ANA特典航空券でサーチャージかからないエチオピア航空に乗り、24日で東・南アフリカ8カ国+1密入国の周遊まとめ


ANAマイレージクラブの特典航空券を利用してアフリカに行き合計8カ国+1密入国を行った。地図はGreat Circle Mapperで作成。


マイルを使わないといけないのに空席がない!

新型コロナウイルスがまん延した2020年。当時、ANAのマイルは20万マイルくらい持っており、2021年夏にヨーロッパ行きで6万マイル使用し(欠航した分で1.5万マイル返還)、2022年2月にANAメキシコ直行便単純往復で冬の閑散期4万マイルを消費したものの、2022年夏の時点で2023年3月までに13万マイルくらい使わないと失効してしまうヤバイ状態だった。2023年3月以降も延長されることを祈る手もあるが、先延ばしするだけなのでできるだけ早く使ってしまいたい。なお、ANAのマイルは取得から通常3年で失効する。

2022年の夏コミが終わってからヨーロッパにまた行こうとしたところ、アフターコロナの需要回復、航空会社に従業員が戻らなかったりロシア・ウクライナ戦争やのせいで増便がない、といった状況でANAのスターアライアンス特典航空券で空席を探すのは絶望的だった。更に原油高でサーチャージが片道58000円と頭おかしい金額になっており、ヨーロッパ方面でサーチャージがかからないスカンジナビア航空は破綻のためか去年利用した羽田コペンハーゲン線は復活していなかった。

ANAの特典航空券でサーチャージがかからないのは他にエア・カナダ、ニュージーランド航空が有名だが、北米方面はあまり気が乗らず、ニュージーランドのオークランド直行便も冬くらいに検索した時はたくさんあった空席が全く見つからなかった。更に調べるとシンガポール航空と2022年9月発券までエチオピア航空もサーチャージが取られないことに気がついたので急浮上してきたのはアフリカである。


急浮上してきたアフリカという選択肢

冬にメキシコに行った時には地下鉄やバスで物を売ったりパフォーマンスしてチップをねだる人などがめっちゃウザかったので、アフリカはどんなものかと気になった。アフリカや南米は日本から遠く簡単には行けないのでこの機会にアフリカ童貞を脱するのもよいかと思ったわけである。

調べたらアフリカの南半球は冬で暑さも多少はマシかつ乾季で雨もほぼ降らない(ケープタウンを除く)。とりあえず、「地球の歩き方」が発行されている東アフリカ(2016-2017年版以降発行なし)と南アフリカに焦点を絞って行く国を考えた。

アフリカに行くのであればやはり現地の鉄道でダイナミックなアフリカの大地の車窓を見たいと思ったが、南アフリカ共和国などは都市封鎖中に線路の架線が盗まれて走っていない区間があるなどコロナで崩壊した修羅の世界になっているようだった。タンザニアとザンビアを結ぶタザラ鉄道(タンザン鉄道)は運行していそうだったのと、バナナフィッシュに出てくるキリマンジャロ山を見たいのでスタートはキリマンジャロにして、陸路でFGO6周年記念にも登場する南アフリカ共和国のケープタウンを目指すことにした。


エチオピア航空の空席を検索する


ANAのWebサイトから検索すると、2022年8月は成田-仁川-アディスアベバのET672/673便は週3便、9月から週4便あって空席はいっぱいあった。

実際にアフリカを訪問してから「ああ、こんな治安悪くてクソみたいにウザいアフリカにわざわざ行きたい人なんていないから空席がいっぱいあるのか……」と気がつくわけだが、発券時点では知る由もない。

発券が可能な出発48時間前にギリギリで予約して日本とアフリカ往復の手段を確保した。

70,000マイル+空港諸税12,310円

実際の有償運賃を調べるのを忘れてしまったが、日本からキリマンジャロやケープタウンを往復すると15~20万円くらいはかかるので、エコノミーでなんとか1マイル2円以上の価値を生み出すことができた。


飛行経路


  • ADD: エチオピア・アディスアベバ
  • JRO: タンザニア・キリマンジャロ
  • BBK: ボツワナ・カサネ
  • JNB: 南アフリカ・ヨハネスブルグ
  • MPM: モザンビーク・マプト
  • MSU: レソト・マセル
  • BFN: 南アフリカ・ブルームフォンテイン
  • CPT: 南アフリカ・ケープタウン
エチオピア航空のアディスアベバ行きは、成田からまず仁川国際空港へ行き、一度機外に出てチケットを受け取り手荷物検査を行ってゲートから再び搭乗する。

鉄道でキリマンジャロからダルエスサラーム、船でザンジバル往復、鉄道でダルエスサラーム→ザンビアのニュー・カピリ・ムポシ、ミニバスでカピリ・ムポシ→ザンビア首都のルサカ、鉄道でルサカ→リビングストンといった感じで陸路でザンビアとジンバブエの間にあるビクトリアの滝まで行き、ヨハネスブルグを目指そうとした。しかし、ジンバブエも国内の鉄道がコロナから復活してなさそうだったのでビクトリアの滝からヨハネスブルグまでは航空機でワープすることに。

調べるとリビングストンとビクトリアフォールズから近いボツワナのカサネにあるチョベ国立公園で安価にサファリを見てからヨハネスブルグに飛ぶといい感じにつながることに気がついた。更にカサネからナミビアに一瞬入国して訪問国を増やす計画だったが、列車遅延で日程が足らなくなったのでナミビアは諦めた。ボートサファリでナミビアの国境線を一瞬越えたので密入国はしたことになるだろう。また、タザラ鉄道のタンザニア・ザンビア直通はコロナでなくなり、ザンビアのルサカ→リビングストンも減便で鉄道からバスになった。

ビクトリアの滝周辺はザンビアのリビングストン、ジンバブエのビクトリアフォールズ、少し離れたボツワナのカサネという3つの空港を利用できるので、3つの空港で安いチケットを検索してボツワナのカサネからイン・またはアウトして、チョベ国立公園のサファリとビクトリアフォールズを一緒に回るのがオススメとなる。

続けて、ヨハネスブルグから陸路でエスワティニ(スワジランド)へ行き、また陸路でモザンビークのマプトへ行く。そこから先は陸路で行くか空路で行くか決めていなかったが、タンザニアとザンビアで遅延や腹痛でひどい目に遭ったことを踏まえ、長時間のバス乗車は危険と判断してマプト→ヨハネスブルグとヨハネスブルグ→マセルは高額ながら航空機を使うことにした。マプトからヨハネスブルグはインターケープの夜行バスなどもあるけど、ヨハネスブルグからレソトのマセルへは直行バスがなくブルームフォンテイン経由になるので時間節約も兼ねていた。

そして、マセルからブルームフォンテインは乗り合いバスを使って移動し、ブルームフォンテインからケープタウンは南アフリカ共和国国内線でチケットも高くなかったので素直に航空機を使った。


追加購入したチケット

  • 27,960円: BP215 ボツワナ航空 カサネ→ヨハネスブルグ
  • 25,970円: 4Z275 エアリンク マプト→ヨハネスブルグ
  • 18,090円: 4Z052 エアリンク ヨハネスブルグ→マセル
  • 08,491円: 4Z607 エアリンク ブルームフォンテイン→ケープタウン
全てスカイスキャナーで検索してTrip.comとBudgetAirで購入。

南アフリカ航空子会社のエアリンクはANAの特典航空券では発券できないがユナイテッド航空では可能。事前に入念にルート設計してユナイテッドの特典を使っていれば節約できたはずなので、今後の課題として残った。

この他に高額だった移動は、エスワティニからモザンビークで専用車1台を使い36000円ほどかかった。この記事では詳細に触れないが、もしミニバス移動であったらモザンビークに入国できず行程破綻していたので36000円払った選択は正しかった。


最終的な全行程

  1. ET673便 21:10成田発→翌日06:50アディスアベバ着
  2. ET815便 10:35アディスアベバ発→キリマンジャロ13:10着、モシ泊
  3. アルーシャに移動してダルエスサラーム行き夜行列車
  4. ダルエスサラーム着、タザラ鉄道のチケットを買う
  5. 7:00発ザンジバル行き、16:15発ダルエスサラーム行きフェリー
  6. タザラ鉄道13:50ダルエスサラーム発
  7. 故障した機関車交換のため29時間遅延
  8. 終点Mbeya着、ザンビアとの国境Tunduma/Nakondeへミニバス移動
  9. 朝3:30発の大型バス19時間で首都ルサカへ
  10. ルサカ、タンザン鉄道記念公園観光
  11. 朝9:00ルサカ発、大型バス9時間でリビングストンへ
  12. リビングストンとビクトリアの滝観光、新旧ジンバブエ・ドル札を入手
  13. 乗合タクシーでボツワナ・カサネへ、夕方サファリ
  14. 早朝サファリ、BP215便 13:45カサネ発→16:25ヨハネスブルグ着
  15. TransMagnificのシャトルバスでエスワティニ・ムババネへ
  16. ミニバスでマンテンガ文化村、国立博物館、キング・ソブハザII記念公園観光
  17. 貸切車でモザンビーク・マプトへ
  18. マプト市内観光、4Z275便 18:40マプト発→19:55ヨハネスブルグ着
  19. ハウトレインでプレトリアへ行き徒歩観光
  20. Uberで国立歴史軍事博物館、航空博物館、ポンテタワー観光
  21. 4Z052便 09:35ヨハネスブルグ発→10:35マセル着、ミニバスでタバボシウ観光
  22. 日曜のためミニバスで遠方は諦めてマセル市内観光
  23. 乗合バスでブルームフォンテインへ、4Z607便 18:45発→20:30ケープタウン着
  24. 日帰りバスツアーで喜望峰へ
  25. バスとケーブルカーとUberでテーブルマウンテン、ウォーターフロント観光
  26. 近郊鉄道乗車、ET846便 14:35ケープタウン発→22:00アディスアベバ着
  27. ET672便 前日22:35アディスアベバ発→20:15成田着
全行程27日の現地実滞在24日で8カ国を周遊し1密入国と駆け足で回ったことになる。ちなみに、帰りのアディスアベバ空港での乗継時間は35分しかなかったがなんとか間に合った。

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