JR北海道JR東日本に加えて一部の第三セクターが連続する7日間乗り放題になる北海道&東日本パスにプラス6000円の北海道線特急オプション券を利用して北海道新幹線の新青森-新函館北斗間とJR北海道の特急で釧路まで移動してみた。
Contents
北海道&東日本パスの概要
JR東日本とJR北海道の普通・快速列車に7日間乗り放題
細かいルールは公式サイトを見た方が早いが、概要と青春18きっぷとの違いなど特筆するべき点を紹介。
北海道&東日本パスはJR北海道JR東日本の普通と快速列車に連続する7日間乗り放題になるきっぷ。
価格は消費税10%で11,330円、1日あたり1619円となり、JRは91-100kmが1690円なので、東京から湯河原や栃木へ片道2時間くらい列車に乗れば元が取れる。鉄道で移動しつつも旅先での滞在時間をしっかり取れるのが魅力だ。
利用期間は下記
- 03月01日からゴールデンウィーク前週の日曜日まで(2020年は4月22日)
- 07月01日から09月30日まで
- 12月10日から01月10日まで
有効期限は連続7日間だが、無理に7日間全部使う必要はなく、土日で元が取れるなら2日間だけでもいいし、土日と飛び石連休で2+1日だけ使って2回の旅行に分けるという手もある。
BRTや一部の第三セクターに乗れる
北越急行ほくほく線の超快速スノーラピッド。
青春18きっぷと同じく東日本大震災で被災してバス高速輸送システムに移管された気仙沼線・大船渡線BRTはもちろん、青春18きっぷでは利用できない以下の第三セクターも利用可能。
- 青い森鉄道
- IGRいわwて銀河鉄道線
- 北越急行線
18きっぷと違って自動改札が通れるため、有人窓口に並ばなくていいのは急いでいる時にとてもありがたい。
特急料金を払うと北海道新幹線に乗れる
新青森駅。
北海道&東日本パスでは新青森から新函館北斗の区間内でのみ特急料金を払えば北海道新幹線に立席乗車(空席に座れる)することができる。新青森から新函館北斗間の特急料金は4000円となる。
また、急行列車は急行券を買えば乗ることができるので、臨時列車の急行津軽などを利用できる。
更に、北海道&東日本パスでは、奥羽本線の青森-新青森間に限り特急・急行列車の普通車自由席が利用できる特例がある。
青春18きっぷと北海道&東日本パスには「青森-新青森間の全車指定席の快速と普通の普通車指定席の空席に指定席券なしに乗車できる」ルールがあるものの、18きっぷは北海道&東日本パスと違って特急・急行列車は利用することができないので少しややこしい。まあ、早朝の列車で新青森駅に移動したので特急は走っていなかったので、残念ながら特急の特例を使うことはできなかった。
北海道&東日本パス 北海道線特急オプション券
北海道&東日本パスは北海道線特急オプション券というアドオンがあり、消費税10%で1日6110円。
北海道&東日本パスの1日分と同時に消費すると北海道新幹線の新青森-新函館北斗間とJR北海道の特急自由席に1日乗り放題となる。
新青森から北海道へのアクセスに使ってもいいし、北海道の在来線特急のみで使ってもいい。朝に新青森を出発すればその日のうちに稚内、根室、網走にも到達可能。
ちなみに、2020年夏は新型コロナウイルスの需要落ち込みにより北海道から補助金が出て、JR北海道が特急も含めて6日間乗り放題になる「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」の通常24000円が半額の12000円になるというボーナスステージになっていたが、今回は北海道&東日本パスの北海道線特急オプション券をどうしても使ってみたかったのと、滞在先をまだ降りて回ったことのない釧路と根室に絞ったので使わなかった。
繁忙期は使えないので注意!
北海道&東日本パスの利用期間は上記の通りだが、オプション券は繁忙期に使うことはできないので注意が必要。2019年と2020年は8月1日から19日、12月28日から1月6日が対応外。
新青森から根室まで実際の移動
オプション券で北海道新幹線と特急を乗り継ぎ釧路まで
新青森駅の新幹線改札内。
前に訪問した時はまだ北海道新幹線が開業していなかったので初めて見る風景。
北海道&東日本パスと北海道線特急オプション券で北海道新幹線を利用する時は自動改札は通れない。
改札の駅員さんに券を2枚見せて通してもらおう。
新青森から乗車した北海道新幹線の新函館北斗行きはこのように本当にガラガラ。
夏シーズンでも各車両に1人くらいしかおらず、北海道新幹線のヤバさを身にしみるほど感じることとなった。
在来線と新幹線の三線軌条になり、いよいよ新幹線で青函トンネルに入る。
青函トンネルの最も深いところでは電光掲示板に案内が出て、その前後に窓の外を見ると竜飛海底駅や吉岡海底駅も見えるがよく見ないと高速であっという間に通過してしまう。
新函館北斗駅に到着。
新函館北斗だと新函館と省略されてしまうので函館北斗駅にすればよかったのにといつも思う。
駅前は東横インとレンタカー屋くらいしかないわね……。
コロナ禍で北斗市の経済は崩壊し、修羅の街になっていた!
北海道は最終戦争によってロボットしか生きられない世界になってしまったというのか。
というわけで、新函館北斗からはこれに乗り換えます!
……冗談はさておき、特急北斗で札幌方面を目指しましょう。
とてもUシートな座席にアップグレードされているな。
古い座席のままの車両は座席を潰して荷物置き場になっていた。
函館の名物駅弁「鰊みがき弁当」。
駅弁屋はコロナ禍により閉店していたものの、ニューデイズで購入可能だった。
途中、白老駅に停車した際に国立アイヌ民族博物館ウポポイが営業開始したのに気がつく。予定を変更してここで降りるのもありだと思ったけど、札幌近郊でいつでも来られるので今回はパスすることに。
南千歳で特急おおぞらに乗り換え。
海沿いを走る函館本線は有珠山や室蘭工業地帯などが見えたが、根室本線はいかにも北海道らしい牧草地やトウモロコシ畑などが広がる。途中、星野リゾートになったトマム ザ・タワーも見える。
池田ワイン城。
帯広の次の池田駅で降り、徒歩で行ける池田ワイン城へ。コロナ禍によって工場見学はできなかったが、城内は売店以外に蒸留施設の展示もあり、帯広平野も一望できた。
治水や自然博物館となる十勝川資料館や池田の街を歩いて次の特急を待つ。
池田ワインでも買ってみよう思ったら、一番量が少なくて安いボトルは輸入ワインに池田のブドウを混ぜてるようだったので、それなら池田のブドウと北海道産のビートから作ったシュースの方がいいだろうと、ノンアルコールスパークリングワインを購入。地元の山ブドウと醸造用品種をかけ合わせて耐寒品種を作ったワイン向けのブドウ・山幸を使っているらしい。
特急おおぞらの古い座席をあえてチョイスして釧路駅まで。
6110円の北海道線特急オプション券の旅はここで終わりに。新青森から釧路までは特急料金が4000円+1210円+2640円で合計7850円。乗車券は11110円なので、本来であれば特急券と乗車券で18960円かかるところが6110円と北海道&東日本パス1日分ですんだことになる。
池田駅前で購入した米倉商店の「十勝ワイン漬ステーキ弁当」。
「駅弁ひとり旅」に登場した十数年前と比べると肉の量が半分に減っており、変わらぬ肉のうまさと同時に時代の変化をじっくりと噛み締めることになった。
釧路から根室へ 日本最東端の駅と納沙布岬
翌日は根室本線(花咲線)の終点・根室駅まで。
途中、茶内駅では列車すれ違いがあり、ルパン三世の作者ゆかりの街の駅舎を見ることができた。
日本最東端有人の駅。
日本最東端の駅に到達したが、こちらは有人駅日本最東端であって真の日本最東端ではないところに注目。
ともあれ、アイドルマスターモバイルエリアゲームでは根室行きの夜行バス「オーロラ号」で厚床駅で降りて根室エリアを取得し、始発列車で釧路に戻ったことしかなかったので、ようやく最東端の根室まで来ることができた。
納沙布岬。
納沙布岬へは、「駅弁ひとり旅」のように路線バスにするか迷ったが、現在は岬を一周できるバスは運行されていないらしいので、根室交通の根室半島遊覧バス「のさっぷ号」を利用することにした。
納沙布岬のツアーでは花咲ガニ汁が無料で、レンタカーがないと行きづらい場所を効率良く回れるのでオススメだが、花咲線のダイヤに合わせて時間は結構タイトなので注意。
当日でも買えるけど満席だと乗れないので事前に予約した方がよいだろう。
根室駅前の店では夏が旬の花咲ガニが売られていたので500円の一番小さいのを買ってみた。
釧路の宿に戻ってから殻と格闘したら、このサイズだと足の身がスルっと抜けてくれない問題が発生したものの、カニ味噌もしっかり入っており白米があればいくらでも食べられそうだった!
根室のおばちゃんによるとサハリンは水深が深く冬が旬で、北海道では水深が浅いので味が変わるそうで、サハリンで中か大サイズくらいの花咲ガニを3杯800円で買って食いまくった時は確かにもっと味が薄かったように思う。
花咲岬。
根室駅から路線バスを使って根室市歴史と自然の資料館で根室周辺の戦跡資料をもらい、花咲岬で根室車石や海を一望。
東根室駅。
こちらが真の日本最東端の駅である。
根室駅から徒歩で東根室に移動し、釧路駅行きの列車を待った。周りは住宅地だが、なかなか最果てっぽい雰囲気は出てるな!
東根室駅から釧路行きに乗車して、厚床湖へと注ぐ別寒辺牛川。
厚岸駅では前氏家待合所のかきめしを購入。
電話注文をすると列車のドアまで持ってきてくれる。かきめしは甘露煮風味ながら濃すぎない味で有名駅弁だけあって噂通りの絶品。対する帆立弁当は、こちらもおいしかったけどまあ普通かな。
山小屋風の無人駅 細岡駅。
花咲線は東釧路駅で降りて、駅前のコープさっぽろで北海道限定の「ミニッツメイド 山ぶどう&白桃スパークリング」を購入。網走方面の釧網本線に乗り換えて、釧路湿原エリアの細岡駅で降りて徒歩で釧路湿原駅へ。
釧路湿原駅。
細岡駅から釧路湿原駅まで釧路湿原の縁を通って散策してみたものの、特に面白い景色が見られるという感じではなかった。
細岡展望台。
釧路湿原駅近くの展望台から釧路湿原が一望できるものの、雲と霧でほとんど見えない。
ビジターセンターで話を聞いてみると、先に釧路湿原駅で降りていれば夕焼けが少し見られたようなのだが、夏は霧が多くて運が良くないと見られないようで残念!
すっかり暗くなってから釧路駅に戻り、北海道&東日本パスを無事に7日間使い切った!
釧路の炭鉱と廃線跡
翌日は、釧路市立博物館とエントランスホールの鉄道企画展(無料エリア)を見て、日本最後の石炭輸送専用鉄道だった太平洋石炭販売輸送臨港線の廃線跡を徒歩で見る。線路はほとんどなくなったようだが、機関車や貨車が残されていた。
釧路コールマインに移管された選炭工場を見ながら丘を登り、太平洋炭礦 炭鉱展示館。
資料館からの帰りは、柳月でお菓子と無料コーヒーでバス待ちをし、柳月の前にある桜ヶ丘2丁目バス停から【18】白樺線を利用して釧路駅方面に向かい、釧路市中央図書館で太平洋炭鉱の企画展へ。
その後は、和商市場をチラ見して、釧路駅の金券屋で10円だけ安くなるバス回数券を買って釧路空港へ向かい、就航したばかりのピーチ釧路-成田便を利用して終わり。
おまけ: 北海道&東日本パスで新規に乗車した路線
北海道&東日本パスの7日間で乗りつぶしオンラインで乗車済の赤色が増えた!
10年以上前に青春18きっぷを使って蟹田-木古内の特急列車を利用しつつ東京から札幌まで行ったのがとても懐かしい。北海道新幹線の開業で多くが変わってしまったが、北海道&東日本パスは連続5日間だったのが7日間に延長され、新幹線や特急乗り放題のオプション券で値段は上がるものの稚内や根室を目指す際の使い勝手は向上しているので、また制度が変わる前に利用してみるとよいだろう。
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