赤ブルマ号ならぬプユマ号
日本の製造業がヤバくなって、発電やら水道やら鉄道などのインフラ輸出が叫ばれるようになりましたが、台湾で旧正月にあたる2月に合わせて新しい日本製の鉄道車両が走り始めました。日本車両が製造するTEMU2000形と呼ばれる電車は普悠瑪(プユマ)号。
ところが先頭車両がどうにも真っ赤なブルマに見えてしょうがありません。プユマとは台湾の南東にある台東に住む台湾原住民のことで、プユマ号は台東方面に向かって走るわけですが、ブルマとプユマの響きもなんとなく似ています。
「Taiwan Railway Administration」の略である「TRA」が流れるようなフォントででっかく書いてあるのが印象的。
座席は可動式枕もあってフカフカそう。
車端にはプユマ号を製造した日本車両の広告まで。
ブルマ号とかって一部で騒いでるだけなら何も問題なかったんですけど、台湾に輸出されたプユマ号に事件が起きました。
基隆港。
台北からちょっと東に行ったところにある基隆港に到着したプユマ号はここから台湾の地を踏むことになりましたが、基隆駅のレールがホームに寄りすぎていたためホームに床下機器を擦りつけてしまうという事故が発生。
そしてこの絵がどういうわけか自由日報という台湾の新聞に掲載されてしまいました(参考)。
「ブルマを擦りつける」というとうっかり違う想像をしてしまいそうですが、赤ブルマの女の子がホームにぶつかっちゃって涙目になってる姿がとってもかわいらしいです。……でもよく見るとハミパンしてるんですが本当に新聞に載せて大丈夫だったんでしょうか。
こういう擬人化イラストを新聞に載せてしまうような理解のある台湾は日本をはるかに追い越してリードしまくってますねえ。
他には、口が尖っているように見えるんで、ドラえもんのスネオに例えてスネオ号と呼ばれて親しまれる通勤車両も走ってます(スネオは台湾で阿福)。
こちらは正式名称じゃなくて勝手に呼んでるだけですが、愛称に日本のマンガのキャラクタを使ってくれるなんて実に親近感のわくお話。
日本でも車両の輸出が話題になった台湾新幹線。
コインロッカーにでっかくプリントされてた日立製作所の太魯閣(タロコ)号。
ベースになっている九州の特急に似てますね。
台湾では新幹線からローカル線まで数多くの日本メーカーの車両をみることができ、日本統治時代を含めるとはるか昔から鉄道を輸出してることになります。新幹線やプユマ号やタロコ号のようなフラッグシップに日本製車両を使ってくれるのはうれしい限り。
台湾の鉄道では日本では見かけない給湯器が設置されてて、その紙コップでもプユマ号をアピール。
というわけで、台湾で走りはじめたばかりのブルマ号……じゃなかった、プユマ号を応援していきたいと思います。