【舞鶴】ソロモン諸島から里帰りした駆逐艦菊月の第4砲身が展示された大森神社(彌伽宜神社) : さざなみ壊変

太平洋戦争で日米の戦況の分水嶺となったソロモン諸島で大破着底した駆逐艦菊月。日本海軍の駆逐艦以上の艦艇が唯一海上に残る菊月から艦尾側の第四砲身が菊月保存会の主導で里帰りし、舞鶴の大森神社に奉納され2020年6月27日より展示された。

Contents

1 大森神社へ
2 駆逐艦菊月の第4砲身
3 大森神社へ奉納された由縁
4 菊月砲身奉納記念お守り
5 舞鶴大森神社までのアクセス・行き方

大森神社へ

舞鶴で一般的に大森神社と呼ばれる彌伽宜(みかげ)神社。

参道の途中に複数の神社があり、菊月の砲身は本殿にある。

駆逐艦菊月の第4砲身

三年式12cm単装砲の第4砲身。

第4砲塔の砲身は沈んでいたためか表面の劣化によりデコボコがかなり目立つ。

尾部は途中で埋められている。

首部も途中で埋められているが水が溜まってしまう構造になっているので、長期的な保存での劣化はやや心配である。

ソロモン諸島では菊月の第4砲塔の砲鞍が今も海上に残っているが、砲身は沈んでいたため実際に目にするのは初めてだった。

大森神社へ奉納された由縁

睦月型駆逐艦9番艦として建造された菊月は当時軍縮で海軍工廠から工作部に格下げになっていた舞鶴で1926年に竣工、1942年5月5日に米軍機の空襲を受けて大破着底し放棄された。

彌伽宜神社の主祭神は刀鍛冶の祖神とされる天御影命(あめのみかげのみこと)ということで、日露戦争でバルチック艦隊と戦った装甲巡洋艦春日の砲身を日本海軍が奉納していた。しかし、太平洋戦争の金属拠出で砲身はなくなってしまい、台座の基礎だけが残されて代替となる砲身を探していたのだという(京都新聞より)。大森神社と菊月は舞鶴という以外は直接的な縁はないが、そういう過去があるため収まるべきものがきれいに収まった感は出ている。

本件と直接関係ないがミクロネシア連邦のトラック諸島で装甲巡洋艦春日か日進のイタリアのアームストロング製20cm砲を見たことがあったので、いろいろと回ってるとつながるものもあるものだとしみじみ。

また、境内には伊勢神宮から天照大御神を舞鶴海軍病院の守護神として分霊した三安神社、鹿島神社、香取神社、出雲大社など国造り・国護り系の神社が多数存在するので場所としては申し分ない。

菊月砲身奉納記念お守り

旧日本海軍駆逐艦「菊月」砲身奉納記念お守りが初穂料1200円となっているようだ。

同封の「砲身奉納趣意書」というのがどういうものか気になったものの、売店となる授与所は閉まっており、社務所の方に行っても誰もいなかった。

誰だよ、これ貼ったの。

舞鶴大森神社までのアクセス・行き方

京都交通のバス。

20系統東西環状線(右回り) 大森神社前バス停(229番)。

大森神社は赤レンガ倉庫などがある東舞鶴駅周辺にあり、東舞鶴駅から南に徒歩800メートルくらいのところにある。

京都・大阪方面から西舞鶴駅に到着した場合は、京都交通の路線バスで10系統東西環状線(左回り)に乗車して東舞鶴方面へ向かい、大森神社前(134番)で下車して西に歩くとすぐとなる。東舞鶴駅から西舞鶴駅方面は20系統東西環状線(右回り)で大森神社前(229番)となる。

概ね30分に1本あるものの、朝夕の土曜、日曜運休は要注意となる。京都丹後鉄道の終点となる西舞鶴からJRの東舞鶴方面の乗り換えは絶望的に悪いので軽巡洋艦由良の艦内神社となる由良神社で丹後由良駅と絡める場合なども西舞鶴駅からバスが基本となるだろう。

参拝用の駐車場も一応存在するが台数は少ない。