「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」 第3村にアヤナミレイ(仮称)の風呂が実在した!天竜浜名湖鉄道 天竜二俣駅車両区


「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の舞台探訪で静岡県浜松市の天竜二俣駅へ。※駅ホーム付近を追加


天竜浜名湖鉄道 天竜二俣駅 車両区

高架貯水槽


天竜浜名湖鉄道の車両区にある高架貯水槽。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の第4作目で25年に渡る庵野秀明監督の最終作となった「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。

3作目「Q」のニアサードインパクトで世界が崩壊した後に生き残った人類が集まって1000人くらいで暮らす集落「第3村」のロケ地は、天竜浜名湖鉄道の本社がある天竜二俣駅の車両区となっている。

東海道本線のバイパスとして太平洋戦争を見据えた1940年に開業した国鉄二俣線。その産業遺産が天竜二俣駅の車両区には今も保存されており、「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」に参加することで見学することができる。

ツアーの最初に高架貯水槽を見ることになり、シン・エヴァにも登場するが劇中ではあまり存在感はない。


転車台


シン・エヴァの作中にも登場した転車台。



実際に車両を載せて回転させるパフォーマンスを見ることができる。

今でこそ電動化されているが、昔は10人くらいの人力で回していたそうだ。


扇形車庫・鉄道歴史館


扇形車庫にはレトロ風、ホンダN-ONE、ゆるキャン塗装の車両などが並ぶ。



扇形車庫の端は鉄道博物館になっていて、ここが鈴原トウジの診療所のモデルとなる。

シン・エヴァの作中で登場した「しんじょはら」と書かれた新所原駅の駅名標は、現在のJR東海道本線の新所原駅ではなく、天竜二俣駅車両区内に保存されたものがモデルとなっている。





「プロフェッショナル 仕事の流儀」より。

「第3村」上空からのカットと鉄道博物館内の模型(昔の再現なので今とは異なる)と比較すると概ね一致する。

シン・エヴァの扇形車庫は屋根にソーラーパネルが載っているのが特徴的。


洗濯場・浴場


アヤナミレイ(仮称)が日常を過ごす洗濯場・浴場。エヴァンゲリオン13号機と初号機が対決するCパートで、第3村が侵食されるシーンで映っていたと思う。



農作業を終えたアヤナミレイ(仮称)とおばちゃんたちが入る風呂はなんと実在した!

ただし、現実の鉄道現場は男だらけなので女の子同士でキャッキャウフフ……、ではなくゴールデンカムイの温泉ガチムチ全裸シーンみたいな感じだったのだろう。


※追記
鉄道博物館の旧型国電クモハ40形。

アヤナミ(仮)などが入っていた風呂は車両区ではなく正しくはクモハ42001だった。実際の天竜二俣駅車両区の風呂が男性用であったため、シン・エヴァ作中では女性用の風呂を鉄道車両の中に仮設で作ったという設定なのかもしれない。



アヤナミレイ(仮称)らが洗濯した農作業着を干す場所もここであっているはず。※追記: 服を洗濯するシーンはあるものの、干すシーンはなかった



転車台の隣にある建物は鈴原夫妻の暮らす家だったと思う。


駅ホーム付近



天竜二俣駅のホーム。シン・エヴァでは太陽光パネルを載せた仮設住宅が周りにたくさん建って狭い封印柱のエリア内で身を寄せ合って生きてる感じが描写されているのだろうか。ちなみに車両区はこの奥の方に位置しており、見学ツアーは駅舎からホームを横切って車両区まで歩いていく。


天竜二俣駅へのアクセス・行き方

天竜二俣駅は東海道本線の新所原と掛川を結ぶ天竜浜名湖鉄道のちょうど中間くらいに位置し、アクセスは東京方面からは新幹線こだま停車駅である掛川駅から、名古屋方面からは新所原駅から天竜浜名湖鉄道に1時間前後乗ることになる。列車は1時間に1~2本程度。

新幹線ひかりが2時間に1本停車する浜松駅からは遠州鉄道で終点の西鹿島まで行き、天竜浜名湖鉄道で掛川方面に2駅分乗るか、徒歩で鳥羽山城跡と二俣城跡を巡りつつ列車代200円を節約するのもオススメ。


転車台&鉄道歴史館見学ツアーの参加方法・料金

天竜二俣駅の「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」の開催時間は以下となり、毎日開催で土日祝は1日2回、平日は1日1回となる。
  • 土日祝: 10:50、13:50
  • 平日: 13:50

開催時間までに天竜二俣駅の窓口で記念硬券を購入すると参加できる。

出発場所は駅舎からで、ツアーガイドに従って車両区に入り、転車台パフォーマンスを見た後に自由時間があり、最後に駅舎まで戻って解散となる。

  • 鉄道利用者: 250円
  • 車利用者: 350円
「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」の料金は上記で、天竜浜名湖鉄道利用者は100円安い。自家用車の駐車場は駅の西側にある。

駅舎レストランとしてホームラン軒(コロナ禍により営業時間注意)があり、隣に「食の駅十文字屋」と天竜区観光協会もあるので時間も潰しやすく、道路の反対側は機関車公園と100円ショップ、近辺は本田宗一郎ものづくり伝承館、JA遠州中央天竜支店があるので、お土産として「第3村」で栽培されたお米などの農産物を買って帰るのもよいだろう。

「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」は基本的に時間までに天竜二俣駅にたどり着いていれば参加できるようだが、かつて平日だと参加者1人でマンツーマン解説もよくあったというガイドツアーはシン・エヴァ公開によってかなり増えているようなので、土日祝は午前中を狙った方がよいだろう。


第3村から「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」

25年を経て本当の意味での完結を迎えた「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は、碇シンジのエヴァからの卒業を描くのみならず、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」では庵野秀明自身のエヴァの呪縛から解き放たれて卒業するまでの様子が密着取材によって明らかにされていた。

シンジや庵野のように14歳の思春期のまま25年間囚われ続けた我々消費者にとっても作品の結末はとても感慨深いものであり、もちろん、この25年は失われた30年とドンピシャで重なるため「今更どうしろと」と焦燥感に駆られる人も少なくないだろうが、劇場から帰った後に、人間の営みが細かく描写されたAパートの舞台「第3村」のモデルである天竜二俣駅を訪問することで、これまでのエヴァや自分の人生がフラッシュバックするのと同時に、全てを吹っ切ってこれからを生きる活力が得られたような気がした。

そんな、のどかな春の1日であった。



ちなみに、かつての鉄道現場は男性職場なので車両区のトイレは男性用しかなかった。

舞台探訪というのは実際にロケ地を訪問して作品やキャラクタへの思いを馳せるのが醍醐味である。アヤナミレイ(仮称)が第3村でトイレをどうしていたのか、現地に実際に足を運んでその目で見て「綾波レイならどうするの?」と想像してみてほしい。


エヴァオンリー出展の告知

エヴァンゲリオンオンリー「さよならはまた会うためのおまじない」
エヴァンゲリオンオンリー「さよならはまた会うためのおまじない」の公式サイトです。2021年5月2日(日)に山口県宇部市文化会館にて開催予定!
シン・エヴァのラストや告知ポスターに登場した宇部新川駅付近で2021年5月2日に開催されるエヴァンゲリオンオンリー同人誌即売会「さよならはまた会うためのおまじない」にサークル出展します。

今後、G、SEED、OOなど庵野以外のエヴァが続々と登場するだろうけど、庵野エヴァ単独かつ山口県でオンリーが開催される機会は未来永劫ないと思うのでコミケ99の代替として参加予定。

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