「ゴールデンカムイ」原作マンガ4巻32話で杉元、アシリパさん、白石らが食ってたオオワシが見たい!
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極寒の地・網走でオオワシを探す
と思い立ち、オホーツク海から流氷が流れ着く極寒の地・網走に向かった。
真冬の道東と言えども、今どきは温暖化でマイナス20度クラスになる日は都市部ではほとんどない。しかし、訪問した日はたまたま最低気温がマイナス18度となり、朝に外を出歩いていたら手とカメラのバッテリがわずか1時間で音を上げ、ホテルに逃げ帰ってチェックアウト時間まで布団をかぶって震えることとなった。
昼になると暖かくなってきたので再び外に出る。
暖かくなってきたとはいえ気温はマイナス10度以上だ。しかし、このくらいなら内地の冬服程度でもなんとかなることがわかり、大きな知見を得ることができた。
「オホーツクに消ゆ」とまさかのコラボをしたJR北海道の流氷物語号で3駅先の藻琴駅へ。
藻琴駅は流氷物語号でも停車時間が設定されて特設の展望台から北海道に迫る流氷を見下ろすことができる有名スポットだ。
これがオオワシだー!
オオワシは極東の北の果てサハリンやカムチャッカなどに生息し、冬に道東や道北に飛来して越冬する。アイヌ語ではカパチリカムイ(ワシの神)といい、個体数は5000頭程度で貴重な種となる。
全体的に黒色で、広げた翼の前と尾羽が白いのが特徴的。
メスのオオワシは体長90cm、翼をひろげると250cmにもなるという。
いかにもワシっぽいフォルムでかっこよく、オホーツク海に面して藻琴駅から歩いていける濤沸湖周辺の木や、隣の鱒浦駅から網走方面の電線などで見ることができた。
おーろら号で流氷上のオオワシを見る
網走流氷観光砕氷船おーろら。
分厚い氷を割りながら進むことができる「おーろら号」に乗るとこのように流氷の上を飛ぶオオワシを見ることができる。
紋別にもガリンコ号という流氷砕氷船があり、最新のガリンコ号III IMERUが就役したばかりなのだが、温暖化により大きな流氷が見られる日がほとんどなくなってしまった。紋別の航空便はANAが1日1往復しかないため、アクセスの面からしても網走の方が有利。
網走の「おーろら号」に乗船した際はどのくらいの確率で見られるのか不明ながら、氷上を優雅に飛ぶオオワシのダイナミックな道東の風景を満喫できたので3500円の元は十分取れた。
しかし、望遠レンズはAPS-Cで35mm換算300mmの便利ズームしかなかったのはとても悔やまれた。
オジロワシ
オオワシと似た種でこちらも尾羽が白いオジロワシ。
生息数はオオワシより多く、北海道全土で見られる。
紋別港で羽を休めていたオジロワシ。
オオワシとオジロワシを見分ける
右がオオワシで左がオジロワシ。
両方とも尾羽は白いが、オオワシは白黒はっきりとしていて、くちばしも黄色が強く全体的にコントラストが高い。オジロワシは全体的に茶色っぽくて、翼を広げた時にオオワシのように前の方が白くなっていないので容易に区別できる。
若鶏は見分けにくい
真ん中と左はオジロワシの若鶏。
オジロワシの若鶏は茶色と白のまだら模様で尾羽は白くなっていない。オオワシの若鶏もまだら模様らしいので、素人だと種を同定するのが若干面倒。
迷ったらオジロワシだと思えばだいたい間違いなさそう。
トンビと見分ける
オオワシやオジロワシと同じくタカ目タカ科で似たような鳥としてトビがいる。
日本全国どこでもいて観光客が食べ物を取られることでも有名。
羽を広げた先の方が少しだけ白くなっていて、尾羽は魚のしっぽのように広がっている。また、顔がオオワシやオジロワシと比べてブサイクなのですぐに見分けがつく。
オオハクチョウ
原作マンガ「ゴールデンカムイ」223話と224話に登場するオオハクチョウ。アイヌ語ではレタッチリ。
オオハクチョウは内地でも見られる鳥であり、ゴールデンカムイでは「オオハクチョウを食べると白髪になる」といった言い伝えや、食べた後は頭を木弊(イナウ)で包んで「また生まれ変わって戻っておいで」と川に流すアシリパさんの話などが語られた。
めっちゃカメラ目線にしてくれた!
濤沸湖で見かけたオオハクチョウは頭を羽に入れて耐え忍んでおり、めっちゃ寒そう。
おきて、おきてー!
オオワシウォッチングのマナー
オオワシやオジロワシを見学する時に注意するべきことは、「近づきすぎない」ことだ。どちらも網走の街中や近郊で見られるものの、貴重な野生生物である。ワシは身体が大きいので飛び始めは体力をかなり使うらしく、驚かせて逃げてしまうようなことがあってはならない。
今回は藻琴駅から徒歩5分の網走自然ガイド&旅人の宿 わしのとまり木を楽天で予約して1泊4500円。2部屋でバス・トイレ共有、朝食にパンとコーヒー無料。メールでやり取りして翌朝は「オジロワシ・オオワシウオッチング」をお願いし宿泊者割引で3150円。
双眼鏡を貸していただいて解説を聞きながら濤沸湖や網走湖などを巡って解散は鱒浦駅まで送ってもらった。網走湖方面に行くのでたぶん交渉すれば最後に網走監獄や北海道立北方民族博物館などへも送ってくれると思う。
ゴールデンカムイ始まりの地・網走
網走刑務所。
網走駅と女満別空港の途中にはゴールデンカムイの重要な舞台となり、金塊と刺青人皮で物語の始まり地とも言える網走監獄がある。ゴールデンカムイ以外にも様々な作品に登場し、明治の建築物としても魅力であるので念願かなってようやく訪問できた!運悪くマイナス20度クラスの日を引き当てなければ日中はマイナス10度前後なのでなんとかなる。
道東の野生生物と言えばユネスコ世界自然遺産となった知床が有名。しかし、女満別空港からも中標津空港からも微妙に遠く、ド観光地になるので物価が高いそうだ。
網走であれば女満別空港から近くLCCのピーチも利用可能で、気軽に流氷やオオワシウォッチングを楽しむことができる。今回はユナイテッド航空の6000マイルでANAの羽田→紋別を利用し、復路は女満別→成田はピーチの初便を1800円+諸税手数料1050円の2850円で利用することができた。
網走から数駅の藻琴駅と鱒浦駅はどちらも古い駅舎の中にレストラン&喫茶店が入っていて、そこでの食事も魅力的なので絶対に立ち寄りたい。有料のツアーに参加しなくても海上と海岸に打ち上げられた巨大な流氷を間近に見ることもできる。現代では野鳥保護の観点から食べられないのはとても残念だが、冬季に道東を訪問した際は列車の待ち時間でもよいのでアシリパさんが食ってたオオワシを探してみよう!
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