【台湾】台東-枋寮間を1日1本だけ走る日本製旧型客車で忘れられない風景を見た【普快車3672次】


台湾の台東-枋寮間で1日1往復だけ運行される旧型客車を利用して台東から枋寮を目指した。

台東-枋寮間の南廻線は台湾を一周する線路の電化工事のうち最終区間となっており、電化が完了したら台北から電車特急が直接乗り入れられるようになって便利になる反面、旧型客車は廃止されてしまうのではないかと言われている。なくなる前になんとか利用してみたいということで台東へやってきた。


【台湾】旧台東駅を再生させた鉄道芸術村から廃線跡の遊歩道と台東糖廠を経て徒歩で台東駅を目指したらとんでもないことになった
台東鉄道芸術村。 台湾の南東にある台東、その中心街の外れにある旧台東駅は2001年に廃駅となり、郊外に新駅が建設された。旧台東駅の跡地は台東鐵道藝術村として再生され、ホームや車庫、ナローゲージ時代の線路やターンテーブルも保存されている。
緑島から戻り旧台東駅から廃線跡の遊歩道を経由して台東駅に着く。



台東駅に普快車3762次の案内が点灯。

3671次 11:28 枋寮 → 13:41 台東
3672次 16:15 台東 → 18:22 枋寮

訪問時の運行時刻はこのようになっており、台東発は夕方となる。




台東駅3Bホームに降り立つと、オレンジの機関車と青い客車のコントラストが出迎えてくれる。



乗車料金は大人104元だけど、100元の記念きっぷがあるようだったので出してもらった。




35SP 32578。

35SP32550型は1968年日本新潟鉄工、日本帝国車両で製造されたようで。テープで補強しまくった「往枋寮」がいい味を出している。



40TPK 32217T

1971年のインド製らしい。



客車は3両で、回転式クロスシートが並ぶ日本製客車と、クロスとロングシートが並ぶようなインド製通勤客車が選べる。

ちなみに、一番後ろの3両目は地元台湾の鉄道ファンでにぎやか。みんな一緒でこの時を共有したいなら3両目、しずかにしみじみと乗りたいなら1両目か2両目となる。

もしくは、逆向きの枋寮→台東は午前発で人が少ないらしいので、静かに乗りたい場合はそちらを狙った方がよいだろう。



座席を少し手前に起こすと回転できるので、一応このように仲良く座って景色を見ることも可能だが、この位置では固定はできない。



大きな荷物が置けそうなスペース。



旧型客車だけに冷暖房なし。

扇風機のスイッチがついているが動かなかった。



窓は上下に開けることができ、カーテンは引き出し式でかなり年季が入っているのか茶色い。



トイレについては驚いたことに洋式の水洗式。



普快3762次の客車はゆっくりと台東駅を出発し温泉で有名な知本駅に到着。

この駅までは電化されていて、台北方面からタロコ号なども乗り入れるが、この先はまだ非電化。



一番後ろはガラス1枚もない吹き抜けの展望が臨めるが、残念ながら車掌さんに止められるので入ることはできない。



一番前はアメリカ製ディーゼル機関車かぶりつきになる。



海だ!

台湾のファンが一斉に窓を開け始めたので何かと思ったら、車掌からコバルトブルーの海が広がり、みんな一心不乱に写真を取り始める。



そうだよ。この風景を見にここまできたんだ。




途中、客車の莒光号とすれ違う。



日本から失われてしまった景色。


窓を開けてゆっくりと流れる車窓を楽しむ。そう、これだよ。


……普快車とはいえ実際は結構なスピードが出てあっという間に景色が流れてしまうので、タイミングを逃さないようカメラを構える感じになる。



ここで事件発生!

車掌さんのいないスキを狙ってか、台湾の若いファンが車両一番後ろに出て撮影を開始。

戻ってきた車掌さんにめっちゃ怒られてた。

こういう微笑ましい風景も旅情を引き立てるのかな?



この日はあまり天気はよくなかったが、日が傾いてきて空が迫ってくるかのようなダイナミック景色に。



日本信号が受注した電化工事が進んでいるのか、新しい高架やトンネルも。

海とはしばしお別れで、南廻線は山間部へと入っていく。この先はトンネルばかりになるので窓を開けていた台湾のファンも窓を閉めて一段落。



南廻線は廃駅がいくつかあるのでそれっぽい残骸を見ることもできる。



空の色も徐々に濃くなってきた。



自強号とすれ違うために停車。



山間部を抜けて再び海が見えてくる。



冬場は日照時間が短く外を出歩ける時間も短くなってしまうが、この普快車3762次はちょうど海沿いの絶景夕焼けが拝めるスペシャルな時間となる。



あとは、少しずつ闇が深くなる最後の余韻を楽しむだけだ。



定刻通り18:22に枋寮駅に到着。



枋寮駅では7分後の18:29に台中行きの自強号374次に接続できるので事前に買っておこう。

この時はあえてこれを見送って枋寮駅周辺をふらつくことにした。シラスが名物らしいが冬のシーズンオフかつ漁港の市場も閉まる時間だったので、駅近くのセルフ式レストラン816自助餐でおばちゃんに食べたいものを指さしして弁当にしてもらった。











ここまで来られて本当によかった。

台東の前に訪問した池上駅では「駅弁ひとり旅」にも出てくる駅弁手売りがすでに見られなくなっておりがっかりしたが、電化が2020年末に完了するためい つまで走っているかわからない旧型客車はなんとか間に合った。

イベント出展するために一人で初めて台湾に来たのが2014年。ずっとこの景色にあこがれていたのがようやく念願叶った。


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