電脳九龍城砦・ウェアハウス川崎
「悪の巣窟」「伝説のスラム街」「東洋の魔窟」などの異名を持つ香港の九龍城砦。1990年代前半に取り壊されてその後どうなったのか気になったので現地に行ってみた。
最寄りの樂富駅。
・現代の九龍城?香港でカオスな安宿集合体・重慶大厦に潜入してみた!
現代の九龍城とも言われる重慶大厦からMRTで樂富駅に行き、そこから10分くらい歩く。
九龍寨城公園の入口を発見。
中に入ると中華っぽいきれいな庭園で、朝の太極拳をしてる地元の人も多数。
他にはバスケットボールのコートなどいろいろあり、公園外も落ち着いた雰囲気で浄化されまくってしまい、無計画に増改築を繰り返した巨大ビル群の面影は全くなくなってしまっていた。
将棋か何かのボード?
しばらくすると、九龍城の模型を発見!
模型と一緒に展示されたイラストボードの断面図が緻密すぎる!
イラストからでもどこに繋がってるかわからないカオス空間の片鱗が十分伝わってきた。イギリスの植民地だった香港の中で九龍城は中国の飛び地ながら行政権が及ばず名実ともに「無法地帯」だったが、それが続くとこんな風になるんだなあ。無計画に見えて実は考えられて建設された沢田マンションとも違い、人間による自由気ままに育った人工の生態系は恐ろしい。
九龍城は、アドベンチャーゲームの「クーロンズゲート KOWLOON’S GATE -九龍風水傳-」や、「境界の彼方」第3話で栗山未来と伊波桜がバトルするシーンなどに登場し、失われてしまった今でもゲームやアニメのモチーフになることが多いので訪問できてよかった。
スラム街となるはるか昔に清政府が建設した九龍城砦の南門の遺構や石看板が残されている。
太平洋戦争では旧日本軍が旧香港国際空港を拡張するために城壁の一部を資材として取り壊したそうなので日本も無関係ではない。
九龍寨城公園は朝6時半から18時まで入れるようだったが、資料館は水曜を除く朝10時からしかやってないようで、この日はコミックワールド香港に参加する予定だったので諦めるしかなかった。
公園の近くを歩くと閑静な住宅街ながら、ごちゃごちゃした集合住宅がいっぱいあってこれだけでも雰囲気は十分。
旺角(モンコック)で見かけたビル。
九龍城が永遠に失われてしまったのは残念だが、香港にはこんな感じのビルがまだまだたくさんあってカオス空間に触れられるので更に浄化されてしまう前に楽しみたい。香港に気軽に行けない人は、店内撮影できないけど川崎の「あなたのウェアハウス」もオススメ。