「咲-Saki-」舞台探訪で使いたい! 2万円台のゲキヤス魚眼「Samyang 8mm F3.5」の実力とは?


Samyang 8mm F3.5 Fisheye

「Samyang 8mm F3.5 Fisheye」を買いました。先日からケンコーが輸入して日本国内でも販売するようになった韓国のメーカーSamyang製の魚眼レンズ。APS-Cのカメラで対角魚眼となり、キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックス、フォーサーズ用があります。

落下保証含む3年間の保証が無料でつく名古屋のカメラのミツバで購入時税込み29800円でした。なんでこんなに安いかというとマニュアルフォーカスだから。オートフォーカスないのかよ!と思われるかもしれませんが、魚眼レンズはパンフォーカスで撮るのが基本なので、無限遠に合わせて絞ればオートフォーカスがなくてもなんとかなります。

マウントはニコン用をチョイス。フランジバックの長いニコン用を買っておけば、マウントアダプタを使うことで他にキヤノンEFマウント、フォーサーズ、マイクロフォーサーズ、ソニーEマウントなど様々なマウントで使い回すことができるわけです。電気接点のないマニュアルフォーカスのレンズだからこそできる技なわけで。




マウントは各メーカー専用設計になっていて、更にピントリングと絞りの回す方向もそのマウントに準じています。他のサードパーティのレンズとは違ってピントや絞りを純正と同じ感覚で回せるのは地味にありがいんじゃないでしょうか。

まあ、ニコン用を買った私の場合はフォーサーズ陣営のレンズとはどのみち逆なんですけどすぐ慣れました。



絞りで注意するべき点は、開放のF3.5の次がF5.6になるところ。F5.6以降は半段ずつきちんと出ます。F3.5からF5.6の間にピントリングを合わせればその分だけ絞りが出るので、露出を見て調整すれば好きなF値が出せるので問題ないと思います。

ちなみにsamyang 85mm f1.4の場合はF1.4の次はF2.0になるようです。




キャップはフードが出っ張っている部分にツメを引っかけるタイプ。

「SAMYANG」のロゴとツメの部分が合うようにすればしっかりはまります。茶筒のフタように全体で押さえるタイプではないので強い衝撃が加わった時にうっかり外れないかが心配です。前玉がすごく飛び出しているレンズですから。


肝心のレンズを見ていくと、金属とプラスチックで作られた鏡胴はとても作りがよいです。ピントリングのトルクは申し分なく、プラスチックの絞りもきちんとカチカチとしたクリック感があります。あえて欠点を挙げるとすれば前後キャップの素材が安っぽいことくらい。




ディスカバーフォトで取り寄せたニコン-キャノン FD アダプター


マイクロフォーサーズにはFD-マイクロフォーサーズマウントアダプタとニコン-キヤノンFDマウントアダプタの2段重ねで接続。

トータルで500グラムくらいになるのでマイクロフォーサーズのレンズとしてはかなりの重量級に。




このレンズ唯一の欠点が接写。

カタログスペックだと30センチまでしか寄れないらしいです。しかも試しに撮ってみるとどうやっても30センチより離れないとピントが合いませんでした。これはおそらくマウントアダプタがどんなレンズでも必ず無限でピントが合うようにわざとオーバーインフ気味に作ってあって、その代償として接写がしにくくなってるからじゃないかと思います。

他のレンズだとほとんど誤差範囲で収まってるのか気になりませんでしたが、魚眼レンズくらい広角のレンズになるとこういった部分に問題が出てくるとは予想外でした。



そういうときは……

秘技「マウント外し」







これでギリギリまで接写が可能になります!

マウントからレンズを外して数ミリだけ浮かしてあげるとレンズに触れるくらいの超接写ができるようになります。まさに電気接点のないマニュアルフォーカスのレンズだからこそできるバカ技なわけですが、これで欠点を埋めて実用性十分な激安魚眼レンズが完成です。

AZURE Toy-Boxのledmb4daさんがやってる魚眼ポートレートをやってみても面白いかもしれませんね。






APS-Cよりセンサーサイズが小さいマイクロフォーサーズだと対角魚眼から少し狭い部分しか写りませんが、逆に考えればあまり強烈に歪まないので被写体を選べば普通の超広角レンズ的な使い方も見えてきます。


Samyang 8 mm f/3.5 Aspherical IF MC Fish-eye review – Introduction – Lenstip.com
Samyang Fisheye Lens short review
写りは海外のサイトに詳しいデータが載っています。

samyang 8mm – Flickr: Search
FlickrだとHDR合成の作例がたくさん見られますね。

使ってみた感じではやはり開放のF3.5では四隅が甘いものの、絞れば改善してマイクロフォーサーズではF5.6まで絞るのが全域で一番おいしく写るように思います。ピントは拡大しても絶望的にヤマがつかみにくいのでどのくらいで無限遠になるなど覚えておいて少し絞ってパンフォーカスにして撮るのがよいと思います。絞りは6枚なのでうまくやればテレビでよく使われる6角形のゴーストを映しこむ手法ができるかもしれません。






元々このレンズの購入を決めたきっかけは「咲-Saki-」の舞台探訪でした。

普通のレンズではどうやっても広さが足りず、後一歩のところで構図が合わなくて悔しい思いをしておりました。


「咲-Saki-」の舞台探訪はホンマ宝探しだわ。 原作「咲-Saki-」第59局 in 馬籠宿
モモの匂いがする公園に行ってきたぞ――ッ!! 「咲-Saki-」第7巻舞台探




これなんか無理矢理PhotoShopした残念っぷり。


マウントアダプタでキヤノンFDレンズを使ってるとよくお知り合いの方からマニアックすぎるとか、下手すると変態扱いされるんですが、全然そんなことはなく、値段のわりにとても写りの良いレンズを探したり、マニュアルフォーカスでしっかりとピントや構図を合わせる楽しさをこれからも伝えていきたい。

というわけでしばらく使ってみた感じでは大きな問題もなくコストパフォーマンスは最強クラスの魚眼レンズとしてオススメです。将来的にはソニーEマウントアダプタで運用してガシガシ使っていきたいです。

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