「女子高生、南極へ行く!」「女子高生南極青春グラフィティ!」というキャッチコピーで女子高生が南極を目指す2018年冬アニメの「宇宙よりも遠い場所」。第6話・STAGE06「ようこそドリアンショーへ」は、南極観測船に乗り込み南極を目指すためにまず、成田空港からシンガポールへ。
Contents
シンガポール航空A380
シンガポール航空A380。
「宇宙よりも遠い場所」第6話で玉木マリら4人が乗り込むSHANTHI AIRLINEは、シンガポール航空(SINGAPORE AIRLINES)で世界最大総2階建ての旅客機エアバスA380。
シートコントローラやタッチパネルディスプレイなど座席の細部まで機内1階のエコノミークラスをほぼ再現。
他のカットでは二つ折りのテーブル、シートポケット、フットレストなどもきっちり描かれていた。
窓が大きいA380。
シンガポール航空のA380の座席は横3-4-3という配置になっていて、窓側は座席が3つ横に並んでいるが、「宇宙よりも遠い場所」ではなぜか2席になっている。
4人を2+2で分けているため演出上そうなってしまったと思われるが、そうなるなら4隻並んでいる機体中央に4人を座らせればいいのになあ。アニメスタッフ的には窓側は譲れなかったということか。
緑ソバの機内食。
シンガポール航空では機内食に緑色やピンク色のソバがよく出てくる。
シンガポールの伝統衣装サロンケバヤ。
シンガポール航空と言えば、ピッチリで身体のラインが浮き出るサロンケバヤの制服がエロすぎることでも有名。
シンガポール・チャンギ国際空港
キマリたちはシンガポール航空でシンガポール・チャンギ国際空港に到着。
ターミナル3。
パスポートとエアチケットを巡って日向と報瀬が一悶着したのはチャンギ国際空港の中でもシンガポール航空がメインで使うターミナル3。
チェックインカウンター、床の模様、天井のオブジェに至るまでほぼ再現されている。
緑
青(紺?)
シンガポール航空の搭乗券はエコノミークラスが緑色で、ビジネスクラスが青色になっているのもそのまま。
まさか100万円がここで役に立つとは思わなかったが、海外でも現金を持ち歩いている報瀬がヤバすぎる!
オーチャード・ロード
アイオン・オーチャード。
キマリたちが泊まるホテルがあるのはMRTオーチャード駅。駅前にある巨大ショッピングモールのアイオン・オーチャード(ION Orchard)が映っていた。
キマリたちが泊まるのは、オーチャード・ホテル・シンガポール。
土地の値段が高いシンガポールではホテルが高く、ここは1泊15000円以上するようで。シンガポールでは1泊1663円の安宿なんかにしか泊まったことがないので、平気な顔して100万円持ち歩ける女子高生との格差に愕然。
マーライオンパーク
キマリたちは水上バスで乗り付けて観光していたマーライオンパーク。
近未来都市っぽいシンガポールの風景が堪能できる。
キマリたちが記念撮影をしたのはマーライオンを臨むド観光地。
がっかりスポットという話をしていたのは、かつてのシンガポールは小さいマーライオンしかなかったことに由来して、巨大なマーライオンの裏に今でも残っている。
ド観光地だけど、まあいいところね。
マリーナベイサンズ
マリーナベイ・サンズ。
マーライオンの対岸にあるのは、ホテル、カジノ、コンベンションなどが集まる統合型リゾートのマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)。
ザ・ショップス アット マリーナベイ・サンズ。
マリーナベイ・サンズにあるショッピングモールの前で座り込んでいる。
無料の噴水ショー
マリーナベイ・サンズではこのように夜になると光と水による噴水ショーを無料でみることができる。
レーザーも。
噴水をディスプレイにしたプロジェクションマッピング。
サンズ・スカイパーク展望台
夜景を見るのはマリーナベイサンズの57階からマーライオンパークや超高層ビル群を一望できるサンズ・スカイパーク展望台。
ちょっと構図がきついけどこの辺。
展望台の向こうには結月が泊まったことあると言っていたマリーナベイサンズホテル宿泊者限定の屋上プール・インフィニティプールがある。
ド観光地だけど、まあいいところだな!
いいところだな!
反対側は広大な敷地を持つガーデンズ・バイ・ザ・ベイでガラス張りのドームなどが見える。
チャイナタウンのホーカーズ
キマリたちがご飯を食べるのは屋台村のホーカーズのうち、チャイナタウンにあるマックスウェル・フードセンター。
チャイナタウンには行ったけど同じ写真がなかった!
シンガポール名物のチキンライスとカヤトースト。
チキンライス。
シンガポール人は外食ばかりで自炊はほとんどせず、ホーカーズで安い食事を食べるのが日課らしい。
ドリアンアイスは本当にまずいのか?
マリーナベイ・サンズで食べていたドリアンアイス。
キマリたちが食べていたカップアイスではないが、その辺の屋台でもドリアンアイスは売られている。
前に食べたドリアンアイスは、アイス自体は言うほどまずくはない。
しかし、食べた後が問題で、腹の中から生ゴミと胃酸が混ざった強烈な臭いが1~2時間漂い、思わずゲロってしまいそうになったのでこれはマジでヤバイ!
タイのドリアンチップスはまあまあうまかったが、ドリアンアイスを食うと「人間ゴミ箱」になって自ら発する生ゴミ臭に蝕まれるので注意が必要だ!。
インドネシアのジャカルタで食べたドリアン。
バナナをクリーミーにしたような感じだが、食べた品種がおいしくなかったか熟しが足りなかったかで、あまり味がせず、ほんのり漂う生ゴミ臭と口に含んだ瞬間に炭酸のようなわずかな刺激が気になって仕方がなかった。
マンゴスチンは「果物の王様」と呼ばれているようだが、ドリアンは確実に「果物の魔王」「悪魔のフルーツ」であろう。
4人はなぜシンガポールに行ったのか?
「宇宙よりも遠い場所」第6話は突然のシンガポール回となったが、そもそもなぜキマリたち4人はシンガポールへ行ったのか。南極観測船は日本から出港するが、船は南極まで時間がかかるため乗組員はオーストラリアの西海岸の都市パース近郊のフリーマントルから南極観測船に乗り込むと過去の話で言っていた。
Great Circle Mapperで作成。
東京(TYO)からシンガポール(SIN)を経由してパース(PER)に行くのは、例えばオーストラリアのフラッグキャリア・カンタス航空を使ってシドニー(SYD)経由より距離が短い。
今ではシンガポールは1人あたりのGDPは日本を上回るアジアナンバーワンの国となったが、土地の面積が小さいシンガポールはかつてはマレーシアから見捨てられるような形で独立した。そんな産業のないシンガポールが国策の1つとして誕生したのがシンガポール航空。
イギリスの旧植民地でヨーロッパとの繋がりが強いオーストラリア(とニュージーランド)からヨーロッパへ向かう「カンガルールート」の中継地点として、シンガポール航空を利用してシンガポールにも立ち寄ってもらうためにオーストラリア路線や空港施設が充実している。そのため、キマリたちも便数が多くサービスも世界最高レベルのシンガポール航空を利用するのは必然となる。
搭乗券の変更周りの考察
パスポートをなくした際にチケットを後の日程に変更してパスポート再発行までの時間を稼ぐあたりの描写を細かく見てみた。
航空券はエコノミークラスやビジネスクラスといった座席によるクラス分けの他にも、エコノミークラスの中にも安い運賃と高い運賃があって予約サブクラスとして分かれており、払い戻しや便変更が不可のチケットがあったりマイレージの加算率が異なる。
キマリたちのエコノミークラスのチケットは日付の変更は可能だったが、一ヶ月先しか空席がないという話で、伝家の宝刀100万円を使って払い戻し可能なビジネスクラスのチケットを購入していたが、便が1日たくさんある路線でさすがに一ヶ月先まで空席がないのはおかしいので、可能性として考えられるのは2つある。
・本当に一ヶ月先までエコノミーに空席がない
・キマリたちのチケットの予約サブクラスでは空席がなかった
下の場合は、エコノミークラスで予約サブクラスの高いチケットでシンガポール-パースを買うよりも、予約サブクラスの低いビジネスクラスの方が安かったのでビジネスクラスにしたということになる。上の場合はストーリー上の都合で割り切ったということだろうか。
綿密なロケハンによって描かれる南極アニメ
南極と言えばFGO第二章でも南極が出てきたので、「そろそろ南極行くしかないか……」と、アルゼンチンから船で南極の端っこの方に上陸する現地ツアーが5000USDくらいで行けるあたりまで調べたのだが、FGOも「宇宙よりも遠い場所」で南極のどの辺りが出て来るのかまだわからないので、南半球は今が夏の今シーズンは見送るしかないかなあ、と思って悔しさでハンカチを噛んでいるところであります。「宇宙よりも遠い場所」第6話はこのように、シンガポール航空やシンガポールあたりの描写はきっちりとロケハンが行われており、パースへ向かうのにシンガポールを経由していくのも納得ができるルートで、「女子高生が南極に行く」という一見ありえないストーリーにリアリティを持たせることに一役買っていると言える。今後のフリーマントル、南極観測船、南極の描写も大変期待が持てそうだ。
個人的には4人でワイワイするより途中で1人くらい死んでくれた方が盛り上がるんだけど絶対になさそうね……。