ワンワールドコネクトのフィジー航空。航空券が高い南太平洋はJAL AA AS BAのマイルで特典発券可能か調べた


2023年4月からフィジー航空の成田ナンディが週2便で復活するものの、座席が埋まらないのかエコノミー往復4万円くらいで買えた。これに便乗して未訪問の南太平洋の島国をいくつか巡ろうと思ったが、このエリアは有償の航空券が高い。2018年からワンワールドコネクトに加盟したフィジー航空の特典航空券を、JAL(JL)、アメリカン航空(AA)、アラスカ航空(AS)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、キャセイパシフィック(CX)、カンタス航空(QF)で発券可能か調べてみた。


フィジー航空の南太平洋ネットワーク


オーストラリアやニュージーランドを除く執筆時点のフィジー航空の主な航空路線(gcmapで作成)。

  • NAN: ナンディ(フィジー)
  • SUV: スバ(フィジー)
  • TRW: タラワ(キリバス)
  • CXI: キリスィマスィ島(キリバス)
  • HIR: ホニアラ(ソロモン諸島)
  • VLI: ポートビラ(バヌアツ)
  • APW: アピア(サモア)
  • TBU: ヌクアロファ(トンガ)
  • VAV: ヴァヴァウ(トンガ)
  • FUN: フナフティ(ツバル)
フィジーの国際線アクセスは西側のナンディが主となるが、なぜかツバルのフナフティだけ首都スバから発着しているので面倒くさい。


ワンワールドでフィジー航空の特典航空券を発券できるか?

発券できる会社とできない会社

  • JAL: フィジー航空が提携航空会社に含まれておらず特典発券できない?
  • アメリカン航空: アメリカの英語サイト(aa.com)のみで可能
  • アラスカ航空: 検索窓に「NAN」などの3文字の都市コードを入力すると検索可能
  • ブリティッシュ・エアウェイズ: 検索窓に3文字の都市コードを入力すると検索可能
  • キャセイパシフィック: 検索窓にナンディやスバ以外の選択肢が出てこないので不可
  • カンタス航空: 特典発券不可
フィジー航空はワンワールドコネクトとなってから成田-ナンディでコードシェアを行っているに関わらず、JALではシステム的に対応していないのか提携航空会社やワンワールド特典航空券の検索はできなかった。

キャセイパシフィックのアジア・マイルは他人への譲渡できるので、友達の香港人にお金を払って自分名義の特典航空券を発券してもらうことも可能だが、ナンディやスバを除く南太平洋のマイナーな島国は検索窓の選択肢に出てこないのでおそらく検索や発券はできない。

アメリカン航空は少し特殊で、americanairlines.jpではなくアメリカ本家のaa.comで居住国にアメリカを選ぶと南太平洋の島国の検索ができ、最後のクレジットカード決済の段階で住所がアメリカで固定されてしまっているので、ダミーの住所を入力して決済をすませると発券が可能だった。

アラスカ航空とブリティッシュ・エアウェイズは検索窓に「Tarawa」のように都市名を英語で入れても選択肢に出てこないので、タラワなら「TRW」と3文字の都市コードを入力して検索ボタンを押すと画面遷移して空席参照ができた(実際の発券までは試せていない)。

ジェットスター・ジャパン利用で以前貯めた時期のあるカンタス航空のクラシック・フライリワードでは南太平洋の島国は対象外で特典発券不可となっているようだ。南太平洋のお膝元オーストラリアのフラッグキャリアだというのにマジで使えないマイレージプログラムである、


エコノミー片道の必要マイル数

  • アメリカン航空: 15000マイル
  • アラスカ航空: 17500マイル
  • ブリティッシュ・エアウェイズ: 1区間ごとの距離制
アメリカン航空とアラスカ航空はナンディで乗継する2区間以上のチケットも片道扱いとなり、タラワ-ナンディ-ヌクアロファといった乗継で1.5万マイルや1.75万マイルで特典発券可能。複数の島国を周遊するのに使いやすく、米系はJALのようにサーチャージも必要ないので便利なマイレージプログラムと言える。

ブリティッシュ・エアウェイズは1区間ごとの飛距離で必要なAviosが決まる距離制。
  • 06000Avios: 1~650マイル
  • 09000Avios: 651~1150マイル
  • 11000Avios: 1151~2000マイル
  • 13000Avios: 2001~3000マイル
例として、ナンディ-ヌクアロファは540マイル=6000Avios、ナンディ-アピアは753マイル=9000Avios、ナンディ-タラワは1347マイル=11000Avios、ナンディ-キリスィマスィ島は2189マイル=13000Avios、といった感じ。アメリカン航空やアラスカ航空のように2区間以上を片道として発券できないが、1区間のみで距離が短い島国に行く時は少ないAviosで飛べるので便利。


ビジネスクラスしか空席がない区間

  • ナンディ-ポートビラ
  • スバ-フナフティ
フィジー航空でしかアクセスできないからか、ツバルのフナフティは片道3万円くらいと飛距離の割に高額。しかも、ワンワールドの特典航空券枠としてはなぜかビジネスクラスしか開放されておらず、アメリカン航空とアラスカ航空はエコノミーの2倍のマイルが必要になり、ブリティッシュ・エアウェイズはエコノミー9000Aviosの区間だがビジネスで16000Avios必要になる。

また、有償だとスバ-フナフティで買ってもナンディ-スバ-フナフティと乗継で買っても料金は変わらないが、特典航空券だとナンディ-スバ-フナフティは空席が出てこず、スバ-フナフティの1区間のみで探すしかなさそうだった。プロペラ機のATR 72のビジネスクラスにわざわざ乗りたい人は少ないと思うので、ツバルに行く場合は諦めてナンディから有償で買った方がよさそうという結論になった。

また、ナンディからバヌアツのポートビラへは複数の会社によって運行されているので片道1.5万円前後で購入できる。


フィジー航空の格安航空券でのマイル加算率(Nクラス)

  • 35%: アメリカン航空
  • 50%: アラスカ航空
  • 25%: ブリティッシュ・エアウェイズ
本記事では完全に蛇足となってしまうが、成田-ナンディ-ヌクアロファの往復を7.1万円で購入したところ(BudgetAir)、予約サブクラス(ブッキングクラス)はN、V、Q、Nだった。東京-ナンディのNクラスの加算率はアラスカ航空だと50%で、ナンディ-ヌクアロファのV、Qクラスは100%加算されるようだ。

成田-ナンディは4409マイル、ナンディ-ヌクアロファは601マイルくらいなので、全部アラスカ航空に加算すると5600マイル加算されそう。1マイル2円で雑に計算すると日本からバヌアツまで実質6万円で往復できることになる。

仮に成田-ナンディ単純往復を4.3万円で購入してアラスカ航空に4400マイル加算されると、実質3万円前半で往復できる計算になるのでめちゃくちゃお得だ。

現在、私はアメリカン航空とブリティッシュ・エアウェイズのマイルを所有しているが、なんとかアメリカン航空を使い切ってアラスカ航空に鞍替えしようと思った。アラスカ航空は改悪が進んでいるものの、日本からキャセイパシフィックでカトマンズやデリーにエコノミー片道1.25万マイル、ビジネス2.25万マイルだし、南米はワンワールドを脱したラタムと提携してエコノミー片道1.25万マイルで飛べるのでまだ夢のあるプログラムと言える。


これまではユナイテッド航空の特典航空券が定番だった


ユナイテッド航空3万マイルで発券した羽田-シドニー-ブリスベン-ポートビラ、ナンディ-シドニー-羽田。

ANAと同じスターアライアンスに加盟しているユナイテッド航空のマイレージプラスを使うと、以前はエコノミー2.5万マイル、ビジネスクラス4万マイルで日本から南太平洋を往復できるボーナスゲームみたいな時期もあったが、徐々に改悪され執筆時点ではエコノミーで往復3万マイルから。それでも空席が取れればまだまだお得な区間と言える。

コロナ禍で一度は破綻したヴァージン・オーストラリアがユナイテッド航空と提携したおかげで、シドニーやブリスベンから南太平洋の島国まで飛べるようになり、日本から南太平洋への選択肢は増えたものの、オーストラリアは短時間で国際線乗継をしないと入国する扱いになって片道の諸税が合計で2万円前後かかってしまう。

エロマンガ島に行きたくなってマイレージプラスでバヌアツまでの特典航空券を発券したものの、フィジー航空だと脳内価格6万円かつ乗継時間も短いのでユナイテッド航空の特典をキャンセルすることにした(2023年頃からキャンセルがステータスに関係なく無料になった)。

また、成田-ナンディが往復4.3万円くらいなので、もう1本単純往復で購入。USエアウェイズ時代にバイマイルしてアメリカン航空に統合されたマイルをさっさと使い切ってしまいたいので、有償で7.8万円するナンディ-タラワを往復3万マイルで発券して太平洋戦争の激戦地に行くことにした。

マイルやAviosを貯めるには、クレジットカードやホテルなどのポイントから変換、バイマイルのセール時に購入、怪しい海外サイトで直接購入などいくつか方法がある。JALやANAは3年でマイルが失効してしまうので、永久に失効しないか失効前に増減があれば期間が延長される米系やブリティッシュ・エアウェイズなどのマイレージプログラムを併用するのが便利である。

未発達の南太平洋やアフリカは有償の航空券がバカみたいに高いので、マイレージプログラムをうまく活用して特典発券で乗り切っていきたい。
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