シン・エヴァンゲリオンの作中でニアサードインパクトによって崩壊した世界で生き残った人類が暮らす第3村には様々な鉄道車両や駅やトンネルなどの鉄道施設が登場する。
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C58蒸気機関車
第3村の転車台の付近にいる蒸気機関車は、天竜二俣駅近くで保存されているC58(C58389)だと思う。
シンジが歩く大日影トンネル
大日影トンネル。
廃人になったシンジが第3村から出てネルフ第2支部N109棟だった北の湖の廃墟へ歩いて向かう途中に通るトンネルは、恐らく山梨県甲州市にある旧中央本線だった大日影トンネルだと思う。
シン・エヴァの作中に登場したトンネル入口は恐らく勝沼町ワインカーブがある方。
勝沼ぶどう郷駅で電気機関車EF64が保存されている駅前甚六公園から大日影トンネル遊歩道としてトンネルの中を歩くことができたが、現在トンネルは封鎖されているため、駅前の電動シェア自転車を使うか平日2本、休日3本のバスを使って勝沼町ワインカーブまで行くしかない。
くめがわ電車図書館
第3村で子供が絵本を読んでいた列車内図書館のモデルは西武鉄道の廃車両を再利用した「くめがわ電車図書館」。
東京都村山市で旧公団住宅のURグリーンタウン美住一番街の中にあり、隣は都営住宅という地域住民の多い立地のため訪問する際は不審な行動など取らないよう細心の注意を払う必要がある。
人がいない時間に外観写真を撮ろうと閉館間際に行ったら、図書館入口となっている客用ドアを施錠した後に運転席から出て最後の戸締まりを行うというなかなかおもしろい風景が見られた。
青梅鉄道公園のクモハ40
青海鉄道公園のクモハ40形(クモハ40054)。
ゲンドウと戦う際のシンジの心理描写で登場する鉄道車両がクモハ40であったと思う。
クモハ42形の床下でアヤナミレイ(仮称)がネコを眺めるシーンをクモハ40で似た感じに撮ったつもりが、帰って写真を確認したら全然合ってなかった。
キハ40
SLのとなりにいる気動車は国鉄のオレンジ色をしたキハ40。
JR北海道のキハ40が手元にあったので長万部で撮影したものを掲載。
西日本で走っていた白地に青いラインが入った123系は写真がなかったので、同じ123系の写真を発掘できたら追加予定。
電化されていない天浜線に電車が出てくる理由
現実世界の天竜浜名湖鉄道は電化されていないため天浜線はディーゼルエンジンの気動車が走っている。しかし、第3村には架線がないと走ることができない電車のクモハ42が出てくる。
これはなぜなのか?そもそも静岡県以外の地方の鉄道車両が多数出てくるのはなぜなのか?映画を見て気になっていた。
https://www.cinematoday.jp/video/VIYT6AuqHJN-UI
電化されていないのに電車が出てくる理由は、庵野秀明監督の子供の時に思い出があるものや人生に関わりのあるものが小ネタとして置いているからだという。
ニアサードインパクトのコア化によって大地が崩壊して日本列島もぐちゃぐちゃになっているので他の地域の鉄道車両が集まった、支援団体KREDITによって生活に使えそうなものとして運んでもらった、などいろいろ考察してみたが、あくまで庵野監督の趣味らしいのでそんなに難しく考えなくてよかったようだ。
動かない鉄道が終わった人類の文明を鮮明に描き出す
庵野監督はガチの鉄道好きであり、エヴァンゲリオンの作中では実在するモノレールやケーブルカーなどをモデルにして第3新東京市の交通網をリアルに描いていたり、ヤシマ作戦に必要な超高圧通常変圧器をDD51形ディーゼル機関車とシキ880形大物車で運んだりしていた。シン・ゴジラでは山手線と京浜東北線をゴジラにぶつける描写があったのも記憶に新しい。庵野監督の作品では彼の大好きな鉄道がこれでもかとこだわって描写されるわけだが、シン・エヴァの第3村において登場した鉄道車両や駅施設はこともあろうにまったく動かないのである(転車台などを使って人力で配置換えくらいはやってそうだけど)。
封印柱に守られた狭い範囲でしか生きることができない第3村では、人やモノを運ぶことを使命とした鉄道はその役割を果たすことができずただの箱に成り下がっていた。その様子を見て「ああ、人類の文明はニアサーで本当に終わったんだ……」と強く感じさせるものがあった。
そうした無機質な「動かない鉄道」を、家、風呂、図書館などの施設として最大限に活用して懸命に生きる人々を対比的に描くことでポカポカと暖かい日常風景を際立たせる効果を生んでいた。そして、ラストの宇部新川駅のシーンではアニメと実写を合成するのと同時に、第3村の「動かない鉄道」に対して動くクモハ42を登場させたことが物語の「終わり」「さようなら」「卒業」といったメッセージを強く語りかけて目が覚める思いにさせてくれた。これがシン・エヴァにおいてあえて「動かない鉄道」を描くことによる庵野監督の新しい鉄道表現であったと思う。
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