グラバー園・旧三菱第二ドックハウス。
長崎市にある三菱重工業長崎造船所は民間の造船所ながら艦隊これくしょんにも登場する、武蔵、霧島、日向などの戦艦を建造した歴史を持ち、現在でもその史跡がいくつか残っている。
武蔵と長崎造船所
長崎造船所第二ドックの隣に建てた船の乗務員たちが宿泊した旧三菱第二ドックハウスは現在は対岸の高台にあるグラバー園に移設され、そこから三菱重工業長崎造船所を一望できる。
戦艦・武蔵を建造した第二船台のガントリークレーン(門型起重機)の一部が今でも残されている。
ちなみに、写真中央は戦艦・金剛から名前を受け継いだ、イージス護衛艦・こんごうデース。
第二船台の隣にあるドックでは自衛隊の護衛艦も建造しており、こんごうやしまかぜなどが三菱重工業長崎造船所で誕生している。
かつて鋳型を作るための木型工場として使われた赤レンガの建物が今でも残っており、三菱重工業造船所資料館として戦艦武蔵の展示なども行われている。平日のみで要予約。
木型工場のある飽の浦地区には霧島、日向、武蔵などの戦艦に機器を載せる艤装作業を行ったとされる150トンのハンマーヘッドクレーンが原爆にも耐え今でも現役で稼働中。
こちらの小菅修船場跡は太平洋戦争では小型船を建造するのに使われたとか。
武蔵と世界遺産
先日長崎に行って来たら駅や観光地の随所に軍艦島のポスターが貼ってあったのでそんなに人気なのかと思ったら、どうも軍艦島を含む「明治日本の近代化産業遺産群 九州・山口及び関連地域」が政府の暫定リストに載り世界遺産への推薦が決まったからのようで。この「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」には軍艦島(端島炭鉱)と一緒に長崎造船所の旧鋳物工場併設木型工場、ハンマーヘッドクレーン、小菅修船場跡などが含まれている。
武蔵を建造した第二船台のガントリークレーンは昭和に建造されたものなので明治時代がメインである世界遺産に向けたリストには入っていないが、「武蔵を建造した長崎造船所が世界遺産!」と言われる日もそう遠くないかもしれない。
時間が止まったような巨大廃墟が楽しめるのことで人気の軍艦島と比べると、同じく世界遺産になるかもしれないにも関わらずまだ人知れずひっそりとしている武蔵を建造した長崎造船所関連の各史跡を眺めてみるのはいかがだろうか。
追記: アニメ艦これ第4話 金剛達の生まれた場所や史実
TVアニメにハンマーヘッドクレーンが登場。
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11月24日(日)呉・大和ミュージアム開催「砲雷撃戦!よーい!五戦目」で冬コミで完成を予定している艦これ由来の鎮守府・海軍工廠の各史跡を紹介する本のプレビューを発行します。
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追記
・[C85]艦これ鎮守府史跡探訪本「提督の辿り着く場所」
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