松山PRアニメ「マッツとヤンマとモブリさん」は全ての都市の人が見るべきだ


松山発オリジナルアニメ 「マッツとヤンマとモブリさん」 multilingual movie – YouTube
『マッツとヤンマとモブリさん』|だんだん松山プロジェクトによる松山発オリジナルアニメ公式サイト

「いい、加減 。まつやま」をキャッチコピーにして愛媛県松山市の魅力をPRするサイトが10月2日にオープン。その目玉として「マッツとヤンマとモブリさん」というオリジナルアニメが公開されており、ちょうど先日松山で行ったばかりの場所がいくつか出てきたのでネタを解説しながら紹介。

登場人物のマッツとヤンマは松山でいいけど、モブリさんはなんだろうと思ったら郷土料理のもぶり飯、もぶり酢あたりが元ネタ?声優には水樹奈々が出てて豪華だと思ったら愛媛県新居浜市出身らしく松山ではないが愛媛つながりで起用されたと思われる。「昼間でも星が見える幻の古池」という松山に伝わる七不思議のうちの1つが出てくるが、松山の7つの秘宝を集めると願いが叶うという設定のベースに使われただけで七不思議自体はそれほど関係なさそう。


道後温泉本館



道後温泉本館。

浴室は「神の湯」と「霊(たま)の湯」の2種類あり料金や休憩室の場所が変わる。「マッツとヤンマとモブリさん」でモブリさんが入ってたのは「神の湯」の方で入浴だけなら400円。マッツとヤンマが着てた浴衣も「神の湯」の料金で貸し出されるもので、道後温泉のシンボルマーク「玉湯」が描かれている。玉湯は3人が集めようとする宝玉のイメージになっているかと思ったが、ただの考えすぎかもしれない。



「神の湯」と「霊の湯」両方入れるプランがかなり並んでたので、「神の湯」の2階席で。

800円で温泉と貸浴衣、休憩室でお茶とせんべいがもてなされ、たまには座敷でゆっくりと夕涼みするのもいいもの。夏目漱石ゆかりの部屋を再現した坊っちゃんの間や、皇室専用の又新殿(ゆうしんでん)も見ることができる。


ダイヤモンドクロス


ダイヤモンドクロス。

伊予鉄道大手町駅前で郊外線と市内線の線路が十字に直交するところをダイヤモンドクロスというそうで、市内電車と郊外電車が平面交差する全国唯一の場所。郊外線の方が優先なので写真はちょうど高浜線の列車通過を路面電車が待っているところ。



ちなみに同じ四国で高知の土佐電気鉄道は路面電車同士で十字に平面交差する場所がある。



作中と同じ構図の大手町駅(2014年3月21日追加)。


松山中央商店街


松山中央商店街。

松山の中心にあるアーケードの大街道商店街。地方の商店街はだいたい寂れてると思ったらこちらは神輿でお祭りもやってて結構なにぎわい。


道後温泉駅と坊っちゃんカラクリ時計




道後温泉駅坊っちゃんカラクリ時計。

「マッツとヤンマとモブリさん」では大街道から道後温泉まで走ってるが、2キロ以上離れてるのでなかなか体力あるなこの3人。道後温泉本館の振鷺閣をイメージした時計は、1時間もしくは30分おきにマドンナなど「坊っちゃん」の登場人物が出てきて踊る。坊っちゃんカラクリ時計の隣には足湯も。


みかん色の路面電車



みかん色の路面電車。

作中ではジェットコースターのコースターになってた路面電車。結構ボロいけど床が木張りで温かみが感じられる車両で最新の底床車両が入ってくる中でもまだまだがんばっている。


坊っちゃん列車



坊っちゃん列車。

坊っちゃん列車は「坊っちゃん」にも出てくる「マッチ箱のような汽車」を再現したもので現在はディーゼルで動き、蒸気の煙も出せる。この他、「マッツとヤンマとモブリさん」の作中には松山城ロープウェイ・リフトも登場。


三津の渡し


伊予鉄・港山駅と三津浜港方面を結ぶ三津の渡し(2014年3月21日追加)。

無料で利用でき、あっと言う間に対岸に着いてしまうがクルージング気分を味わえる。


萬翠荘


モブリさんが宝玉を探しに来た萬翠荘(ばんすいそう)。

この他に出てきた石手寺、鹿島、三津の渡し、松山城、松山総合公園はまだ行ったことないので次の機会に行きたいところ。


「いい、加減」それは松山が全国に発するメッセージ

松山に着いて印象的だったのは、中心街や観光地がほどよくまとまっているところ。空港から都心までバスで20分、そこから人気観光地の道後温泉まで20分。途中の大街道の商店街は地方にしてはかなり賑わっているし、近くに萬翠荘や坂の上の雲ミュージアムに松山城もある。あと道後温泉近くの清まるの「とんかつパフェ」もオススメ。伊予鉄道の郊外線は1時間に4本で時刻表を見ずに乗れる範囲内で郊外から都心へと結び、都心は路面電車が頻繁に走ってて日常でも使いやすそうだった。

車社会への転換で町が郊外に広がってしまい中心市街地が空洞化することに対して、もう一度中心街を活性化して交通弱者も生まれないような政策をとる「コンパクトシティ」という言葉を近年盛んに聞くようになったが、その数十年も前から松山市はコンパクトシティを実現していたのであろう。今回の「いい、加減。まつやま」では、田舎のおだやかさもあるけど都心の便利さもあるとして松山市の住みやすさをPRしている。

「マッツとヤンマとモブリさん」の鍋焼きうどんのシーンで「いろんなよさがほどよく混ざり合ってちょうどいい、いい加減が大事なんよ」という姉さんの言葉があり、物語のクライマックスでは松山の未来をどう取るか聞かれたマッツとヤンマは「派手さはないかもしれんけどちょうどよくって温かい町」を選んだ。

「いい、加減」というキャッチコピーは、松山という都市のPRだけではなくちょうどいい都市のありかたを全国に向けて発信しているように見える。それだけに留まらず、日々の我々の生活について身の丈にあった暮らしや中庸といった言葉を改めて考えさせてくれるようだ。たった10分にも満たない映像ではあるが、「マッツとヤンマとモブリさん」が伝えようとしているメッセージは単なる観光PRアニメに終わらないものであると感じた。

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