃ絶対開催できない!香港の北朝鮮プロパガンダ絵画展で知った衝撃の事実
北朝鮮と韓国の融和が進む中で、韓国の芸術祭典「光州ビエンナーレ」で北朝鮮絵画が展示されたのが大きく報道されていたが、北朝鮮の情勢など関係ない香港でも北朝鮮のプロパガンダ絵画の展覧会が開催され、今のところ日本じゃ絶対に見られなさそうなスポットとして行ってみた。「香港罕有北韓手繪海報展」は2018年6月23日から8月5日まで開催され7月訪問。
金正恩が笑顔でお出迎え!
入口からいい笑顔だなあ。
核ミサイルのポスターもあっていかにも北朝鮮っぽい!
「まっすぐ天に向って飛ぶミサイルみたいに伸びる北朝鮮」みたいな意味合いかな。
書籍や、金日成や金正日の肖像が入り朝鮮労働党から贈られるありがたいバッジなどのコレクションも。
「郷土料理を積極的に食べよう!」
「水産資源を保護しよう!」
「北朝鮮製品を世界に!」
「軍人の食生活を豊かにしよう!」
森林造成を促す絵画。
「米帝を倒せ!」みたいなのがいっぱいかと思ったら、生活に密着して富国強兵を促すような啓蒙ポスターも多い。
「このビール瓶ほしい!」と思ったら、香港で自作しただけっぽい。
「若い世代が核を知らないままでいられることを願う」
「少しでもいいから節約しよう!」
北朝鮮は核ミサイルの存在を国内外に誇示するイメージしかなかったけど、一応平和重視のポスターもあるのかな?
子供が核兵器というものを知らないまま、国そのものがなくならないといいね!
入口の看板に使われていた北朝鮮の腕はこれか。
アメリカ、韓国、日本をはじき出してるけど、韓国はアメリカの傀儡政権であることを示し、旧日本陸軍風のイラストで軍国主義日本を追い出す感じになっているのがいかにも北朝鮮のプロパガンダ絵画といった感じ。トランプと金正恩が首脳会談し、南北対話が進んでいるのはまやかしにすぎないという強いメッセージを感じる展覧会だった。
あまり北朝鮮情勢が関係ない香港とは言え、こうした絵画を集めるのは大変なのかなあ、と気になったことを店番してたおじさまに聞いてみた。
かずぴー「これって複製じゃなくて全部本物なんですか?」
おじさま「何言ってんだ、工場で全部手描きだから複製なんてあるわけないだろ?」
「絵画展」なんだから複製じゃないのは当たり前なんだろうけど。北朝鮮のプロパガンダ絵画は工場で朝鮮人民が一枚一枚手描きして量産していたらしいという衝撃の事実を聞いた。
国のリーダーなどの巨大銅像を作るのが北朝鮮の貴重な外貨獲得手段になっていると聞いたことがあるけど、北朝鮮絵画も世界中に需要があるようで。しかし、北朝鮮国内向けのプロパガンダ絵画やバッジは当然のように輸出禁止なのでよくこれだけ集めたものだと感心。
これらのプロパガンダ絵画がいつ頃描かれたのか説明板には情報がなかったが、デジタル作画で大量印刷またはデジタル出版の現代に、手描きのありがたいプロパガンダ絵画をたくさん見ることができて思わず「朝鮮労働党万歳!先軍朝鮮の太陽 金正恩将軍万歳!」などと叫ばざるを得ない。今回の展覧会で、近くて遠い未知なる国・北朝鮮をほんの少しだけ理解することができた気がした。