予約なし切符なしで中華新幹線に乗れる！中国のEX-IC 中鉄銀通カード : さざなみ壊変

中国の鉄道の中長距離利用は基本的に紙の切符を発券しないと乗れないが、日本の新幹線に相当する高速鉄道では中鉄銀通カード(中铁银通支付卡)を発行すると外国人でもICカードで予約することなく乗ることができる。

中鉄銀通カードを作るため上海駅の南東にあるチケット売り場へ向かう。

チケット売り場は上海地下鉄3号線・4号線の1号口・2号口付近にある。2018年5月では他に上海虹橋駅でも作れた。

自動券売機では不可なので必ず有人窓口を探そう。

窓口の一番端に「中鉄銀通カード業務」などと書かれた窓口を発見したので聞いてみた。

中鉄銀通カードの申込書。

中鉄銀通カードは一等用の金色のカードと二等用の銀色のカードの二種類ある。

氏名、身分証明書の種類、パスポート番号、携帯電話番号、E-mailアドレス、住所などを記入する欄があり、最初に300人民元以上預ける必要がある。

中国の携帯電話番号は中国移動の月8元プランなどで作成可能。住所はホテルのものでもOKだった。電話番号を記入するもののSMS認証などは特にないので日本の携帯電話番号でもいけるかも。

中鉄銀通カードを手に入れた！

裏面に顔写真を入れる必要があって、その際に写真を撮られるのだが、プリントされたカードを見るとアゴの下が思いっきり切れてしまったので、本当に大丈夫なのかやや不安である。

上海駅構内。

中国の鉄道は駅構内に入るのに必ず身分証明書とチケットを見せる必要があって外国人ならパスポートを見せるのだが、中鉄銀通カードは鉄道駅では身分証の代わりになるのでカードを見せるだけで入れる！

次に出発する列車の改札で待つ。

中鉄銀通カードのマークが掲げられている改札があるため、その行列に並ぶ。

改札が始まり、改札のIC読み取り機の部分にカードをタッチしたら、なぜかエラーで通れず！

駅の改札。

改札でエラーが発生し、やっぱりアゴが切れてるとNGか！と焦ったが、「隣の改札を使え」と合図され、隣の改札に移ったら改札が開いた！

というわけで、改札の上に中鉄銀通カードのマークがあっても通れるかどうかは信用できないので注意！

ホームに入れた！

和諧号ですね。

二等用の銀色の中鉄銀通カードは6号車の1Aから早いもの勝ちで改札時の表示で指定される。

座席がなくなった場合は立席乗車できる。

中国の鉄道は座席指定していない「無座」の人が空いている座席に勝手に座ってもいいシステムなので、先に座っていたおばちゃんにどいてもらう。

ボンバルディア製のCRH380Dは窓際の足元がすぼまってて狭い！

20分くらいで上海虹橋駅に到着。

https://www.zhongtieyintong.com/

中鉄銀通カードの発行や充値(チャージ / topup)は中国鉄路の有人窓口か中国銀行の一部店舗で可能。公式サイトに一覧がある。

チャージは乗車カードとして1000元まで、銀聯デビットカードとして5000元までチャージできる。カード発行のデポジット30元、払い戻し20元、年会費10元、カードの再発行10元。

種類としては他に北京・天津間を結ぶ京津城際線用の京津同城カード、スマホの12306アプリを用いた铁路e卡通もある。

乗車できる区間はエリアが決まっており、上海だと南京や杭州までがエリア内で、終点がエリア外になる列車は利用することができない。また、列車種別はC、D、Gなどエリアごとに乗れる列車が決まっているので注意。

これまで日本語の詳しい情報はなかったが、「中国鉄道時刻表 2018-2019冬 vol.4」以降は中鉄銀通カードの詳細が記載されるようになった。

更に、カードには銀聯電子マネーの「UP Cash」のロゴと、銀行系の統一規格「閃付(闪付 / QuickPass)」のロゴが入っていて、ファミリーマートで非接触型決済を行ったり、広州、杭州、寧波、深センなどの地下鉄や、台湾の高雄のMRTやライトレールに乗ることもできるようだ。(追記: 中国鉄路以外の公共交通は、中国鉄路に直接乗車するSF(Stored Fare)ではなくデビットカードとなるUP Cashの枠にチャージしないと使えず、SFにお金はあるけどUP Cashがゼロの状態で深センの地下鉄には乗れなかった)

中鉄銀通カードがあれば中国鉄路12306や駅の自動券売機で切符も買えるようになるので、中国の鉄道旅にとても心強いよい味方となる。