2017年08月15日(火)

コミケでpixiv PAYを試す。将来の野望もわかったが本気度が足らなさすぎて絶対普及しないだろこれ


スマートフォンでQRコードを読み取るだけで同人誌即売会の本を決済できるイベント対面決済アプリ「pixiv PAY(ピクシブ ペイ)」をコミケで試してみた。

コミケ会場の自分のブースでは、公式サイトで公開されているポップを印刷して掲示。(よく見たら下の方にあるアプリダウンロード用のQRコード切れてる!)


pixiv PAYのシンプルなUI


pixiv PAYを立ち上げた直後の画面。

その日と全期間の売上が表示され、同人誌を買うための「支払う」ボタン、頒布するための「販売を開始」設定ボタンなどがある。



「商品を登録」をタップすると、表紙画像、同人誌のタイトル、頒布価格を登録できる。

同人誌でもグッズでも18禁でもOKみたい。

登録数に上限はないが、登録した順に表示されて、同人誌の順番を並び替えることはできないので注意。


実際にサークルで使ってみた


「販売を開始」をタップし、頒布したい同人誌をタップして1点ずつ加算し、「QRコード」をタップ。

ここでは弊誌「アイマスで世界一周」「ドイツ艦要塞」を1冊ずつで1500円に。



このようにQRコードが表示されるので、相手のpixiv PAYアプリで読み取る。



「サークルさんのお支払確認をお待ち下さい。」と相手側に表示される。


 
「お支払を確認しました」と自分側に表示されてQRコードでの頒布状況が表示された。


現金でのメモにも使えるが……


pixiv PAYの便利なところとして、現金で頒布した同人誌の数をメモすることもできるので、イベント全体でのお金の動きや同人誌の頒布数を管理することができる。

しかし、削除は一切できない!

テストで登録したのが消せない!助けて!


ヘルプを見てもやっぱり未対応なようで、完全なるオープンβじゃねえか!


クレジットカードはVISA、MASTERのみ


支払う側はクレジットカードを登録を登録しておく必要がある。

登録できるのはVISA、MASTERカードのみで、手数料が高いと言われるアメリカン・エキスプレスや日本国内でシェアが高いJCBは使うことができない。


現在はiOSのみ

今のところ、pixiv PAYが使えるのはiOSのみで、Androidは2017年冬対応予定のようだ。


QRコードの使い回しはできない

今のところ、QRコードは一回のお会計に対して一回しか利用することができない。

つまり決済には端末を立ち上げる必要があり、その端末を持っている人がいないといけないため、常時pixiv PAYを使うには個人のスマホではなくサークルメンバーが誰でも使える専用端末でも作らないと無理。

このため、新刊セットや新刊1冊に対して1つずつのQRコードを予め印刷して貼っておくことができないため、混雑する大手サークルでの使用は絶望的であろう。


手数料は3.6%+10円で2017年まで無料

pixiv PAYの気になる決済手数料は3.6%+10円のようで、コミケで見かけるクレジットカードの決済システムSquare(スクエア)はカードだと3.25%(JCBは3.95%)といった感じだったので微妙に高い?

2017年までは無料なのでお試し期間のようだ。


500円の本の実質手数料は5.6%と高額

例えば、500円の本の場合、手数料は500 * 3.6% + 10 = 28円で5.6%となる。
1000円の本だと手数料は46円で4.6%となる。

ん、ちょっと高くないか?


実は更に振込手数料が200円かかる


「振込先設定」画面。

2017年末までは決済手数料が無料だと聞いたのでホイホイ登録してしまったが、調べたら振込手数料が200円かかるらしい!
3万円以上の場合300円となる。

受取金額が1000円以上ある時は、翌月末にお金が振り込まれる際に200円引かれるので、今回の場合1500円-200円で1300円が振り込まれる。

つまり、今回の手数料は7.5%ということになりめっちゃ高い!

うわー!


残高を使った支払いはまだ不可

決済手数料が無料でも振込手数料が200円かかってしまうのなら、他のサークルの同人誌で使ってしまいたい!と思ったが、そういった機能はまだ実装されていなかった。

ヘルプを見る限りでは今後実装予定があるらしいので期待したいところ。


進みすぎる中国の電子決済


アリペイの画面。

欧米ではクレジットカードが普及し、借金嫌いな日本ではプリペイド式の電子マネーが普及したが、中国では偽札の流通量が半端ないのでスマートフォンによる電子決済が普及している。

中国の同人誌即売会では、アリペイWeChatPayのQRコードを掲げるサークルも多く、上海ComiCUPに出展した際は7人くらいに「アリペイねえのかよ!」と聞かれて、そのうち3人は現金を持ってなくて友達から借りてた。

中国では現金を持たずにコミケに行くのも当たり前なのである。
中国のスマホ決済では今のところ少額の個人間送金は無料でできるため、同人誌を買うのも飲み会のワリカンも簡単にできる。

こういうのを見ていると、残高を使った決済ができず、引き出すのに5%前後の手数料と振込み手数料がかかるpixiv PAYを見るとすごく割高で不便なサービスに見える。


pixiv PAYから見えたpixivの野望

pixiv PAYのヘルプを見ると、クレジットカード情報はpixivやBOOTH、pixivFACTORYなどで共通で使用することができるというような記述があった。

これを見て、pixivがイラストSNSだけでなく同人誌をネットで頒布するBOOTHなどをやっていることを思い出し、将来的にはpixiv PAYの残高を使って同人誌の売り買いだけでなく、pixivやBOOTHの課金もこちらでできるようになり、もっと進めば同人ショップなどで決済可能なオタク向け電子マネーとして界隈に普及させる計画があるのではないかと想像することができる。


ところで「販売」ではなく「頒布」では?

コミケでは全てが「参加者」であり、「お客様」は1人もいない。
同人誌は営利目的ではないはずなので「販売」ではなく、「頒布」を使うべきである、と考える人が多くいる。
そうした中で、pixiv PAYのボタンには「販売」と表示されており、「頒布」に変更することはできない。
「商品」って表記もちょっと気になる。

もちろん「頒布」という表現については異論もあるが、同人誌即売会に詳しそうなpixivのサービスとして、これは「正直どうなの?」と思った。
ロンチの時期をコミケに合わせるなら、そのくらいの配慮を見せるべきではないだろうか。


pixiv PAYの普及は未来永劫ありえない

pixiv PAYは決済手数料に5%前後+毎月振込手数料200~300円がかかるため、小規模サークルでは手数料が高すぎて使いたくならない。
入力してQRコードを発行し端末間で確認する必要があるため、大手サークルでは決済までに時間がかかるため使いたくならない。

という風にトップもボトムもどちらも使いづらいという結論になった。
同人誌1冊の価格が500円など少額なので手数料が高めになるのは仕方ないのかもしれないが、機能を見るとQRコードは使いまわせないわ、個人間送金はできないわ、VISAとMASTERしか使えないわで全体的に不便。
現状ではオープンβテスト感が高く、かと言って将来を見据えたロードマップも開示しないというpixivのやる気のなさには本当に呆れるしかない。

コミケを始めとする日本の同人誌即売会では、今後も現金でのやり取りが主流となり続け、クレジットカードやpixiv PAYを使用する人たちはキワモノ扱いとなるであろう。
Permalink | アニメ・マンガ |
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