2019年10月1日から消費税が8%から10%へ増税される際の消費意欲の落ち込みをカバーするためや、日本国内での電子決済・キャッシュレス決済を普及させる目的で国主導で進められている「キャッシュレス・消費者還元事業」。中小・小規模事業者や生協が、クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済などを導入して消費者がそれらの決済手段で買い物をすると2~5%が還元されるもので、生活必需品は税率8%で据え置かれる軽減税率制度と組み合わせれば更に安くものが買えることになる。
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同人サークルだけど加盟店登録できちゃった
同人サークル「さざなみ壊変」はキャッシュレス決済5%還元対象店舗に選ばれました! ※画像は武漢
キャッシュレス・消費者還元事業は経済産業省が設立した一般社団法人キャッシュレス推進協議会という新橋の団体がやっているらしく、LINE Pay、楽天Pay、PayPayといった対象となるキャッシュレス決済を使っている店舗が審査を行って通過すると還元事業の加盟店舗となることができる。
期間は2019年10月1日から2020年6月30日の9ヶ月間で、2019年12月の冬コミC97や、オリンピックのせいで次の夏コミがないため2020年5月に開催されるコミケ98などのイベントに出展した際に消費者還元5%で同人誌を頒布することが可能になるかもしれない。※公開当初DOUJIN JAPAN 2020についての認識が間違っておりましたので修正しました。
加盟店登録への流れ
「キャッシュレス消費者還元事業者」加盟店になる方法は以下。消費増税や還元事業は10月1日から始まるが加盟店登録は2020年4月まで可能。キャッシュレス・消費者還元事業事務局公認の決済事業者に登録する決済事業者から通知が来て、キャッシュレス・消費者還元事業事務局公認からポスターなどのキットがもらえる
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決済事業者経由で「加盟店ID」を発行
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決済事業者経由で、加盟店ID、契約情報、端末情報などを伝えて加盟審査
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「キャッシュレス消費者還元事業者」加盟店に登録完了!
キャッシュレス決済は審査がザルなSquareがオススメ
中国の同人イベントや買い物でアリペイとWeChatPayを使っていると便利すぎるので、去年くらいから日本国内でもキャッシュレス決済をやってみたいと思い、Airペイ、LINE PAY、楽天Pay、PayPay、Origamiとあらゆる「なんとかペイ」に申請を出しまくってみたけど、主に常設の実店舗がない理由で審査をけられまくる。納税証明を発行したり資料作ったりして苦労したのに。つまり、博多中洲のように事実上の常設店舗の屋台はOKだけど、イベントごとに移動する縁日の的屋や同人サークルは常設店舗ではないので審査はまず通らない。
そこへ、唯一救いの手を差し伸べてくれたのが「Square」だった。
少し調べたら、すぐにお金がほしい人が自分でクレジットカードを使って現金化する手段としてもSquareは有名らしく、「大丈夫なのかよ」と思ったが、コミケなどの同人誌即売会でもSquareを使っている人は多いので申請してみたところ、すぐに承認されてVISA、Mastercard、American Expressが使えるようになった。
その後、資料を作って再審査を行い、1ヶ月後くらいにJCB、Diners Club、Discoverカードも使用可能に!そして、Squareのサイトからキャッシュレス消費者還元事業者へ加盟申請をすればOK。加盟店になると7980円のSquare端末が無料になり、決済手数料3.25%が2.16%になる特典もある。※追記: 正しくは、加盟申請をした時点でSquare端末の無料クーポンが発行されるのですぐに無料入手可能。「ステッカーと卓上POP」が3個まで無料なので一緒に注文するとお得。
ちなみに、日本国内で契約したキャッシュレス決済は国外では使えないので要注意。
落とし穴「住所が晒される」
※イメージ画像です
そもそも自分のサークルが還元対象になるかどうかを知ったのは「キャッシュレス・消費者還元事業事務局を通過した加盟店一覧」という6360ページに渡る31MBの超巨大pdfを調べたら名前が載っているのをうっかり見つけてしまったのがきっかけ。
ヤバイ……、めっちゃ都道府県と市区町村名が出てるやん!
しかも「9月中下旬には地図上に表示するウェブ機能やアプリが公開予定」と書いてある。
もちろん、事前にこういったことは把握済みであったが、「たぶん、なんとかペイみたいに厳しい審査があるので同人サークルだと受からないだろうけど、空前のムーブメントだしガチャを引く権利くらい行使してみよう」程度の軽いノリで申し込んだらこのザマである。
そもそも同人では本名・住所を当たり前に晒してた
住所が晒されてしまうので「これは困った!」と悩んでいたところ、かつてインターネットが普及する前の時代、雑誌のファンコミュニティや同人誌では本名や住所を掲載するのは当たり前だったのをふと思い出す。
最近では同人誌に本名や住所を掲載するのはマイナーとなってしまったが、お知り合いのNITTETSURENさんを紹介すると、同人で作成した台湾時刻表の表紙デザインがJR時刻表と似すぎて公式から「何しとんじゃワレ!」と内容証明郵便が届いたものの最悪は避けられ「奥付に本名と住所を掲載しておいてよかった!」という例もあるので参考(pdf)、まだまだ本名や住所を掲載するメリットは少なからずある。
一度晒されてしまったものは仕方ないのでもう開き直るか引っ越すしかない。
還元事業や軽減税率がクソになるのは予定調和
同人サークル「さざなみ壊変」はキャッシュレス決済5%還元対象店舗に選ばれました!
— かずぴー@夏コミ新刊委託中 (@kazupi) September 3, 2019
……かどうか審査結果まだわからないのに先にキットだけ届いて経済産業省ヤバすぎる
消費増税の還元や低減税率がクソになるのはもはや予定調和
アイマス、艦これ、FGO舞台探訪本が5%引になるなら面白そうだけど pic.twitter.com/GgC3SpKSKb
前の項目で加盟店になるまでの流れを説明したけど、実はあれは嘘。
本来は決済事業者経由で還元事業に申し込み、決済事業者経由で加盟したかどうかの連絡がもらえることになっているが、そのメールは未だに来ていない。
順を追って説明すると、9月3日(火)に一般社団法人キャッシュレス推進協議会からポスターや説明書などのキットが宅配で投げつけられる。
還元事業への加盟申請はSquareからしかやっておらず、そのSquareからも当落通知が来ていないので、「何かの詐欺かもしれない!」と思い、Squareに「加盟店の審査通ったか連絡きてないのにキット届いてるけどどうなってますかー?」とメールを送ってみた。
通常24時間以内に問い合わせは返ってくるらしいところ、遅れて3日後の9月6日(金)に「正式な登録完了通知ができておらず、ご不便おかけしております。」とSquareも困惑気味のメールが返ってきて苦笑するしかなかった。
そして、「もしや?」と思って、6360ページ31MBのクソpdfを開いてみたら自分のサークルが加盟店に掲載されていることを発見したという次第である。
連絡もなしにいきなりキットを送ってきたり、6360ページ31MBのクソpdfを公開したのは、還元事業を行う一般社団法人キャッシュレス推進協議会そのもので、冒頭でも書いたけど経済産業省主体の団体である。国税庁主導?で、食べ物などの生活必需品が消費税8%で据え置かれる消費税軽減税率は、新聞配達は8%だけどそれ以外の新聞購入は10%、水道水は10%だけどペットボトル水は8%、ビックリマンチョコは8%だけどプロ野球チップスは10%といった感じで消費者も販売店もわけがわからない制度になるらしく、国がキメた消費増税に関連するキャッシュレス・消費者還元事業や軽減税率制度がクソになるのは、2019年10月1日を前にしてもはや予定調和となった。
そもそも、同人サークルでも加盟できちゃったけど本当にこのままでOKなのだろうか。
個人的には、現在のQRコード主体のスマホ決済は日本の大企業がポイントカード感覚でやっているだけで、中国みたいに屋台のじーさんばーさんレベルまで普及する様子を見せないので、消費者還元いらないからアリババグループのアントフィナンシャルみたいに世界覇権を本気で狙う気のあるフィンテック企業だけに投資してほしいと切に願う。
というわけで、法人格がない同人サークルでも「キャッシュレス・消費者還元事業」で5%還元対象店舗になることができた。ただし、本当に還元できるかどうかは実際に10月1日以降になってみないわからないが。住所晒されてもいいから「ネタでキャッシュレス決済で5%還元やってみたい!」という人には、オススメはしかねるけど試すことは今からでも可能。
※その後、10月1日を前にSquareアカウントを抹消されました
同人サークルでキャッシュレス5%還元事業者になりましたが、この度Squareアカウントを抹消されて不可となりました
2019年10月1日の増税後の消費テコ入れと電子決済・キャッシュレス決済を普及を狙って国主導で進められている「キャッシュレス・消費者還元事業」。同人サークルでも還元事業者となって5%還元で同人誌を頒布できそうだということを少し前に紹介したも...
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