今年も夏のコミックマーケットのシーズンがやってきた。毎回サークルに対して詐欺に注意するよう注意喚起がなされるところ「本当に詐欺なんてあるの?」とこれまで半信半疑に思っていたが、中国のコミケ「上海ComiCUP」で実際に遭遇したのでその時の様子を紹介。
「上海ComiCUP 魔都同人祭」
日本のコミケほどではないが、中国最大の都市圏を誇る上海だけに結講混雑する。女性向けの方が多くて、男性向けだと艦これも大人気で、たまに戦艦少女の同人誌も見かける。
ある瞬間、「これ下さい」と5冊くらいまとめてうちの同人誌を買おうとする人が。
「うちの本をそんなにまとめてお求めいただけるなんてうれしいなあ!」と小躍りしそうになったが、そいつは、財布から人民元のお札を取り出したのだが、こちらがお釣りを用意しようと手元を見ているうちに、さり気なくお札を自分の財布に戻していた。
そして、「やっぱ買うのやめます」と言うように同人誌を戻し、こともあろうに「お金返して!」と言ってきたではないか!
こちらも混乱して「え?お金もらったっけ?」と焦ったけど、しばらくして冷静になって「これがいわゆるコミケ詐欺というやつ」かと気がついた。
「てめえ、金払ってねえだろ!」と言ってやりたかったがそんな中国語はさすがに勉強してないので、首を横に振って拒絶の意を表して睨みつけてやったら、しばらくして諦めたのか、ゆっくりと立ち去っていった。
まとめると、
よくよく思い出すと、そいつはいかにも同人誌買わなさそうな、ちょっとワルっぽい一般人風の顔つきで空気感でも怪しい感じが漂っていたので、見た目である程度判断できるかもしれない。
これまでコミケや日本の地方に、台北、高雄、香港、重慶、北京、成都、ジャカルタ、シンガポールと海外の同人誌即売会をいろいろ回ってきたけど、こんなのに遭遇したのは初めてだったのでビックリした。上海は様々な思惑や欲望が入り乱れ渦巻くという意味で「魔都」と呼ばれていてイベント名にも入っているが、マジで魔都だったよ!
釣り銭詐欺
コミケでよく聞くのが釣銭詐欺。例えば客が1000円出してきてサークルがお釣りを出したら「出したのは5000円札ですよ」などと嘘を言って多くお釣りをもらおうとするもの。他には、2人以上のグループで結託し、1人目が5000円を先に出して会計しようとして、2人目がすかさず横から1万円を出す。そして1人目が「1万円出しましたよ?」と嘘を言ってサークルを混乱させる、という手口もあるようだ(参考)。
上海の例も釣銭詐欺と似てるけどそもそも本を買ってすらいないので、釣銭詐欺というよりは「お金払った払った詐欺」とでも言うべき?
韓国ウォン
韓国のウォンは日本円の硬貨と見た目と重さが似ているので、日本の硬貨を混ぜて出されたら区別つきにくいのでコミケじゃなくても注意。コミケで注意するべき偽硬貨に使われる韓国ウォンの比較写真をまた貼っておきます。100ウォンは10円の価値しかないので注意!韓国が自販機作る技術なくて硬貨に至るまで真似て作ったってのは本当なのだろうか。 pic.twitter.com/yZKQpJ1ERb
— かずぴー@3日目U46a (@kazupi) 2014年8月14日
以前、500ウォン硬貨に穴を開けて重さを調節した変造硬貨で日本の自販機から大量の日本円を抜き出すのが事件になって、日本の500円玉が新しくなったのがまだ記憶に新しい。
お金は必ず見えるところに置く
こういった詐欺の対策としては、預かったお金は誰でも見える場所にいったん置いておき、会計が終了するまで手元には入れないようにするのが定番。サークルを1人にしない
上海で詐欺師が来た時は自分1人で店番してた時だった。1人だと余裕もないし他に見てる人もいないので当然目をつけられやすい。スペースに2人いればチェックもできるし、2人いるというだけで抑止効果もあるだろう。コミケもだが海外の即売会は特に注意
上海のComiCUPでは、日本人サークルを示す「日本社団」って貼っておいたら、物珍しさで見てくれたり、日本語勉強してる人がわざわざ来てくれたりするので交流できてメリットはあったものの、今回のように一緒に変なのも寄ってくる。異国の地で言葉が通じないので日本より当然余裕はなくなるのでカモになりやすいだろう。上海ほど魔都じゃないけど、台湾は最近日本人サークルが増えているので注意。1人1人の意識が大事
35000スペースもあるコミケでは、自分が詐欺師に狙われることはまずないだろう、などと思い込まず、1人1人が気をつけて防いでいくしかない。上海の「お金払った払った詐欺」はコミケでは聞かないけど、「オレオレ詐欺」が「振り込め詐欺」と名前が変わったように、手口はより複雑かつ巧妙化されていくので、新しい手口がきても瞬時に対応できる余裕が必要になると思う。◆告知
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