高すぎる30万円の「きんいろモザイク」イギリスツアーから見る日本の旅行業界の闇



「きんいろモザイク」に登場するロンドン・パディントン駅

ハロー!きんいろモザイク公認 イギリス・コッツウォルズ地方を巡るツアー5日間
「きんいろモザイク」のアリスの実家があるイギリスのコッツウォルズを巡るツアーが30万円すると聞いて内容を見てみた。

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「きんいろモザイク」ツアーはどんな内容なのか


ビッグベン。

「ハロー!!きんいろモザイク」公認というのは、ロンドンで1泊、コッツウォルズで2泊する3泊5日のツアーで、シイ.エイ.エヌ.(キャンツアー)という会社が開催するようで。

1日目にロンドンのヒースロー空港に到着後、現地係員と一緒に空港から拠点駅のパディントン駅まで行き、翌日の鉄道の乗り方を聞く。専用車でビッグベンやアビーロードなどTVアニメ第2期の「ハロー!!きんいろモザイク」のエンディングに出てくるところを回ってロンドン泊。

2日目はパディントンから鉄道でチッピングハム駅に移動してそこから専用車アリスの実家で宿となるB&B(ベッドアンドブレックファスト)のフォスファームハウスへ。その後は自由行動。

3日目は宿から車でスウィンドン駅に行き、そこから鉄道でケンブル駅に移動。サイレンセスター、バイブリー、カッスルクームへは車で移動。カッスルクームから宿へや歩いて帰る。

4日目は車で宿からチッピングハム駅に行き、鉄道でパディントンを経由してヒースロー空港へ。

5日目は機内で日付が変わって成田着で解散。

……という風にロンドンとコッツウォルズを効率よく回れるようで。


ツアー代30万円は高い?


ロンドンアイ。

ツアー代金は5日間で298,000円~328,000円と聞くと一見かなり高いと思う。

しかし、内容をよく見ると鉄道以外はほとんど車で送迎があり、ロンドンはニューヨークと並んでホテル代が高く、忍が泊まった部屋がどれかよく知らないがフォスファームハウスのバスタブ付きの部屋は1泊125英ポンドで2万円以上、ヒースロー空港とパディントン駅を結ぶ空港鉄道のヒースロー・エクスプレスは乗車時間15分のくせに2等往復34ポンドで6000円以上する。更に夏季のヨーロッパ直行便は15万円以上するのもザラ。

加えて、オリジナル旅のしおり、Tシャツ、タオル、缶バッチ、2期7話のイギリス・シーン絵コンテがついてくるなら30万円と言われても「まあ、こんなもんかなあ」という感じになってくる。


追加料金をよく見てみよう


ケンブル駅に向けて忍が乗り換えるスウィンドン駅。

ただし、1人だとホテル代が追加で8万円かかってくるのでボッチには辛い仕様。これは海外のホテルでは一人単位ではなく一室単位で料金がかかるため。

ツアーの詳細をよく見ると、第2期のモデルとなる場所へ行くオプショナルツアーがあるようだが別途支払う必要がある課金コンテンツ。

そして、ツアー代金は298,000円~328,000円という表示だが、サーチャージ21,000円(燃油追加代金)が旅行代金に追加される。

更に、下の方へスクロールし「旅行代金に含まれない内容に関する追加記載事項」という項目を見ると「現地税」「国内出国空港利用料」と書かれており、どうもサーチャージに加えて空港諸税も別途取られるようである。

成田空港は2,670円で、ロンドンのヒースロー空港はというと……。


航空旅客税: 71英ポンド
旅客サービス料: 42.06英ポンド

1英ポンド188円で計算するとなんと合計21255円!!!!

ANAで料金を計算したら21,600円だった。これらから実際の料金を計算してみると、298,000 + 21,000 + 2,670 + 21,600 = 343,270円!!

ボッチの人だと423,270円たっけえ!!!

このようにサーチャージ諸税を足すと世界一周航空券が買えそうなお値段に。そして朝食が3回ついてくる以外は、物価が高く消費税にあたる付加価値税(VAT)20%のイギリスで飯代を自分で出さないといけないので、いったい総額いくらかかるんだ!という感じになってくる。


サーチャージ諸税別表示の悪しき風習


2013年まで旅客数世界一で空港税もトップクラスのヒースロー空港。

このツアーの例だと、旅行代金にはサーチャージと空港諸税は含まれておらず、サーチャージ21000円はサイトの上部に旅行代金と隣接して記載されているからまだマシだが、空港諸税は下の方をよく見ないとわからないようになっている。

しかも東京ロンドンの直行便なのでヒースロー空港以外を使う可能性はないのに、2万円以上するヒースロー空港の諸税が記載されていないのを見てホント頭きちゃったわ!英ポンドでいいから書いとけよ!

空港税について電話で聞いてみたらやはり加算されるようで、「英ポンド建てでいいから記載するべきでは?」と聞くと「英ポンド建てでは徴収しておりませんのでー」と返ってきて「いやいやそういうことじゃないだろ!日本円で徴収しますって注意書きすればだろ!」と思ったけど、この会社だけに言ってもしょうがないので諦めて電話を切った。

そもそも、海外では航空券は総額表示が一般的で、サーチャージや空港税を別立て表示する悪しき風習が未だにはびこっている日本の航空、旅行業界はいっぺん滅びろ!消費者バカにするのもいい加減しろ!(JAL、ANA公式サイトは最近になって最初から総額表示になったが)

というわけで、30万円のツアーは実質34万でボッチは42万になるはずなのでこのツアーの利用を計画してる人は要注意。


出発前から舞台探訪は始まっている


忍が乗るHST(ハイスピードトレイン) InterCity125

ゆっきーの散歩Blog – きんいろモザイク
今回のように手取り足取り全部やってもらって後は口を開けるだけで食い物流し込んでくれるようなツアーはけして否定はしないが、「きんいろモザイク」の舞台探訪でイギリスに行きたいなら、ゆっきーさんあたりのサイトを参考に自分で手配するのがオススメ。当たり前だがイギリスは英語通じるし、車も日本と同じ左側通行なのでコッツウォルズでレンタカーを利用するハードルは低い。

背景のモデルはどこにあるのか、ロケハンスタッフはどのように現地を回って作品の舞台を組み立て、主人公たちはそこでどのように生活しているのか、そんなことを考えながら事前に自分で調べるところから舞台探訪はすでに始まっているのであり、これも舞台探訪の醍醐味の1つであることをこの機会に知ってほしい。

舞台探訪に関するお願い
舞台探訪はマナーを守り節度を持った行動を心がけてください。観光地はもちろん民家の多いところや公共施設では特に他人の迷惑になったり不審に思われる行動はとらないようご注意をお願いします。

ロケ地によっては観光地化されていないところも多く、そこに人が住んでいてそれぞれの生活がある場所を、宗教的なものを彷彿させる「聖地」や「巡礼」と呼んで騒ぎ立てるのは誠に忍びないという思いから、弊サイトでは聖地巡礼という呼び方をせず、舞台探訪、ロケ地巡り、背景訪問、逆ロケハンなどを推奨しています。
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