【艦これ】ドイツのラーボエ海軍記念館で戦艦ビスマルクの模型や慰霊碑を見る


戦艦ビスマルク

艦隊これくしょんにドイツの戦艦・ビスマルクが配信開始。海外艦の投入自体は前々からアナウンスされていたので、こんなこともあろうかと年始にドイツのラーボエ海軍記念館(独: Marine-Ehrenmal Laboe / 英: Laboe Naval Memorial)でビスマルクの模型を見てきたのであった。

ドイツの北の果てラーボエ海軍記念館


ドイツ北部で第二の都市・ハンブルクからドイツ鉄道で更に1時間ほど北に行くと軍港都市キールに着く。そこからバスに乗ってラーボエという小さな港町へ行き、海水浴場にそって20分くらい歩くとラーボエ海軍記念館が見えてくる。




海軍記念館のシンボルとしてUボートのU995が展示され中に入ることもできる。





ビスマルク級戦艦のネームシップ・ビスマルク。

展示室に入ってすぐの目立つところにビスマルクの模型が鎮座していた。説明書きには1/50スケールとあったが全長251メートルだと模型が5メートルくらいある計算になるので多分1/100の間違いじゃないかと思う。



艦これの島田フミカネ氏によるビスマルクは38センチ連装砲4基と15cm連装副砲、背中の煙突などが再現されている。服には国旗の赤白黒、改になると砲台が赤くなったり白黒のバルチックスキームが入るが、海軍記念館の模型はグレーのみで末期のもの?



ビスマルクの艦首はナチス党のシンボルで国旗にも使われたハーケンクロイツを掲げており、甲板にも塗装されたことがあるようだが、現在ではタブーなので艦これではさすがに再現されておらず軍旗の黒十字になっている。

巡洋戦艦フッドを沈没させられてブチ切れたイギリスによるビスマルク追撃戦で舵を損傷したことにちなんで、艦これのビスマルクには「舵は大丈夫!?」というセリフもある。



戦艦・フリードリヒ・デア・グローセ。



U53。



フリゲート・ブレーメン。

帆船時代の19世紀から現代までの艦艇の模型が展示されている。



キール運河の模型。

北海とバルト海を結ぶ世界三大運河で、ラーボエはキール湾の東側でキール運河は西側にあり、キール中央駅からキール運河へは北へ6キロほどの距離にある。ちなみに、Google Mapsで見るとキール運河の南でちょうど模型が切れているあたりにドイツ海軍の艦船たくさん写っているのが見られた。



ヴィルヘルムスハーフェンの地図。

キールと同じく軍港や海軍工廠のある重要拠点で、わかりやすく言うとエヴァンゲリオン弐号機が出港したところ。



室内の壁際には大戦の解説などが書かれ、ドイツ語以外に一応英語のテキストもある。

ビスマルクについては、イギリスへの通商破壊作戦「ライン演習作戦」の解説がある。ビスマルクが1941年5月24日にイギリスの巡洋戦艦・フッドを轟沈させた、5月27日に沈んだ後は水上の主力艦による通商破壊は終わりを告げて潜水艦での攻撃がメインになった、などと書かれ、ライン演習作戦でのドイツとイギリスの進路図、ビスマルクや、沈没時にわずかに助けられた乗員の写真が紹介されていた。

最終的に戦艦2、重巡2にボコボコにされ主砲4基全部やられてしまい自沈処理もしくは雷撃によって最後の時を迎えるが、フッドの他に戦艦・プリンス・オブ・ウェールズを中破させたので大和ホテルよりは仕事をしたことになるだろう。



海軍記念館の外にはアドミラル・ヒッパー級重巡洋艦3番艦のプリンツ・オイゲンのスクリューと模型が展示されている。

プリンツ・オイゲンはライン演習作戦でビスマルクと共に2隻で出撃し、フッドを沈めたデンマーク海峡海戦を共に戦った仲。大戦を生き延び長門などと一緒に核実験の標的艦となり、現在はスクリューのみが帰国してラーボエに残された。



ドイツの機雷。



日本語の石碑もあり、靖国神社の公孫樹がどこかにあるっぽいのだが詳しくはわからず。




タワーの中に入ると第一次世界大戦と第二次世界大戦で犠牲になったと思われる艦船が壁一面に掘られている。



第二次世界大戦はかなりビッシリ。



アドミラル・ヒッパーの鐘。



鷲、黒十字、逆鉤十字など、ドイツの各時代の軍艦旗。



現在のドイツ海軍のボード。




エレベータで屋上に上がるとU995を見下ろすことができ、ラーボエ周辺やキール湾の対岸まで見渡せるが雨風が強くてあっという間に退散。



階段で降りてみたらタワーの中は空洞で見下ろすと怖えええええ。



地下に降りると先ほどの模型などが展示してあった部屋への通路があり、その途中には第一次世界大戦と第二次世界大戦で犠牲者を出した全ての国の国旗を掲げて追悼している。日本には戦争や原爆の悲惨さを伝える展示は腐るほどあるがこういうのがない気がする。



イギリスとの戦いで2000人以上がなくなったと書かれたビスマルクの追悼碑。



キール中央駅に戻ってキール湾を眺める。

空襲で焼けて近代的な建物も多く、キール湾の一番奥まったところというのもあり、ここからはかつて軍港や海軍工廠を有す大戦の重要拠点だった頃の姿は想像できない。



ハンブルク中央駅。

ビスマルクを建造したブローム・ウント・フォス社はハンブルクにあり、現在もフリゲートを建造しているとか。


ドイツ最高じゃないか!


ラーボエの港。

自衛隊の施設は無料で入れるが、ラーボエ海軍記念館はしっかり入場料を取られ、入口の売店で金を払うと自動改札用のコインをくれる。キール中央駅からラーボエへは100番か急行102番バスで40分ほど。日本から直行便があるフランクフルトやミュンヘンからだとめっちゃ遠いが公共交通機関だけで行けるのでアクセス自体はそれほど悪くない。他には、ミュンヘンのドイツ博物館でもビスマルクの模型や分解されたUボートなどを見ることができるようだ。

ドイツはロンドンやパリみたいにホテルがクソ高いこともなく(ハンブルクは駅近4000円未満で朝食ビュッフェ付だった)、飯もそこそこうまくて牛丼屋は見かけないがソーセージ、中華系、ケバブなどのファストフードも多く、高速鉄道ICEがガンガン走ってて日本とあまり変わらない感覚で旅ができ、ドイツ語がわからなくてもみんな英語が話せて親切に助けてくれるとてもすばらしい国だ。

さすが第二次世界大戦を一緒に戦った国だけのことはある。



ちなみにドイツでは"酢漬けのニシン"をビスマルクと呼ぶようで。

ドイツには魚料理のファストフードがたくさんあり、ニシンを挟みビスマルクと名前がついたサンドも食べられる。酢漬けでクセが強いがなかなかうまいので、ビスマルクをペロペロして食べたい人はどんどんドイツに行くべし。

プリンツ・オイゲンのスクリューについては下記へ。
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