アイマスの舞台を巡って南太平洋バヌアツの電気が通っていない限界の島まで元祖バンジージャンプを見に行った


アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージの舞台探訪で南太平洋の島国バヌアツを訪問。海外進出したSSR[夢見りあむしか勝たん]夢見りあむのイラストとして出てくる元祖バンジージャンプ「ナゴール(NagholやNanggolなどと書く)」を見るために電気の通っていない未開のペンテコスト島へ向かった。


電気のない未開のペンテコスト島へ


滑走路が草。

「一面のクソミドリ」という笑い事ではなく、空港の滑走路もターミナル前の駐機場にも一面に草が生えていた。

こちらはペンテコスト島の北にあるサラ(SSR)空港。19人乗りのDHC-6 ツインオッターというプロペラ機に初めて乗り込んだらこれである。大雨が降ると発着できない滑走路が草の島。とても楽しそうじゃないか。

次に到着したロノーロア(LNE)空港はナゴールを見る観光客が多いためかさすがに舗装されていたが、ニワトリが放し飼いになっていてこちらもなかなかワイルド。



南太平洋はかつて日米が激突した激戦地を多く持つが、現在は中国が台頭して日米豪と綱引きを行っているので国際的にとてもホットな地域だ。

バヌアツも中国の援助により道路や港湾の開発が随所で行われており、ペンテコスト島では山側にもう1本太い道路が新造されていた。ただ、アスファルトで舗装されておらずすでにボコボコ。かつて日本がODAで舗装したミクロネシア連邦の道路は穴が開きまくって目も当てられない状態だったので、「どうせ維持管理できないなら未舗装のままでよい」という判断なのかもしれない。



こんなところで中国鉄建なんて文字列を見かけるとは思いもせず。



ペンテコスト島の宿。

ペンテコスト島は電気が通っていないため部屋の照明は太陽光発電でバッテリに溜めた電気を使い、夜間は18-21時のみ発電によりコンセントから充電できるのだ。こんな限界な島でも携帯電話の電波は届くから驚きだが、部屋やロビーではつながりが悪く、外に出ないと4Gに繋がらなかった。

シャワーは水しか出ず、トイレもお世辞にもきれいとは言えないが仕方がない。



徒歩で1.5kmほど歩き隣の集落へ行ってみた。



図書館には共有のPCもあり驚き。しかし、本を読む人など1人もおらず、宝の持ち腐れになっていた。



アフリカもそうだったけど、南半球はどうしてこんなにも日の出と日没が美しいのか。



ヤムイモ、米、ツナフレーク、草。

「草」と書いたのはおそらくアフリカでもよく見た葉物野菜なのだが名前がよくわからない。宿は食事付きで1泊3000バツとなり、日本円だとATMのキャッシング手数料を入れて3600円くらい。


地震発生!津波がくるぞ!逃げろ!


朝食はパンとコーヒー紅茶のみというシンプル。



巨大なブタに襲われそうになる。

翌日の午前は1500+1500バツのオプショナルツアーで近くの滝や洞窟に連れて行ってもらい、午後は周辺の集落を1人で探検。

燻して乾燥させたココナッツを無料で振る舞ってもらったのだが、随所でウシやブタが放し飼いになっており、大人のブタはほとんどイノシシで「ギロリ」と睨まれた時は本当に怖かった。ココナッツを食べて育ったブタはうまそうだけど。



昼食はまたツナだよ!

ライスの上に輪切りの状態でドカっとのってて野性的。



「津波がくるから逃げるぞ!」

突然そう言われ、慌てて荷物を持って山の上の集落まで連れて行かれる。

2023年5月19日、ニューカレドニア沖でマグニチュード7.7の地震が発生。すぐ近くのバヌアツにも津波がくるということだったが、遅いネット回線で調べた限りではとっくに50cmの津波が到達しているようだ。「逃げる意味あるのか?」と思ったものの、ここは正しい情報がすぐに入ってこない限界の島だ。何が起こるかわからないので宿のオーナーに素直に従った。



南太平洋の酒カヴァ(Kava)の原料となる木の根。



カヴァの根を粉砕し、水を加えて鉛筆みたいに尖ったサンゴ柱でひたすらぐちゃぐちゃとこねる。

最後に濾してココナッツを半分に切った器に入れ、そして一気飲みするのだ。

味はカビ臭いあの泥水だ。コショウ科だからか少し舌がピリっとして、酔うというよりは鎮静作用が働いてくる。



男たちが薄暗い部屋で座り込んで黙々と作業している。

島によってはカヴァは女性禁制。男性がカヴァを飲むことを見ることすら禁止する例もあるそうだ。

幸い別の巨大津波が来ることもなく夜には下山することとなった。山の上の集落を訪問して滝で遊んだりカヴァ体験をする無料アクティビティがついたことになったのでこれは結果的に忘れられない体験となった。



夜ご飯は庭で育てたチキンです。南無……

いよいよナゴール当日を迎える。途中、空港で日帰りツアーで来た客を荷台に載せ、ランドクルーザーのような悪路に強い車でぬかるんだ泥道や小川を突き進んでいく。


命綱は蔦のみ!新成人よ飛べ!



これがナゴールの櫓か!

ナゴールとはヤムイモの収穫祭と成人の儀式としてペンテコスト島で毎年4~5月に行われていたもので、現在は観光客に見せるために4月から乾季となる6月までの土曜日に開催されている。島の名前となるペンテコスト(Pentecost)がそもそもヤムイモ収穫祭の意味らしい。

SSR[夢見りあむしか勝たん]夢見りあむにはバヌアツに関するセリフは一切ないため、りあむがどのようなシチュエーションでここまで来たのかサッパリわからない。しかし、サイクロンでも来たら一発で崩れそうな木の櫓や斜面の上から蔦で支えている様子などはよく再現されている。間違いなくペンテコスト島のナゴールであろう。



歌って踊りナゴールを応援する高台まで上ってみた。

女性の衣類は腰蓑のみで胸はまったく隠していない。普段からブラジャーをしていないので、おばちゃんはめっちゃ乳が垂れている。



男性は子供も大人もペニスケースのみである。

ペニスケースと言えばインドネシアの秘境西パプアのコテカが有名だけど、バヌアツのペンテコスト島はペニスケースというよりはペニスカバーで、南太平洋について書かれた書籍だとペニスラッパーと書かれていた。バナナの葉でちんこを覆っただけの実にシンプルな衣類。金玉に至っては覆ってすらおらず、もはやふんどしですらない。なるほど、ラップか!

昔テレビとかで見たことあるような南国の島の風景そのものであった。



斜面が急なので撮影の場所取りに苦労しているうちにナゴールが始まってしまった!



高台から老若男女が歌って踊って盛り上げる中、ジャンプをする人もパフォーマンスで周りへのアピールと自らの士気を高める。



そして、飛ぶ!

命綱となるのは足首にくくりつけた蔦のみであり、現代のバンジージャンプのゴムのように伸び縮みはほとんどしない。




複雑怪奇に組まれた高い櫓に自力で上って、そして、飛ぶ。



ナゴールの仕組みはおそらくこうだ。

  • 櫓から勢いをつけて前方へジャンプ
  • 地面近くで蔦がピンと張って前への勢いと落下のGを吸収



最後に全身で受け身をとってクッションとなる土の上に着地する。

つまり、現代のバンジージャンプのように命綱でビョンビョンしてGを吸収するのではなく、最終的に必ず地面に落下するのである。勢いよく前方に飛びすぎると早く蔦が伸び切ってしまいかなりの高さから落下して再加速してしまう。逆にビビって手前に落ちてしまうとそのまま地面に激突することになるだろう。

飛びすぎても飛ばなさすぎてもダメなのである。今回、飛んだ7~8人は幸いなことにみんなすぐに起き上がったので事故はなかった。本来はちんこの皮を切除する割礼の儀式を終えた6~15歳が行うそうだが、どう見てもおっさんみたいな人も飛んでいたので、見世物のために慣れている人がやっていたのかもしれない。



最後に大トリとして櫓の一番高い台に立ち、ナゴールは最大の盛り上がりとなる。



圧巻、お疲れ様でした!

2020年2月頃に渡航を計画するもコロナ禍で一度は断念したバヌアツのペンテコスト島。2023年になってようやく訪問することができて本当によかった。アイドルマスターではブラウザ用シンデレラガールズで北極圏トロムソとオーストラリアのタスマニア島を訪問しアイマス最北端と最南端に到達しているが、今回のペンテコスト島はシリーズで最も限界な場所なのではないかと思う。具体的な場所はないものの、アフリカのガーナも未踏となっているのでいずれそのあたりも計画したい。

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電気のない未開のペンテコスト島へ


滑走路が草。

「一面のクソミドリ」という笑い事ではなく、空港の滑走路もターミナル前の駐機場にも一面に草が生えていた。

こちらはペンテコスト島の北にあるサラ(SSR)空港。19人乗りのDHC-6 ツインオッターというプロペラ機に初めて乗り込んだらこれである。大雨が降ると発着できない滑走路が草の島。とても楽しそうじゃないか。

次に到着したロノーロア(LNE)空港はナゴールを見る観光客が多いためかさすがに舗装されていたが、ニワトリが放し飼いになっていてこちらもなかなかワイルド。



南太平洋はかつて日米が激突した激戦地を多く持つが、現在は中国が台頭して日米豪と綱引きを行っているので国際的にとてもホットな地域だ。

バヌアツも中国の援助により道路や港湾の開発が随所で行われており、ペンテコスト島では山側にもう1本太い道路が新造されていた。ただ、アスファルトで舗装されておらずすでにボコボコ。かつて日本がODAで舗装したミクロネシア連邦の道路は穴が開きまくって目も当てられない状態だったので、「どうせ維持管理できないなら未舗装のままでよい」という判断なのかもしれない。



こんなところで中国鉄建なんて文字列を見かけるとは思いもせず。



ペンテコスト島の宿。

ペンテコスト島は電気が通っていないため部屋の照明は太陽光発電でバッテリに溜めた電気を使い、夜間は18-21時のみ発電によりコンセントから充電できるのだ。こんな限界な島でも携帯電話の電波は届くから驚きだが、部屋やロビーではつながりが悪く、外に出ないと4Gに繋がらなかった。

シャワーは水しか出ず、トイレもお世辞にもきれいとは言えないが仕方がない。



徒歩で1.5kmほど歩き隣の集落へ行ってみた。



図書館には共有のPCもあり驚き。しかし、本を読む人など1人もおらず、宝の持ち腐れになっていた。



アフリカもそうだったけど、南半球はどうしてこんなにも日の出と日没が美しいのか。



ヤムイモ、米、ツナフレーク、草。

「草」と書いたのはおそらくアフリカでもよく見た葉物野菜なのだが名前がよくわからない。宿は食事付きで1泊3000バツとなり、日本円だとATMのキャッシング手数料を入れて3600円くらい。


地震発生!津波がくるぞ!逃げろ!


朝食はパンとコーヒー紅茶のみというシンプル。



巨大なブタに襲われそうになる。

翌日の午前は1500+1500バツのオプショナルツアーで近くの滝や洞窟に連れて行ってもらい、午後は周辺の集落を1人で探検。

燻して乾燥させたココナッツを無料で振る舞ってもらったのだが、随所でウシやブタが放し飼いになっており、大人のブタはほとんどイノシシで「ギロリ」と睨まれた時は本当に怖かった。ココナッツを食べて育ったブタはうまそうだけど。



昼食はまたツナだよ!

ライスの上に輪切りの状態でドカっとのってて野性的。



「津波がくるから逃げるぞ!」

突然そう言われ、慌てて荷物を持って山の上の集落まで連れて行かれる。

2023年5月19日、ニューカレドニア沖でマグニチュード7.7の地震が発生。すぐ近くのバヌアツにも津波がくるということだったが、遅いネット回線で調べた限りではとっくに50cmの津波が到達しているようだ。「逃げる意味あるのか?」と思ったものの、ここは正しい情報がすぐに入ってこない限界の島だ。何が起こるかわからないので宿のオーナーに素直に従った。



南太平洋の酒カヴァ(Kava)の原料となる木の根。



カヴァの根を粉砕し、水を加えて鉛筆みたいに尖ったサンゴ柱でひたすらぐちゃぐちゃとこねる。

最後に濾してココナッツを半分に切った器に入れ、そして一気飲みするのだ。

味はカビ臭いあの泥水だ。コショウ科だからか少し舌がピリっとして、酔うというよりは鎮静作用が働いてくる。



男たちが薄暗い部屋で座り込んで黙々と作業している。

島によってはカヴァは女性禁制。男性がカヴァを飲むことを見ることすら禁止する例もあるそうだ。

幸い別の巨大津波が来ることもなく夜には下山することとなった。山の上の集落を訪問して滝で遊んだりカヴァ体験をする無料アクティビティがついたことになったのでこれは結果的に忘れられない体験となった。



夜ご飯は庭で育てたチキンです。南無……

いよいよナゴール当日を迎える。途中、空港で日帰りツアーで来た客を荷台に載せ、ランドクルーザーのような悪路に強い車でぬかるんだ泥道や小川を突き進んでいく。


命綱は蔦のみ!新成人よ飛べ!



これがナゴールの櫓か!

ナゴールとはヤムイモの収穫祭と成人の儀式としてペンテコスト島で毎年4~5月に行われていたもので、現在は観光客に見せるために4月から乾季となる6月までの土曜日に開催されている。島の名前となるペンテコスト(Pentecost)がそもそもヤムイモ収穫祭の意味らしい。

SSR[夢見りあむしか勝たん]夢見りあむにはバヌアツに関するセリフは一切ないため、りあむがどのようなシチュエーションでここまで来たのかサッパリわからない。しかし、サイクロンでも来たら一発で崩れそうな木の櫓や斜面の上から蔦で支えている様子などはよく再現されている。間違いなくペンテコスト島のナゴールであろう。



歌って踊りナゴールを応援する高台まで上ってみた。

女性の衣類は腰蓑のみで胸はまったく隠していない。普段からブラジャーをしていないので、おばちゃんはめっちゃ乳が垂れている。



男性は子供も大人もペニスケースのみである。

ペニスケースと言えばインドネシアの秘境西パプアのコテカが有名だけど、バヌアツのペンテコスト島はペニスケースというよりはペニスカバーで、南太平洋について書かれた書籍だとペニスラッパーと書かれていた。バナナの葉でちんこを覆っただけの実にシンプルな衣類。金玉に至っては覆ってすらおらず、もはやふんどしですらない。なるほど、ラップか!

昔テレビとかで見たことあるような南国の島の風景そのものであった。



斜面が急なので撮影の場所取りに苦労しているうちにナゴールが始まってしまった!



高台から老若男女が歌って踊って盛り上げる中、ジャンプをする人もパフォーマンスで周りへのアピールと自らの士気を高める。



そして、飛ぶ!

命綱となるのは足首にくくりつけた蔦のみであり、現代のバンジージャンプのゴムのように伸び縮みはほとんどしない。




複雑怪奇に組まれた高い櫓に自力で上って、そして、飛ぶ。



ナゴールの仕組みはおそらくこうだ。

  • 櫓から勢いをつけて前方へジャンプ
  • 地面近くで蔦がピンと張って前への勢いと落下のGを吸収



最後に全身で受け身をとってクッションとなる土の上に着地する。

つまり、現代のバンジージャンプのように命綱でビョンビョンしてGを吸収するのではなく、最終的に必ず地面に落下するのである。勢いよく前方に飛びすぎると早く蔦が伸び切ってしまいかなりの高さから落下して再加速してしまう。逆にビビって手前に落ちてしまうとそのまま地面に激突することになるだろう。

飛びすぎても飛ばなさすぎてもダメなのである。今回、飛んだ7~8人は幸いなことにみんなすぐに起き上がったので事故はなかった。本来はちんこの皮を切除する割礼の儀式を終えた6~15歳が行うそうだが、どう見てもおっさんみたいな人も飛んでいたので、見世物のために慣れている人がやっていたのかもしれない。



最後に大トリとして櫓の一番高い台に立ち、ナゴールは最大の盛り上がりとなる。



圧巻、お疲れ様でした!

2020年2月頃に渡航を計画するもコロナ禍で一度は断念したバヌアツのペンテコスト島。2023年になってようやく訪問することができて本当によかった。アイドルマスターではブラウザ用シンデレラガールズで北極圏トロムソとオーストラリアのタスマニア島を訪問しアイマス最北端と最南端に到達しているが、今回のペンテコスト島はシリーズで最も限界な場所なのではないかと思う。具体的な場所はないものの、アフリカのガーナも未踏となっているのでいずれそのあたりも計画したい。

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