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・大改悪?韓国潰しとなったANA特典航空券の新制度を検証
こちらの記事からの続きで、2015年4月12日からゾーン制となったANAの国際線特典航空券を実際に発券してみたので、その様子や他に面白そうなルートも紹介。
Contents
ビジネスクラスでアジアとインドを周遊
冒頭の画像のようなルートで羽田→新千歳→バンコク/ホーチミン→シンガポール→デリー(目的地)→香港→成田というのを出してみた。ANA国内線、タイ国際航空B787-8、シンガポール航空A330-300、シンガポール航空A330-300、エア・インディアB787-8、ANA767-300という機材で、タイ国際航空とエア・インディアのB787を乗り比べる感じに。連休にぶち込んだのでルーティングにかなり苦労させられ香港から先がANAのボロ機材になってしまったが仕方がない。バンコクからは陸路でシェムリアップに行く予定。
ビジネスクラスで日本からアジア2は63000マイル。飛距離が11000マイルを超えて旧チャートなら90000マイル必要だったので以前よりお得になった。アジア2は東南アジアと中央・南アジアが同じゾーンなので、インド、コロンボ、スリランカあたりと絡めると飛距離が伸びやすい。
スーパーフライヤーズカード程度では日本のデスクが全く繋がらないのでアメリカにスカイプで電話して予約。サーチャージが400ドルくらいで諸税は合計509ドルかかってしまった。どうもシンガポール航空はヨーロッパと南アジアで同じサーチャージがかかってしまうようで。
追記で搭乗機
・世界一のサービスを堪能!シンガポール航空A330-300ビジネスクラス
・座席最高!サービス最低!エア・インディアのB787ビジネスクラスがヤバイ
東南アジア経由で行くヨーロッパ
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「日本(Zone 1-B)」から「欧州」へはエコノミー60000、ビジネス95000、ファースト180000だが、「アジア2」から「欧州」はエコノミー58000、ビジネス93000、ファースト174000のため、「日本→アジア2→ヨーロッパ→アジア2→日本」や「日本→ヨーロッパ→アジア2→日本」は可能。途中、アジア2でストップオーバーも可能と北米のデスクで確認できた。
例えば、ビジネス95000マイルで「東京→バンコク→フランクフルト→カサブランカ→イスタンブール→シンガポール→東京」などができることになる。
インド経由で行くオセアニア
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日本から「オセアニア、ミクロネシア」へは「アジア1」「アジア2」が経由できるので東京→デリー→シドニー→ラロトンガ→オークランド→バンコク→東京もOK。
目的地がラロトンガでシドニーかオークランドで1回ストップオーバーするとよいだろうか。他は24時間以内の乗継で一日~半日くらい観光できるような便を選ぶと経由地でも遊べる。
サーチャージなしで環太平洋一周
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日本から「中南米」は「北米/アラスカ/カナダ/メキシコ」と「オセアニア/ミクロネシア」どちらも経由できるため、ニュージーランド航空のオークランド–ブエノスアイレス線が就航すれば東京→オークランド→ブエノスアイレス→サンパウロ→トロント→東京という感じでサーチャージかからないニュージーランド航空とエアカナダで環太平洋一周もできる。
ただし、「エリア3」から「エリア1」は「エリア2」を経由できないため、地球の裏側で北米経由でもヨーロッパ経由でも距離はほとんど変わらないのにヨーロッパ/アフリカ経由で往復はできない。
ただし、世界一周特典航空券にすれば東京→北米→南米→ヨーロッパ→東京というのはOK。
アフリカ/中東はルートが多い
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東京→フランクフルト→ヨハネスブルグ→アディスアベバ→カイロ→ジャカルタ→東京
日本から「アフリカ/中東」は「エリア3」から「エリア2」の移動になり、チャートを見ると、「欧州」「アジア2」「アジア1」「韓国」のいずれの経由も可能で、エコノミーとファーストは「オセアニア/ミクロネシア」経由も可能。ビジネスは「日本」(Zone 1-B)から「アフリカ、中東」は110000マイルだが、「オセアニア/ミクロネシア」から「アフリカ/中東」が112000マイルでわずかに上回ってしまうためアウト。
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東京→アディスアベバ→ダカール→ヨハネスブルグ→パース→オークランド→東京のようなルートのうち、オセアニア経由はエコノミーとファーストのみ可能。往路か復路どちらかでアジアやヨーロッパ経由のビジネスにして、もう片方をオセアニア経由と組み合わせるのはOK。
以上は距離に制限があるか確認してないがルール上発券可能なルートを紹介。なお、これだけいろいろ経由できても2回しかストップオーバーできず、エアカナダとニュージーランド航空以外はサーチャージがかかるので、ビジネスクラスやファーストクラスで豪遊する以外は目的がないのにむやみに遠回りしてもしょうがないので注意。
日本国内線2+2区間
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海外への国際線特典航空券は日本国内線で24時間以内の乗継が往路復路で各2回ずつできる。つまり、羽田→石垣→福岡→ソウル→新千歳→稚内→羽田のように石垣、福岡、札幌、稚内では24時間以内の滞在しかできないが、たった15000マイルでソウルのおまけで日本最南端と最北端を一度に楽しむことができる。
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羽田→石垣→名古屋→ソウル→新千歳→沖縄→羽田のように、新千歳那覇と羽田石垣という日本最長路線を飛んでANAプラチナSFC修行でもしてるのかというルート。
これらは国際線のため国内線の2ヶ月前ルールより早く予約できるため、連休などのハイシーズンでも空席が取りやすいというメリットがある。
・ANA特典航空券で東京-仙台-那覇-松山-大阪-ソウル-東京と日本4区間+海外周遊
旧制度で実際に日本国内線4区間飛んだ時の話。
ファーストは世界一周で発券せよ
今回の制度変更で特にファーストクラスの必要マイル数が大幅に引き上げられてしまったが、世界一周特典航空券については距離制の旧チャートが適応される。つまり、日本から南米に行く場合新制度ではファーストは27万マイルかかってしまうが、東京→トロント→サンパウロ→フランクフルト→東京(飛距離22001~25000マイル)のように世界一周にすれば22万マイルですむ。
ANAの世界一周特典航空券は太平洋と大西洋を1回ずつ横断して出発国に戻れば途中陸上移動が入っていてもよいので、ファーストクラスの設定がある区間のみ発券にして、それ以外の区間はLCCなどで有償や他の特典航空券と組み合わせるという手もある。
東京→ニューヨーク→フランクフルト→東京のように北半球一周なら飛距離14001~18000マイルで収まるので、16万マイルあればファーストクラスで世界一周可能。
・意外と簡単?ANAマイルで夢の世界一周旅行
エコノミーで世界一周特典航空券を出した時のルールなどの話はこちらで。8回まで途中降機可能でルールは新制度より緩いので南米やアフリカに行く時にストップオーバー2回じゃどうにもルーティングできない時は世界一周を検討する価値はある。
台湾か香港までLCCで行くと安い?
チャートを見ると「アジア1からアジア2」は「アジア1からアジア1」と同じ必要マイル数(エコノミー25000、ビジネス48000、ファースト75000)。日本発だとエコノミー38000、ビジネス63000、ファースト114000なので、台湾、香港、中国などへLCCで移動してそこから特典航空券を使うとマイルを節約できる。
フィリピン発だとサーチャージかからない?
ビジネスクラスでアジア周遊する特典航空券を出したがサーチャージが509ドルになってしまったので今後を考えてみたら、フィリピン発がサーチャージ廃止になったので、日本からセブ・パシフィックのセールなどでマニラに行き、そこから特典航空券を発券すればサーチャージが節約できるのではないかと考えた。上記のように必要マイル数も減るし。ANAのサイトが複雑な経路が一切出てこず詳細は不明なので、スターアライアンス世界一周航空券のサイトなどで検索するとサーチャージ(YQ)はかからないもののマルチプルサーチャージ(YR)は一部かかるようだが、フィリピン発にするとサーチャージが安くなるようなので、サーチャージを払いたくない人は検討してみるといいかも(ブラジル発券も同様)。
スターアライアンス世界一周航空券で同じようなルートで検索してみた。
日本発だと「Carrier Surcarge/Fee」と「Multiple Carrier Surcharge/Fees」がかかる。
マニラ発だと「Carrier Surcarge/Fee」の項目が消滅し、「Multiple Carrier Surcharge/Fees」は一部かかっているようだがサーチャージが確かにかなり安くなっている(ただし、料金のトータルを比較すると日本発の方が安かったので世界一周航空券は発券する国や為替で料金が大幅に変わる)。
新制度は使い方次第で面白くなりそう
インボラで乗ったANAのB787ビジネスクレードル(写真は座席サンプル)
ANA特典航空券の新制度は距離制からゾーン制になり、韓国経由が実質不可になるなど大幅な変更が加えられたが、ルール内で周遊できるルートを設計すると上記のようにかなり面白い使い方ができそう。特典航空券は年々どこの航空会社も締め付けが厳しくなる中なのでもう少し研究してみたい。