2016年5月、シンガポールの同人誌即売会にサークル参加。全90サークル13000人が参加した赤道直下の国のコミケとは?
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会場はショッピングモールの一角
会場となるSuntec Singapore Convention & Exhibition Centre。
ディスプレイにデカデカと魔法少女キャラのイラストが。
この日は医療機器MRIのコンベンションも開催されていて、最初は間違ってそちらに行ってしまった。
それで、受付で「Doujimaってここでいいんですか?」って聞いたら、「堂島様ですね、しばらくお待ち下さい」「いやいや、違います!」というやり取りが発生して悲しみが生まれてしまった……。
Suntecはショッピングモールやコンベンションホールの複合施設で、モールの片隅にいきなりイベント会場がある。
入口から入ったところの案内板。
飲み物はOKだけど食べ物はNGみたい。
Doujimaは「Doujin market」の略でthe neo tokyo projectという団体によって運営されてるっぽい。今日まで「ネコ東京プロジェクト」だと勘違いしてた。マスコットキャラもネコミミっぽいし。
サークルチケットが存在しない!
おお!机と椅子が並べられて同人誌即売会っぽいぞ。
会場はかなり縦長で、写真の奥の方は3列しか机が並んでいない。海外の同人誌イベントは、だいたいパスポートなどを見せて本人確認するんだが、そういった場所がまったく見つからない。スタッフっぽい人がいたので聞いてみたら、
「あ、勝手に入っていいですよ」
ここまでフリーダムなイベントは初めてだったよ!(アイマスオンリー「フリーダム」を除く)
コミケと同じで入場無料
自分のブースを設営してDoujimaスタート!
開場時間は11時から19時まで8時間と長め。初日の11時から12時はメディアとVIP向けという話だったが、全然そんな感じもなく、11時にベルっぽい音がなって少しずつ人が中に入ってくる感じでいつ始まったのか全然わからなかった。
入場料は無料で、コミケと同じでサークルや企業が全額負担するシステム。冊子のカタログすらない。
申込費は、2日間200シンガポールドルと約16000円でめっちゃ高い(学生と外国人は20%引き)。
午後になって結講混雑してきた。
シンガポールの同人誌即売会は、レイヤーさんが来る時間帯が一番混雑するようで、同人誌を求めて開幕ダッシュするような人はいない。午後からレイヤーさんが増えるにつれて人が増え始め、15時前後が一番人が多い感じで18時くらいまでは継続する。
サークルは女性向けの方が多いようで、来場者も女性がやや多いかな?
入場無料なので、ショッピングモールに来た家族連れや、「何このイベント?」という顔つきでMRIコンベンションの札を下げて迷い込んでしまった人もチラホラいて様々な人で賑わう。MRIの仕事で来た日本人が「日本と同じようなイベントやってる!」と偶然Doujimaにやってきてうちの本をお求めになられたシーンもあり、ご来場ありがとうございました!
まだグッズやイラスト本が中心
日本や中国の同人サークルと提携して頒布物を置いてるサークル。
・エレン先生は海を越えシンガポールでも大人気!早速同人グッズになる
クジなど詳しくはこちらで。
うちのお隣はウォーボードゲームで戦車道?
高い出展料の回収なんてどうでもいいという感じで、こういう展示もありなんだなあと。
亭主は楽しそうだな!
反対側はFateや黒執事をイメージしたアクセサリを。
Doujimaに出展しているサークルを見ると、シンガポールではまだ二次創作マンガを描ける人は少ないようで、イラスト本やグッズがメイン。
このようにイラストを1枚ずつ頒布しているサークルさんも。
コミケにも出ているというシンガポールサークルのice*berry。
東方プロジェクト、艦隊これくしょん、グランブルーファンタジーなどで活動。
今日の新刊をゲット!
オフセットのかわいいイラスト本が手に入り、シンガポールに来てよかった!
艦これ本完売です!
シンガポールサークルのFantaisieNocturne Productions。こちらはコミケ89新刊の「艦娘の一年」が持ち込み分全てなくなったようで、おめでとうございます!
「タウぃ タウぃ え ようこそ」
Avogattoというサークルの艦これ本。
なぜシンガポール南のリンガ泊地じゃなくてフィリピンのタウイタウイなのか。単純に作者さんのサーバーがタウイタウイなだけかも。
数少ない艦これマンガ本かつ、ほっぽカワイイ!ので思わず入手したけど、コピー本みたいなA5装丁で12か15シンガポールドルか忘れたけど1000円相当。シンガポール物価高い。
ラブライブ!や俺の妹がこんなに可愛いわけがないなどの同人誌を出していた香港サークルの萌次元。
90サークルのうち、マレーシア、インドネシア、香港、フィリピンからもサークルがシンガポールに集まり、世界都市の同人誌即売会らしく国際色豊か。
香港は日本と比べると同人誌の需要が小さいのでシンガポールにも来たのかな?と聞いてみると、あくまで好きなことを広めたいというのが目的なようで、思わず「Me too! Me too!!」とガッチリ握手。
ちなみに香港はCreative Paradiseという同人誌即売会が近年生まれて、アニメコンベンションと同時開催で5日間で自称100万人とコミケ並に人が来るようなので同人の需要が小さいというのは過去のものとなっている。
企画や企業ブース
ステージでは「始めよう!同人サークル」や「初めてのビジュアルノベル開発」みたいなのから、「プロになるには」とか「同人活動におけるソーシャルメディアマーケティング」みたいなまじめで本格的な講習が行われていた。
与えられたテーマの絵を書くとグッズがもらえる企画。
「兄貴たちが同人誌即売会に来たおぞましいイラストを描け」という司令を受け取ったのだが、昼飯食いに行っている間に完全に失念してしまった。
企業ブース?
艦これの商業・同人グッズを一緒くたに売ってて謎だった。
シンガポールのマンガ雑誌や、インドネシアの少年ファイトなどを売るブース。
Steamでインディーズのビジュアルノベルを展示するコーナー。
シンガポールだけでも結構な数のタイトルが出ているようで、Steamは他にも中華圏や英語圏でかなりのギャルゲが配信されているので日本もうかうかしていられない。
どこでもコスプレOK
Doujima公式ドリンクのがぶがぶ。
・セブンイレブンしかないシンガポールになぜかいるローソン鹿島
・ポッカがシンガポールのコミケでコスプレ営業
コスプレは通路でもどこでも撮影OKでゆるい。コスプレ関連はこちらで。
はみ出してもOK
日本の東大、東工大に相当する最高学府であるシンガポール国立大学(NUS)と南洋理工大学(NTU)のアニメ部合同サークル。
シンガポールの未来を担う頭脳たちも日本とやることはあんまかわらんな!あと、女性向けだとやはり、おそ松さんや刀剣乱舞が人気。
お前ら邪魔だー!
スペースからこんだけはみ出して座って喋ってても誰も怒らない緩さがシンガポールのDoujimaだ!
こんな感じで通路でカードゲームしてる人も多い。
水瀬伊織誕生日
Doujimaとあんま関係ないけど5月7日はアイドルマスターの水瀬伊織様の誕生日でしてね。
誕生会のケーキもらった!
みんなオタクTシャル着てる
このように765プロシンガポール支部はアイマスのライブTシャツやグッズに身を包むP多数。
艦これ提督もTシャツ着たりカバンに缶バッジをたくさんつけてる人がいて、日本以外の国ではオタクは明るいポジティブな趣味だなーと実感。
このように、アイマスPや提督などの判別が非常にしやすいので、同人誌を手にとってくれた人に、大まかな説明をするか、ガチ解説するか区別して営業しやすいので大変助かる!
弊サークルでは世界で舞台探訪の文化を広めるべく、シンガポールではこのような展示を行っておりました。
頒布物の艦これとアイマスに興味がない人も結講足を止めて見てくれたので、こういった地道な活動を続けていきたい。
同人誌は、艦これ本新刊のみ英語で要約を作成し、大半は華人で中国語がわかるため、中国大陸用の簡体字要約も持って行った。
伸びしろ十分なシンガポールの同人イベント
2日間お疲れ様でした!
参加者は1日目7000人、2日目6000人で合計13000人。サークル数は前回の50くらいから90になり、参加者もサークル数も倍近くなった。スタッフの人に聞くと、前回の場所と値段が変わらなかったので広いSuntecの会場を使用したとのこと。
人口540万人のシンガポールは、ドラゴンボールやワンピースみたいな化物タイトルでも数万部しか売れないらしく商圏がとても小さい。90サークルという数だけでイベント規模を想像して、「申込費すら回収できないのでは」「持っていく半分くらいなくなるといいな」「1人でもいいから自分の好きを知ってほしい」くらいに思っていた。しかし、実際に行ってみると全くの杞憂で、1日目でほとんど持ち込んだ分がなくなってしまった。艦これはどこでも人気だし、シンガポールはアイマスPのコミュニティがしっかりしているので、自分のサークルに限って言えば台湾のファンシーフロンティアや成都Comidayに迫る勢いで、日本人サークルが珍しいという理由もあっただろうけど、1人あたりのGDPは日本より上なので使える額も他の新興国に比べて余裕あるのかも。
流行ジャンルは他の国と同じで日本とほとんど変わらないし、前述の通りマンガが描ける人はまだ少数で、10年以上前に行った台湾の同人誌即売会を見ているようだった。もう何年か経てば今の台湾みたいにマンガの二次創作同人誌が描ける人が増えてくるのではないかと思う(シンガポールの印刷費高そうだけど)。個人的には旅行や批評系同人誌も台湾みたいに根付いてほしいと思った。
シンガポールは赤道直下で遠いがLCCで2~3万円くらいで行けるので、シンガポールの観光は都市型リゾートに興味ないと辛いけど、同人誌即売会のために毎年でも行きたいと思える内容だった。
申込費16000円高い!
イベント会場地図。左が出入口。
今回のDoujimaは1月末に申込が始まり、2日間で200シンガポールドル(SGD) = 16000円!
1日あたりの金額がコミケと同じくらいかつ2日間強制なのでかなり高い。学生と外国からの参加者は20%引きなので、日本からは12800円となる。
申込開始一週間くらいでFacebook上で「65%埋まりました!」って投稿があったので慌てて申し込むことになったので注意。
イベント終了後のGoogleフォームアンケート提出で次回申込が10%割引になるらしいけど外国人割引と重ねがけできるのかは不明。
机のサイズは2×4フィートで、60x120cmと大きい。
椅子は2脚で電源の供給なし。夜間は鍵がかかるので最悪盗られてもどうにかなる荷物は置いて大丈夫。
申込はGoogleフォーム上で英語で必要事項を記入して提出。サークルカットはなし。一切履歴が残らないので、自分で入力内容を保存しておいた方がいい。
支払いはペイパルなので簡単。ジャカルタのComic Frontierと似たような感じで楽だった。
サークル申込高いけど一般の人がたくさん来てくれるので結果としてはあり。
ちなみに、2017年5月はホール内ですらなく、コンベンションの受付を行うような吹き抜けの場所で開催され、狭く細長い場所で人が全然流れず苦労した。シンガポールは同人イベントが行えるような安い場所がないというのが最大のボトルネックとなっている。
最後に、Doujimaは「世界中で5月上旬に同人イベントを開こう!」というプロジェクトを推進しているため、日本のゴールデンウィークのイベントと時期がかぶって海外からのとても参加が難しい。2018年と2019年は断念したのでどうにかなりませんかねえ。
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