晴嵐などの水上機を製造した愛知航空機の遺構 徳永スリップ


伊400型潜水艦に搭載した水上爆撃機・晴嵐を製造した愛知県名古屋市の愛知航空機。その工場跡の近くには水上機を陸から水上への上げ下ろしに使うスリップが遺構として残されている。2017年訪問


名古屋市港区に残る徳永スリップ







太平洋戦争関連の遺構、といってもコンクリートの斜面がただそこにあるだけだ。

現場には徳永スリップと呼ばれる庄内川に突き出すように伸びるコンクリートの遺構が現在も残されていた。水上機を陸から水上に上げ下ろしする際は、水上に浮かせるためのフロートつけて台車に載せて行っていた。

愛知時計から分離した愛知航空機は、九九式艦上爆撃機、零式水上偵察機、九八式水上偵察機、晴嵐、ドイツのダイムラー・ベンツからのライセンス生産を行った水冷式エンジン「アツタ」などの製造を徳永や熱田で行っていた。

日本海軍の潜水空母 伊400型に格納した水上爆撃機 晴嵐をスミソニアン航空宇宙博物館で見よ
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太平洋戦争末期は伊400型潜水艦に搭載した晴嵐の製造を行っていたが、1944年12月7日の東南海地震や1945年の空襲などで製造が止まることがあった。現在、スミソニアン航空宇宙博物館に世界で唯一保存されている晴嵐28号機は終戦時に徳永工場にあった機体と考えられている。


徳永スリップへのアクセス・行き方


現在、愛知航空機の跡地は愛知機械工業となっている。

徳永スリップへのアクセス・行き方は、名古屋駅から「あおなみ線」に乗車して野跡駅で下車して徒歩800メートル。名古屋市稲永スポーツセンター付近の庄内川沿いとなる。

車で行く場合は、稲永公園に駐車場があって無料で停めることができる。


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