シカゴ科学産業博物館U-505
「艦隊これくしょん -艦これ-」2015年冬イベントの「迎撃!トラック泊地強襲」E-3突破報酬の潜水艦U-511。改造すると呂500になり肌が小麦色のスク水へと変貌を遂げることになるが、このU-511の姉妹艦であるU-505がアメリカのシカゴ科学産業博物館にある。
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シカゴ科学産業博物館
シカゴからシアトルまでを再現した鉄道模型。写真左がシアトルのタワー・スペースニードル。
鉄道模型の上はボーイング727など航空機の実物が。
シカゴ科学産業博物館は炭鉱や交通ギャラリーなどがあり、満州のあじあ号に影響を与えたと言われる流線型で最高速度時速185キロのパイオニア・ゼファーなど乗り物好きにはわりとたまらん博物館。
ドイツの急降下爆撃機Ju 87(スツーカ)の展示もあり、艦これでは艦載機用に作られたJu 87 Cの架空の改良モデルとしてJu87C改が登場している。写真右の鉄十字が描いてあるやつがJu 87。
UボートIXC型 U-511とU-505の艦首
艦これのU-505
U-511とU-505は同じUボートIXC型(U-Boat Type IX C)で、U-511のお姉さんと言えるU-505はシカゴ科学産業博物館にあり、現存するUボートの中で世界で唯一のIXC型となる。
U-511もU-505も艦首に53.3cm魚雷発射管が4門あり、艦これのU-511の腰についているパーツが艦首部分となっている。たまたま魚雷を発射してる管も同じで再現性高い!
また、金髪(銀髪?)についているアクセサリのようなものは、艦首側の潜舵。潜水艦の潜舵は水平より少し下を向いており、この舵で潜行することになるのでただの髪飾りに見えるけど重要アイテム。中破画像でも壊れずちゃんとついてるが、頭から潜っていくとしてこの取り付け方の潜舵がちゃんと役割を果たすかどうかは謎である。
艦これのU-511では左右の舵がヘッドホン状にくっついているので受信機になってる?U-511の後ろはよく見えないけど、U-505で潜舵の前についている細長く曲がったトゲのように見える潜舵ガードで繋がってる設定かもしれない。
ドイツ海軍記念館のU-995(VIIC/41型)。潜舵が下を向いているのがわかり、こちら側は錨がない。
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U-995もU-505もU-511も艦首側を前とした右側には錨があるが左側には錨はなく、艦これU-511でも同様の設定らしいがイラストからは見えない。
ちなみに、島田フミカネ先生は「VII型はサドルタンクなので小柄で尻デカ安産体型なのか」と発言されており、U-995訪問時はそんなこと考えもしなかったので先生さすがです。安産型なので積極的に性行為を迫ってくるようなVII型も艦これで実装されませんかね。
10.5cm砲と防潜「毛」カッター
U-511が右手に持っているのは10.5cm砲で水中なので栓をしているらしいが、シカゴのU-505では拿捕した時点で10.5cm砲はすでになかったのか展示は見当たらなかった。
ちなみに、敵潜水艦が散布した防潜網をカットするギザギザしたものが潜水艦の艦首などに付けられることがあるが、艦これのU-511には防潜「毛」をカットする仕組みあるようで手に持っている主砲にギザギザしたものがくっついている。
ただし、U-505には見当たらなかったのでUボートIXC型には防潜網カッターはないんじゃないかと思ったが詳細不明。
艦尾と魚雷発射管と舵
U-511の中破グラフィックで見える尻尾のようなものは艦尾側で、U-505と外観が同じで魚雷発射管×2がはっきりとわかり、外装の細かい穴もだいたい似たような感じになっている。
腕とももの金部分から先は、陸では脱ぐとあり、水中専用となる靴には水平に取り付けられる横舵がはっきりとわかるが、潜水艦に2つある縦舵は描かれてなさそうに見える。
艦橋と潜望鏡
艦これのU-511の顔の左についているのは恐らく潜望鏡で、U-505の実物では見ることができなかったが隣に艦橋と潜望鏡を再現したコーナーがあった。
首のあたりが恐らく艦橋を少し縦に圧縮して描いたのではないかと思われ、潜望鏡と一緒になってシュノーケルみたいに見える。
帽子になっているのは艦首のイメージかと思ったけどイラストからはよくわからず。
頭悪そうなメンツが揃うスク水セーラー服の日本の潜水艦とは違い、ドイツのUボートはしっかりとしたスーツを着込んでいるが、U-505を見ると外装の雰囲気をよく再現できてると思う。カラビナみたいなのがあるのは手すりの再現なのかそれともただの飾りなのか?
という感じで、島田フミカネ先生のU-511はかなり忠実にUボートIXC型の外観を再現しており、ほとんど間違い探しになってくるレベルであることがわかる。
この他のUボートIX型は、IXC/40型のU-1224が呂501となり、ドイツの敗戦で日本に引き渡されたIXD2型のU-181が伊501、U-862が伊502、IXD1型のU-195が伊506となったので、こちらも艦これでの実装が期待される。
個人的にはUボートが実装されたなら、日本からタイに輸出して"まるゆ"とも縁があり冬コミ新刊でも紹介したマッチャーヌ級潜水艦を出してほしい。
拿捕されたU-505
ちなみにシカゴ科学産業博物館にあるU-505は、米軍に爆雷を受けて自沈する暇も与えられず拿捕されてしまったもので、戦後は博物館内で公開されている。
U-505の拿捕によりドイツの暗号解読に貢献したそうで、拿捕までの進路やエニグマ暗号機などを置き、米軍の栄光が展示されていた。追加料金はかかるがU-505の中に入ることもできる。
戦争に負けるということを知る
話は変わって、戦前は樺太だったロシア・サハリンのユジノサハリンスクには重巡洋艦・鈴谷の艦内神社であった樺太神社があるが、現在ではロシアの栄光公園となりまったく面影がなくなってしまっている。
かつて日本人の心の拠り所であった神社が、かつての敵の栄光公園となり戦車や銅像がたくさん並べられている姿を見て、「ああ、戦争に負けるというのはこういうことなんだな」としみじみと思ったが、U-511の姉であるU-505も拿捕されたまま戦後もアメリカに残り続け博物館で観光客に晒し者になって余生を過ごしていると考えることもできる。
日本の残った艦艇は戦後賠償や原爆実験などで散り散りになり、わずかに残った艦艇も解体されたり軍艦堤防になったりして、形が残っているのは日露戦争の戦艦・三笠くらい。
こういった第二次世界大戦の史跡を回ろうとするとだいたい海外に行くしかなく、動態保存されている艦載機も基本海外にしかない。戦前を知らない身が戦争について見ようとすると、海外に行くしかないという事実とその先で見られる風景から戦争に負けるということについて深く考えさせられる。
現在の樺太神社は、宝物殿とサハリン州立郷土博物館(旧樺太庁博物館)に狛犬が残るのみ。重巡鈴谷の名前の由来になる鈴谷川はススヤ川として現在も変わらず流れている。
とは言え、駆逐艦・響はソ連に引き渡されヴェールヌイとなった由来から響は艦これでも特徴ある艦娘だし、台湾へ行った雪風は「鋼鉄少女」という台湾作家のマンガで活躍し艦これのデザインに影響を与えたと言われているので、日本にほとんど残っていなかったとしても無駄なことはなかったと思うし、U-505もとてもよい状態で今もこうして見られるように保存されているのは大変喜ばしいことだと思う。
シカゴはアメリカ東海岸や南米への中継地点でシカゴ科学産業博物館は空港から公共交通機関で行けるので乗り継ぎついでに行くのがオススメ。U-505を見てきた身としてはU-511はかなり愛着が湧いてLOちゃんこと呂500と両方揃えたいので早くドロップするようにしてほしいところ。
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