2004年7月 fancy frontier 4
台湾でコミケ的存在の同人誌即売会「ファンシーフロンティア」の次回FF23が2014年2月15日(土)、16日(日)に開催。去年のFF21に参加した時はお知り合いにバッタリ会ってビビったりしたように、日本人や日本企業の参加も年々増えているようなので、このファンシーフロンティアへの参加方法、特にサークル参加について去年細かいことがいろいろと行ってみるまでわからなかったので簡単にまとめてみた。
Contents
ファンシーフロンティアとは
2012年 fancy frontier 21 カタログ。
ファンシーフロンティアはコミケと同じく夏と冬の2回開催。最近行ってないのでわからないがCOMIC1やサンシャインクリエイションくらいの規模。企業スペースもあってFF21はグッドスマイルカンパニーのワンフェスで販売していたアイドルマスターシンデレラガールズのFigmaが売っていたりと日本の企業も増えている。
ファンシーフロンティアの会場は台湾大学体育館で地下鉄にあたるMRT(Mass Rapid Transit)の公館駅か科技大樓駅が最寄り(公式の交通案内)。台湾大学は旧帝大で最高学府なので日本だと東大でコミケやるようなもん。
夏は7月末で夏コミの入稿前になるのできつく、冬は春節(旧正月)と重なると旅費が高くなったり公共交通機関が激混みになったりする。
追記: 2015年より花博会場に変更。
サークル申込には代理人が必要
日本からファンシーフロンティアに申し込むのは簡単で日本語ページに記載されている通り代理人に申し込んでもらえばOK。もっともほとんどの人は台湾に知り合いなどいないだろうから、この代理人を探すのが一番大変なのだが。それでもサークルの活動実績がしっかりとあって即売会でちゃんと交流していれば、狭い業界なので知り合いを2、3人経由すれば意外と行き当たったりするのではないかと思う。
追記: 日本サークルの申込注意事項と規制
直接申込で代理人は不要になった。
申込締め切りは11月8日で当選発表は11月22日。
FF21の時は1スペースでサークル入場券1枚とカタログ購入必須のサークル入場券が2枚、椅子が1脚。土曜日のみ申込で椅子1脚足して代理人から請求されたのは650元。当時の円相場で2050円でもいいよと言われたので日本の即売会よりかなり安い。
土日と2日間開催で2日間申し込んでもどちらか1日でもOK。即売会としては土曜日の方がメインで日曜はイベントも多いようなので土曜のみの方が申込が多いようだ。日曜夜に日本サークルの打ち上げがあるっぽいが去年は日曜日に帰ってしまったのでどんな感じかは不明。
カタログを見ると日本のサークルは結構「日本社團」と書いてところが多かったので、予め周知させたい場合はサークルカットに書いておくのもあり。サークルカットは720×614のjpg。
搬入や当日など
台湾大学体育館。
航空の受託手荷物は、例えばANAのエコノミークラスだと現在は23キロまで1個、エバー航空だと20キロまで1個。いずれも三辺の和が158センチ以内。仲間で分散しても持って行けない場合は最悪UPSなどで送る必要があるだろう。
サークル入場は9時から10時半で一般入場が10時半から16時半まで(日曜16時まで)、ギリギリに入ると始まっちゃうので注意。サークルチケットを見せる時点で手にスタンプを押される。ファンシーフロンティアはコミケとは違って拍手はなく、中華圏で日本より大雑把なせいか走っちゃう人もいるみたいで本当に地響きがする。終了時も拍手はなく、16時半をすぎてしばらく経っても人が全然減らないのでどこかのタイミングで片付けて切り上げる必要がある。
よほど変なジャンルでなければ日本サークルの島にまとまって配置されると思うのでわからないことがあれば代理人や回りの人に助けてもらえばなんとかなると思う。
実際どのくらい人が来るの?
コミケと同じくらい混雑する。コミケ男性向けの日のピーク時みたいにはならないが始終歩きにくく混雑して盛り上がる。台湾ではまだまだ日本のようにマンガが描ける人が少なくイラスト本が多いので日本サークルによるマンガの需要は高いが、コミケのように買いまくる人は少ないようでだいたいのサークルはそんなにたくさん持っていかなくてもいいと思う。流行ジャンルはほとんど日本と変わらない。
ただしアイドルマスターに限っては、台湾では765プロ台湾支部という言語の壁を乗り越えてゲーム遊び日本のライブにも乗り込んできて精力的に活動してる団体があって、ほぼ全買い状態。FF21では日本サークル3、台湾サークル2(逆かも)がアイドルマスター本を出展してたが圧倒的に供給が少ないのでアイマスサークルはもっと出展するべき。
この記事の執筆時の1台湾ドルは3.3円。台湾の初任給は日本の半分より少し下ぐらいで、食べ物や交通など日常に必要なものの物価はだいたい日本の半分くらい。中国語翻訳の商業マンガ単行本が100元未満で、日本より印刷費が安いのでフルカラーイラスト同人誌が100元が多かったように思うので、日本で500円で頒布していた本を持っていく場合100元にするか150元にするか悩むところ。FF21の時は「円安還元!」と値下げをPRしてるサークルもあったので当日回りの様子を見て決めてもいいと思う。やる気のあるサークルだとセリフの中国語翻訳の用紙作ってる。
エロはもう本当に注意
18禁本は、性器の修正、ビニール袋詰め、18禁表示、が義務付けられており日本よりかなり厳しい。国が違えば法律も違う。そもそもサークル数が少なく日本と比べるとお求めになる人は少ない。出す場合は日本サークルの申込注意事項と規制を読んで代理人からもよく教えてもらうこと。FF22の時にこれを守らなかったサークルが逮捕されているし、FF19の時には日本サークルや展示や日本人コスプレイヤーの露出が問題になったこともあるので、日本とは違う国に来たのだという自覚を持って日本人として恥ずかしくない行動をとってほしい。台湾へのアクセス、過ごし方
・航空券の相場、ホテルFF23行きの航空券はエバー航空で成田→桃園、松山→羽田と発券して33650円で予約できた。ANA、JALだとおそらく45000円くらいから。9月の3連休に格安航空LCCのエアアジア・ジャパンで行った時は23920円。関空からピーチだともっと安い。レガシーキャリアで安定して安いのはチャイナエアライン。スカイスキャナーやMomondoあたりで値段調べてから航空会社のサイトで直接買うのがよい。お土産屋に寄らされる航空券と宿泊付きの格安ツアーを利用するのも手。
・エアアジア・ジャパン台湾便と成田空港シャトルの最後を惜しむ そして台風
・LCCはやっぱり危険?バニラエアが雪で遅延→成田23時門限→空港で野宿
・週末海外の時代きてるな!バニラエア深夜便で土日に台湾へ
ホテルはヘタしたら日本より高いが、台北駅周辺でも1泊500元くらいから泊まれる宿もあり、日本人宿もある。私は海外はだいたい楽天トラベルやエクスペディアあたりで検索してて、去年はマンションタイプの部屋を取ったらエクスペディアに記載されてる住所と違って困ったことがあるので注意(ちゃんと注意書きに正しい住所が記載されていた)。
・現地SIM
中華電信の売り場。
SIMフリー端末があれば50元分の通話をつけて3日間ネットつなぎ放題が300元とかなり安く済む。中華電信、台湾大哥大、遠傳電信が大手三社で、松山、桃園いずれの空港でもSIMが買えてパスポートのみの提示でOK。
日本より狭い人口2000万で大手三社が争っているのでFF21の時は台湾鉄道やMRTの地下でもどこでも電波がきて日本より繋がる印象だったが、最近は日本の地下鉄も電波届くようになったし、9月に台湾へ行った時は妙にパケットづまりしたので現在は日本の方が上かも。
中華電信が日本のドコモポジションで一番よく繋がるが、FF21の会場内に限ってはイマイチで他のキャリアの方が繋がったっぽい。毎回のことかどうかは不明。
日本のキャリアで国際ローミングする場合は基本料金無料の海外プランに加入する必要があり、データ通信は1日1980円から2980円上限とかなり高いので光華商場あたりでSIMフリー端末買うのもオススメ。
・交通やコンビニ
MRTや国鉄の台湾鉄道の台北近郊区間は電子マネーの悠遊カード(EasyCard)で乗れて割引も効き、コンビニでも使える。チャージは中国語が話せなくてもコンビニでカードとお札差し出せばだいたいやってくれる。お茶は「日式」や「無糖」と書いてあるやつを買わないと甘くてひどい目に遭うので注意。
台湾は日本人より英語ができるので中国語がわからなくても英単語並べたり、漢字で筆談すればなんとなく通じるので気兼ねしなくてOK。ネット繋がって電子マネーで鉄道乗ってコンビニ行ければ日本と変わらない生活が遅れるので、この他は「地球の歩き方」などの旅行ガイドへ。
違う国に行くと認識できれば後はだいたい日本と一緒
台北駅。
というわけで、日本ではないところに行き文化もルールも違うということを肝に銘じておけば、台湾はだいたい日本と一緒なのでハメをはずさない程度に気軽に楽しめばOK。去年のFF21の様子はこちらで書いている。あと旅好きは駅弁ひとり旅 ザ・ワールド 台湾+沖縄編を読んでおくのをオススメ。
開拓動漫祭
8年ぶりに行ったファンシーフロンティアでいきなりサークル参加していろいろ不安もあったが、Twitter経由で知り合った現地の方とイベント中に手伝ってもらったり夜市や打ち上げに連れて行ってもらったりしてお世話になりながら楽しく台湾での生活を送ることができた。日本以外の国だと言語の壁があるのでアニメやマンガで日本語を覚える人が多い台湾でもやはりイラストやマンガ本と比べるとうちのように文字が多い本だとなかなか厳しいかなと思って参加したら(補足の地図を作ったくらい)、思ったよりも多くの方に手にとっていただき、初めてコミケに出た時の初心に帰ることができたような気持ちに。
周りの日本サークルでマンガ以外の本を出しているところにご挨拶して聞いてみたら「コミケだって昔はマンガ以外の本は少なかった」と言われて「なるほど!」と思った。同人誌はそもそも自分の好きなものを広く知ってもらいたい、共有したいという思いの結晶であり、それを広めるためのサークル活動なのだと改めて認識。
ファンシーフロンティアは中国語で「開拓動漫祭」と書く。新たな出会いを求めたり今一度自分のサークル活動を見つめ直したいと思う人は台湾のファンシーフロンティアに申し込んでみるのはどうだろうか。