マレーシア発のタクシー配車アプリGrabTaxiを使ってみた。
日本ではまったく普及していないが、マレーシアのMyTeksiを皮切りに、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナム、 インドネシアの大都市を中心に急拡大しているアプリらしく使い勝手を確かめてみた。ソフトバンクが出資したこともニュースになっている。
サリンブン海岸。
そもそも、事の発端はシンガポールの第二次世界大戦の戦跡巡り。旧日本軍が上陸したサリンブン海岸に行った後、めんどいからタクシーでもう1つの上陸地点・クランジ海岸までワープしようと思い、タクシー配車アプリはUberしか名前を知らなかったのでとりあえず使ってみるかー、と試してみた。
「ただいまタクシーの空車がございません」
おい、ふざけんなー!
まあ、国土が狭くて人口密度の高いシンガポールで20分に1本しかバスが来ないような僻地じゃ仕方ないよなあ、ということでこの時は大人しくバスとスカイトレインで移動。
その後、アイマス声優さんの参加が決まったAnime Festival Asia 2014に行く予定の知人から「ちょっとGrabTaxi試してみてよ」と言われたので「そんなのあるんだ」とやってみることに。
GrabTaxiのアプリを落として、Registerで個人情報登録。
名前、メールアドレス、SMSを受信する携帯電話番号を入力し、しばらくするとSMSで4桁の番号が送られてくるので入力して認証。ここまでは日本でやっておくとよい。
上記の画像のように現在位置と近くのタクシーが表示される。
目的地を地図か入力して登録する。
すぐ呼ぶ以外に、時刻や場所を指定して予約、タクシーが見つからない時はチップを追加して金で釣ることもできるようで。
配車が確定するとGrabTaxiのアプリ画面にタクシーのナンバーが表示され後何分くらいで到着するかが出る。
予約確認はメールで届き、SMSが飛んでくるということはなく配車はアプリだけで完結できるため、現地のSIM持ってなくてWi-Fiだけで呼ぶということもしやすい。
ナンバープレートを頼りに探せばよいが、何かあったらドライバーに電話することもできる。
この時は距離22キロ、14から21シンガポールドルとだいたいの料金が表示されていた。
タクシーに乗り込むと運転士さんの右側の端末に自分の名前が表示されており、発車するとナビモードに切り替わった。
中央のナビ画面にはタクシーナンバー、ドライバーの名前、スタート時間が表示されていた。
Google MapsでGrabTaxiが通ったのと同じルートを表示してみた。
よく見たら広告がダイキンだった。
公共交通機関だと1時間半かかるところ、30分たらずで到着!
料金は25.2キロでメーター料金18.8、予約料3.3、25%の深夜料金4.7で合計26.8で1ドル85円とすると2300円くらいか。日本だと7000から8000円はするのかな。
シンガポールの予約料は3.3ドルのようで280円はボッチだと微妙に悩む金額だが、スコールが多く短時間で大量の雨が降る国ではタクシーがつかまりにくくなるタイミングがあるので本当に必要なシーンならけして高くはないだろう。
富士通の広告、シンガポールは意外と日本企業の広告が多い。
シンガポールは国土が狭いため渋滞しないように車の購入や都心への量を制限しているため、渋滞はほとんどなく移動もタクシー率が高く料金も初乗り250円くらいで気軽に利用できるので日本のタクシーがいかに高いかよくわかる。シンガポールは狭い国土で渋滞対策のため車の所有がとても金がかかる反面タクシーは安いので気軽に利用できる乗り物であるという事情があるけど、やっぱり日本のタクシーは高い!と思わされた。
Uberだとクレジットカードの登録が必要だったが、GrabTaxiはドライバーに直接払う方式なのでその辺を気にする人も安心。東南アジアで急成長している理由としては、ドライバー個人で契約するため所属会社を通さずお金が入るという理由が大きいらしく「なるほど!」と思った。
タクシーのナンバー、ドライバーの名前、電話番号、だいたいの料金がわかるので、メーターを回さなかったり遠回りしてボッタクリにあう確率は限りなく低くなるので、そういう心配が多い東南アジアでは重宝しそう。万が一忘れ物をした時も連絡が取れれば戻ってくる確率が高いというのは地味に大きいと思う。タクシーに乗って暴行を受けるリスクも減ると思う。
初期の頃は客から予約料を徴収せず、GrabTaxiが予約ごとに運転士に最大6シンガポールドルのボーナスを渡したらあっという間に普及したそうで。シンガポールにはコンフォート(comfort)という最大のタクシー会社があってComfortDelGro Taxi Bookingというアプリもあるようだが、GrabTaxiはその地位を脅かすほどに登録ドライバーを増やしているとか。
日本にも日本交通などに似たようなアプリはあるが、そもそも日本では流しのタクシーが多いしスコールもないのでアプリでわざわざ呼ぶ必要性は低い。チップ文化がなくおもてなし文化でサービスは無料か定額というイメージが強いのでチップで運転士を釣るという発想はなかなか生まれにくいと思う。Uberのようにクレジットカードの登録も必要ないので、海外行く習慣のある人はとりあえずダウンロードして認証だけしておくのはありだと思う。