日本のパスポートでは海外はたいていビザなしか空港で金を払えばビザを発行してくれる国が大半で世界最強のパスポートの1つだが、一番近い国であるロシアは原則ビザを事前に発給しなければならない。しかも、ビザの申請には旅行会社が発行する旅行確認書(バウチャー)が必要になりすごく面倒。ロシアは日本の海外旅行ではマイナーな国なのでパックツアーはお高いことが多く、個人で安く自由に旅程を組みたいと思って調べたら、なんでも空バウチャーとやらを発行すればいいらしいと聞いたのでやってみることに。※2024年4月25日: ロシア大使館のドメインが失効していたためリンクを削除
空バウチャーを発行する
・tourist invitation letter to Russia空バウチャーの発行はTravelRussia.suが安いらしいのでこちらにアクセス。
「Nationality on Passport: 」でJAPANを選択すると1回入国か2回入国かのシングルかダブルか聞かれるので選択。シングルが599ルーブル、ダブルが699ルーブルで料金が少し変わる。
「Date of Arrival to / Exit from Russia: 」は2回入国する場合は、最初に入る日と2回目に出国する日をそれぞれ記入した。
「Children: 」「Vehicle: 」はなければ「none」。
次に「Cities to visit: 」で滞在都市とホテルを記入。
サハリンと大陸に滞在するので、ユジノサハリンスクとウラジオストクとハバロフスクを書いたけど、大陸では寝台列車の車中泊しかしないので「trans-siberian railway」と書いてみたけど本当にこれで大丈夫なのか不安になる。
ユジノサハリンスクのホテルはこの時はまだ決めてなくて、なんとなくユーラシアホテルを選択したら、たまたま値段が安く駅前だったため実際に利用することになったが、先にちゃんとホテルは決めたほうがいいと思う。
※追記: TravelRussia.suでは現在、滞在都市とホテルは選択方式になっている。宿泊ホテルが選択肢になければ「other」。または「other」にしてリストにないホテルを後で予約する。
入国審査や出国審査で滞在先について聞かれることは一切なかったが、携帯屋でSIMを買う時にホテルの予約確認書からホテル番号か何かを聞かれたのと、ホテルをチェックアウトする時に夜行列車で車中泊した日はどこに泊まったのか聞かれたので(どちらも英語通じたので助かった)、万が一厳しい審査官にあたったり警察に職務質問されたら問い詰められる恐れもあると思うので、先に予定をしっかりと決めておいた方が無難で、ロシアでは基本的に予定を立てない放浪の旅はできないと思った方がよい(バウチャーと1週間以上同一都市に滞在する場合にもらう必要があるレギストラーツィアのホテルは違っていても問題はないらしいが)。
悩みながら入力して10分くらいで空バウチャーのpdfを発行完了。
英語とロシア語それぞれで書かれているようで、TravelRussia.suで発行したのに英語の社名がなぜか「Allicance travel company」になっていたがあまり気にしないことにした。このバウチャーはビザ付きパスポートと一緒に持ち歩き、ホテルでは預けることになるのでパスポートと一緒にコピーもとって持ち歩いた方が無難。
ビザはダブルの699ルーブルだったのでクレジットカードへの引き落としは当時の相場で2,050円だった。ちなみにロシアの経済制裁でVISAとマスターカードが使えなくなったとニュースになったが、これは引き落とし先がロシアの銀行でなければ問題なく使える。
ビザ申請書
ビザの申請書は完全オンライン化されたので、在日ロシア連邦大使館のサイトからオンライン査証申請フォームを書いて申請用紙を印刷し、写真を貼る。
「訪問の情報」を記載する際、Reference numberはAllicance travel companyの000961を記入し、Confirmation numberはバウチャー番号を記入でいいみたい。
ロシア大使館へ行く
パスポートと写真を貼ったビザ申請書と空バウチャーを持って在日ロシア連邦大使館へ行く。東京の在日ロシア連邦大使館は最寄りの東京メトロ神谷町駅に証明写真機があるらしいので写真は当日貼ることに。
最近の証明写真機は「エクセレントモード」とか「美肌プラス」とか画像補正機能が充実しててすげえな。
というか補正機能付きしか選択できないのかよ!
おのれ、大使館多い麻布なのにプリクラみたいな機械置きやがって。ビザの申請写真で勝手に男前に補正なんてされたら困るんだが、もう面倒くさいからなんでもいいか。
神谷町駅からロシア大使館までは徒歩7分のようで。
土日とロシアの祝日はやってないのと、ビザの申請と受け取りは午前の9:30~12:30のみで、12:30になると問答無用で閉まるらしいので注意(追記: 12:30までに番号札を取っていればOK)。ロシア大使館はハサミとノリ完備で「男前プラス」されてしまった写真を貼り付けて提出。
申請時は受付順番待ちの機械のボタンを押して整理番号が必要だが、受け取り時は必要なく受け取りのレーンに並べばいい。
受け取りにかかるのは、観光の場合11営業日以上は無料、4~10労働日が4000円、3労働日以内が1万円かかるようで。11営業日というのは申請日と受取日を含むのか、月曜日に申請したら2週間後の月曜日に無料で受け取れた。
この間、パスポートは預けることになるので必要があればコピーなどを控えておくこと。
ミスがないか必ず確認すること
ビザの申請と受け取りをしたら、申請時に受け取るレシートのようなものと受け取ったビザを必ずよく確認すること。申請時にこちらが何か間違えたのか、それともロシア大使館側が間違えたのかよくわからなかったが、ダブルで申請したはずがシングルになっていたので、受け取り時に気がついて慌てて聞いたらすぐに修正してくれた。こんな感じで手順は多かったけど思ったより簡単にビザを発給。思い返せば一番ビビった山場は神谷町駅の写真機だったな。
航空券やホテルを押さえる
順番はビザの申請とどっちが先でもいいけど、後は航空券やフェリー、ホテルなどを自分で手配すればOK。今回はロシアまでANAの特典航空券や片道フェリーを使い、ホテルはadoga.com、エクスペディア、hotels.comあたりを使って検索し、予約は問題なく通っていた。ちなみに、トランジットビザはまた別で、稚内からハートランドフェリーの往復で72時間以内に戻る場合はビザ免除制度が使える。平日に休めない社畜の人やロシア大使館が遠い人は屈して旅行会社にビザ発給を任せた方が安上がりになるが、1500~2000円くらいとロシア大使館までの交通費で簡単にロシアビザは申請でき、空バウチャーでも特に問題なく旅程を終えることができたので、旅行会社に無駄な金は払わず自分の旅はできるだけ自分で決めよう。
追記: 2016年7月1日からウラジオストク到着の場合、アライバルビザが施行される予定。第三国に抜けることはできないがロシア国内の移動は自由。