【1泊35528円!】映画カードキャプターさくらで中華なさくらちゃんが泊まる5つ星ホテル・インターコンチネンタルで香港島の絶景を見たい!→「ミスった死ぬわ…」


1999年の世紀末に劇場アニメ映画として公開された「カードキャプターさくら」。1997年にイギリスから中国に返還されて変わりつつある香港を舞台にさくらの魔法が封印解除(レリーズ)するわけだけど、名古屋の舞台挨拶を見に行ってからもう20年以上が経っている事実に絶望。しかし、さくらちゃんのかわいさは未だに色褪せない。ちょうど20周年の2019年にさくらと知世が泊まった高級ホテルのインターコンチネンタル香港に宿泊してきた。




香港の中心地で金融街になっている香港島。

映画カードキャプターさくらの作中に出てきた超高層ビル群を眺めて実際の香港島と比較すると、HSBC香港本店や三角形を組み合わせた中国銀行タワーはそのままだが、その間に四角い箱型のビルが1本増えていた。長江センターという1999年に完成したビルらしく、映画カードキャプターさくらの制作が始まってロケハンが行われた時にはまだ建設されていなかったのだろう。



映画カードキャプターさくらでは、さくらが商店街のふくびきで特賞の香港旅行を当てるところから始まる。さくらたちが巡るのは、香港島の観光地として有名な中環、上環、ビクトリアピークなど。

そして、宿泊するのは香港島とビクトリアハーバーを客室から一望できるステキなホテルとなっている。



これは香港島の対岸・九龍半島にあり、香港で最も有名なホテルの1つであるインターコンチネンタル香港と考えられる。

ちなみに、映画カードキャプターさくらの時代にはザ・リージェント香港という名前だったが、IHG傘下となってからはインターコンチネンタル香港と名前を変えている。

このインターコンチネンタル香港は5つ星の高級ホテルで、香港は土地が狭くて場所代がお高いこともあり、通常は1泊3万円以上かかる。



インターコンチネンタル香港は、一番安い部屋からスーパリアルーム(シティービュー)、デラックスルーム(シティビュー)、ハーバービュールームといった感じでグレードが上がっていき、さくらたちが泊まるのは下から3番目で海側のハーバービュールームということになる。



宿泊した当日に料金を確認してみたら、このハーバービュールームは諸税込で45497.76円という表示になっていた。


この料金はさすがに払えない……。


通常は私のような乞食旅行者などに泊まれるホテルではないのだが、どうしても中華なさくらちゃんと同じホテルに泊まってみたいので、なんとか1円でも安くする方法を考えて実行してみた。

まず、当日が近づくにつれて宿泊料金が上がるのは簡単に読めるので、しっかり計画して半年前に予約しておいた。

そして、ここからがポイントになる。世界展開をするグローバル企業の高級ホテルは金払いのいいお得意様を囲い込むためにポイントや上級会員の仕組みを導入している。インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)ではプラチナエリート会員以上になると、部屋に空きがあれば1つ上のランクの部屋に無料でアップグレードしてくれるのだ。



このため、日本や各国を舞台探訪で移動する際は必死にIHGのホテルに泊まって宿泊ポイントをを集めプラチナエリートになっておいた。

そして、インターコンチネンタル香港のハーバービュールームの1つ下のデラックスルーム(シティビュー)を予約して当日アップグレードを狙っていくというわけだ。ハーバービュールームは4万円前後するものの、この時のデラックスルーム(シティビュー)の料金は35528円だった。

普段の日本なら3000-4000円のホテルにしか泊まれないので10倍近いお値段になってしまったが、節約してなんとか安くさくらちゃんと同じ部屋に泊まれそうな感じになってきた。

ちなみに、ポイントを使って無料宿泊もできるのだが、その場合は一番下のスーパリアルーム(シティービュー)しか予約できず、ハーバービュールームになるには運良く二階級特進しないといけないので博打性が高くなって現実的ではない。

更に蛇足情報として、ARIAの姫屋のモデルで1泊5万円はするイタリア・ヴェネツィアのダニエリはマリオットグループに属し、マリオットのポイントで無料宿泊できるようなのでいずれこちらも泊まってみたい。



当日の朝になってIHGアプリを見てみると、あてがわれる部屋は予想通り「ハーバービュールーム」の表示になったので無事にアップグレードされたようだ。

昼くらいにアプリを見直してみると、表示は「スーペリアジュニアスイートプールビュー」に変わっていたので、「何だそれは?」と思って調べてみる。



どうも2段階くらいアップグレードされたようで、ハーバービュールームよりも更に高い部屋になっていた!

アップグレードされすぎてもさくらちゃんと違う部屋になってしまうので「これは困る!」と思ったけど、海沿いには変わらないし5万円以上の部屋に泊まれるなら、まあそれはそれでいいかな。



いよいよお部屋とご対面!



中国建設銀行ビューでした!


当日の午後になって部屋が埋まったのでアップグレードできなくなったらしい。


うわあああああああ!!!!!




部屋自体はハーバービュールームよりワンランク下のデラックスルーム(シティビュー)の方が半室分広くなっているのでリピーターにはこっちの方がいいかも。

しかし、デラックスルーム(シティビュー)には香港島を臨む絶景はなく、シェラトンホテルの上にデカデカと掲げられた中国建設銀行のディスプレイかぶりつきになってしまった。

35000円以上払って建設銀行ビューはないだろう!このままでは帰れないだ……。




掃除のお兄さんに交渉してなんとか撮らせてもらいました!

比較してみると作中と同じにならない。カードキャプターさくらの背景は土地が限られてホテルも狭い香港にしては無駄に部屋の空間が広く中国本土のホテルっぽく見えるので、恐らく実在するホテルの部屋を参考に描かれた雰囲気ではない感じだ。




窓に写る香港島を同じように撮ってみたけど、何か違う。




知世の左に描かれているシドニーのオペラハウスに似たような風貌の建物は香港会議展覧中心(青枠)というコンベンションセンター。

カードキャプターさくらと実際の景色を比較すると向きが同じにならないぞ?

香港会議展覧中心の背後にそびえるセントラルプラザ(赤枠)との位置関係も若干異なる。

更に、さくらちゃんたちの目線が低すぎるので、恐らく地上階から撮影した写真を参考に描かれている。実際のホテルの客室は2階以上になり香港島方面は階の高さによって少し見下ろす形となるのだ(写真を撮ったのは5階)。




劇中をくまなく見返してみたら、夕焼けになっているもののホテルの景色と全く同じ背景が使われているシーンを見つけた。



これ、さくらちゃんたちも乗るスターフェリー乗り場から見た風景じゃないのか?



インターコンチネンタル香港とスターフェリー乗り場は同じ九龍半島の端でビクトリアハーバーに面しているが1キロくらい離れている。

つまり、さくらちゃんたちが泊まるホテルから見られる景色は、スターフェリー乗り場周辺から見たものと全く同じであり、これを考えると映画カードキャプターさくらのロケハンスタッフはインターコンチネンタル香港の前身であるザ・リージェント香港に宿泊していない可能性が高い!

香港の不動産も20世紀末ならまだそんなに高止まりしてないと思うので、映画のスタッフは当時まだ安かったザ・リージェント香港にきっと泊まったんだろうなあ、くらいに考えていたので予想外の結果となってしまった。

さくらちゃんはおもちゃ会社社長令嬢の知世マネーで香港島を臨む絶景ホテルに泊まれたけど、制作スタッフは高くて泊まりたくても泊まれなかったであろう事実に気がついてしまったので、日本のアニメ業界の金欠は昔から変わってない事実をこんなどうでもよいポイントでしみじみと感じてしまった。

考察をまとめると、映画カードキャプターさくらで宿泊するホテルはスターフェリー乗り場付近に建てられザ・リージェント香港(現インターコンチネンタル香港)をモデルにした架空の高級ホテルに泊まっている。福引券についていたホテルはもっと安かったけど知世の参加が決まった時点で知世マネーによって高級ホテルに変更になったのではないか。ロケハンを行ったスタッフはたぶんザ・リージェント香港には泊まっていない、という結論になった。







残念ながら部屋自体はさくらちゃんと同じハーバービュールームにならなかったものの、フルーツの盛り合わせ、夜景が楽しめるロビーラウンジのお茶券、誕生日ケーキなどがプラチナ特典として無料でもらえ、香港島を眺める絶景風呂にも入れて大満足。

ちなみに、インターコンチネンタル香港は2019年の民主化デモの影響で客が激減し2万円を切る価格で宿泊できるようになったものの、ザ・リージェント香港のブランドに戻すために2020年4月20日から30ヶ月の改装工事に入るため営業停止となる。30ヶ月後にリージェントブランドになったらインターコンチネンタルブランドよりもっと宿泊料金が高くなることが予想される。

デモに加えて新型コロナウイルスが更に追い打ちをかけたのか、改装に入るのと同時に他の系列店に異動されると予想された社員はなんと全員解雇!勤続年数によってわずか1ヶ月から4ヶ月分の給料を手切れ金としてもらえるのみでリストラとなる。営業再開してもインターコンチネンタル香港として最高のおもてなしをしてくれたスタッフとは多分もう会えないのだ。

1泊3.5万円以上かかったものの、想定されるホテルの場所やロケハンスタッフは宿泊してなさそうという事実がわかっただけでも覚悟して実際に泊まってみてよかったと思う。

香港はカードキャプターさくらの他にも、古くは「機動武闘伝Gガンダム」や「フルメタルパニックThe Second Raid」などに登場し、最近だとマンガ原作作品も含めて「実験品家族」「RoboMasters」「グランベルム」など数多くの舞台となり人々を魅了してやまない魔都となっている。
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香港のヴィクトリア・ハーバー。
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