中国の観光ビザ(L)の発行に挑戦したら思いの外大変だった。申請時に必要なものや注意点をまとめた。
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申請用紙にまさかの受取拒否!
凍結された中国のSIMカードと銀行口座の凍結を解除するために成都へ行くことにした。前のパスポートの同一証明を出すために重慶の日本総領事館へ行く必要があり、成都から出られない72/144時間トランジットビザ免除制度ではなくシングル30日間有効の観光ビザが必要となった。中国のビザを申請するため申請用紙をしっかりと埋め、何度も見直した後にお台場にある中国ビザ申請サービスセンターへ向かった。
東京の中国ビザ申請サービスセンターは東京ビッグサイトの隣にある有明フロンティアビル12階にある。
入口の警備員にビザ申請に来たことを伝えると、行列に並ぶよう指示される。申請書類を窓口に提出するための番号札をもらう必要があるようで、同時に申請書類に不備がないか窓口提出前にザックリとチェックするらしい。
列は進み、順番が来て書類を受付の人に渡す。
「これではダメです」
まさかの受取拒否!な、なぜだ……。あれだけ何度もチェックしたのに。
Chinese Visa Application Service Center
申請用紙の作成にはやることが結構多い。最初の方を読み飛ばしたせいで初手からミスってしまい修正不可能!やっちまったああああああ!!!!
東京でのビザ申請は、申請と受取で2回お台場へ行く必要があるのだが、3回に増えた瞬間だった。
観光ビザ申請に必要なもの(ホテル滞在)
- 申請用紙(モノクロ可)
- 48x33mmの証明写真(フルカラー)
- パスポート
- 前のパスポート(捨てた場合は不要)
- 航空券の控え
- ホテル予約確認書
- 中国入国スタンプやビザのコピー
- トルコなどの入国スタンプのコピー
中国独自の証明写真サイズ
ビザ申請に必要な証明写真は48x33mmという中国にしかない独自サイズだ。顔の大きさや余白の規定が厳しく、パスポートや免許用に作った写真を切って調整しようとしたらサイズが合わず、もし受け付けられなかった困るので、フォトショップで微妙に大きさが違う3パターンの顔写真データを作成して40円のコンビニLプリントした後にカットして持っていった。広角レンズをつけたカメラを手に持って自撮りしたため、パースペクティブの問題で耳がほとんど写っていない写真だったけどセーフだった。
航空会社の無料トランジットホテルは使えない?
ビザの申請には全ての日程のホテルの予約確認書類が必要となる。中国の多くの航空会社は乗継時に無料トランジットホテルを利用することができる。しかし、ビザ申請時にまでホテルの物件が確定しており、ホテル名、滞在日程、住所、電話番号が確認できないと使うことができない。例えば、中国国際航空は航空券購入後にホテルの予約することができるものの、厦門航空は当日にならないとどのホテルに泊まるかわからない。もし、厦門航空のトランジットホテルを使う場合は、キャンセル可能なホテルを予約して予約確認書類を作り、ビザ取得後にキャンセルするしかない。
中国入国スタンプやビザのコピー
申請時は中国に入国した際にパスポートに押されるスタンプやビザのコピーが必要。申請書類には過去に入国した際の履歴を記載する必要があるものの、24時間トランジットビザ免除や深センなどのアライバルビザ(特区旅游(E)ビザ)は選択肢にないため記入する必要はない。しかし、24時間トランジットビザ免除や特区旅游ビザのスタンプやビザのコピーも必要と言われた。用意していなかったのでもう一度並ぶ必要があるのかと思ったけど無料でコピーしてくれた。
トルコなどの入国スタンプのコピー
トルコ、パキスタン、アフガニスタン、シリア、イラク、イラン、キルギス、タジキスタンへの入国履歴がある時はその国の入国スタンプのコピーが必要になる。北朝鮮やキューバへ行ってしまうとアメリカ合衆国のESTAが使えなくなるのと似ている。以前は「観光で入国しただけでテロリストではありません!」みたいな書類にサインさせられたらしいが、現在はそのような措置はなくなっているようだ。
銀聯カードで待ち時間短縮
窓口に申請書類を出すための番号札をもらう時に銀聯カードを提示すると待ち時間が短くなるらしい。銀聯カードならなんでもいいようで、HSBC香港のデビットカードでもOKだった。中国の銀行カードや中鉄銀行カードのようなデビットカードでもよさそう。コピー機も無料で使えるみたいけど試していない。予約なし切符なしで中華新幹線に乗れる!中国のEX-IC 中鉄銀通カード
中国の鉄道の中長距離利用は基本的に紙の切符を発券しないと乗れないが、日本の新幹線に相当する高速鉄道では中鉄銀通カード(中铁银通支付卡)を発行すると外国人でもICカードで予約することなく乗ることができる。中鉄銀通カードを作るため上海駅の南東に...
コピー機、証明写真機、PCはある
中国ビザ申請サービスセンターには、コピー機、証明写真機、インターネットに繋がったPCがあるため、うっかり何かの書類を忘れてもある程度はリカバリ可能だ。書類がちょっとだけ欠けている程度なら張り出されているメールアドレスにpdfを送信すると無料で印刷してくれた。証明写真は手持ちのものをカットして持っていき、もし規定外だとはねられたらその時だけビザ申請サービスセンターの証明写真機でお金を払って撮り直せばよさそう。
私の場合は15時に訪問して初手からやらかしたことが判明してリカバリ不可能になってしまったので、ビザを申請する時は余裕を持って必ず午前中に行こう。
申請日の3日後に受取可能
申請に問題がなければ4営業日後にビザが発行される。月曜日に申請した場合は木曜日に発行されるため、実際は土日祝を挟まない場合は3日後に受取可能。Webサイト上からも審査状況を確認できる。観光ビザのシングルは合計7250円でクレジットカードの利用も可能。特急対応だと追加料金がかかる。
72/144時間トランジットビザ免除を活用しよう
中国へ行く際に往復のどちらかで第三国を経由すると、乗継扱いで入国できる72/144時間トランジットビザ免除制度がある。東京→台湾→中国本土→東京、東京→中国本土→仁川→東京のようなルートだ。中国の観光ビザを申請するにはお台場へ2回行く必要があり、申請書類や写真を用意する手間で丸一日は潰れてしまうため、社会人の日当を2万円で計算すると、ビザ代と交通費を入れて3万円相当になる。中国の航空会社は安いものの、中国滞在が1週間程度の場合は72/144時間トランジットビザ免除が使える航空券との差額が3万円以上ないと割に合わない。
どうしても1週間より長い滞在が必要、夜行列車に乗るため都市間を移動したい、ロシアやモンゴルに行くからダブルが必要!など気合の入った旅程を組んだ時のみビザを取得しよう。
24時間トランジットビザ免除や深センの5日間アライバルビザなどは下記へ。
24時間トランジットビザ免除制度で中国本土を経由し香港/マカオ/金門へ鉄道や船で抜ける 厦門航空の無料トランジットホテル 深センのアライバルビザ
日本国民を対象とした、中国へ15日以内の短期滞在に対するビザ免除措置がコロナ禍以降停止されて久しい。24時間トランジットビザ免除制度を使って「東京→北京(入国)→国内線で深セン→鉄道や船で香港/マカオ」と移動可能か調べた。2024年3月25...