2018年8月25-26日に中国の中部で湖北省の省都である武漢で同人イベント(同人展/動漫祭)ComiAi15が開催。会場は武漢国際会展中心で同じく武漢のAnimePower10との共同開催。
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イベント会場に到着しサークル入場
武漢国際会展中心
ANAの羽田香港便を使い、陸路で中国の深センに入り、深セン-武漢の夜行列車Z24に12時間ほど乗って武漢入り。
サークル入場は8時30分で、一般入場は10時から17時まで。
前日搬入をできなかったため、入場券を買い求める行列の横にあるサークル受付でサークルチケットを受け取る。
CA15&AP10のカタログ、企業出展している「ネコぱら」のクリアファイルなどがもらえた。
偽札チェックの紫外線ライトが配られるのがいかにも中国っぽいのだが、アリペイやWeChatPayなどの電子マネーが普及したのにまだこういうのもらえるのね。
1ブースは120cm×60cmで中国ではよくある机サイズ。B5サイズの同人誌だと6×2冊平置きできる。
ペットボトルの水2本がサービスされていてとってもありがたい!
200サークルで中国では大きめ
入口から入って左が同人即売会エリア(水色)、右が企業ブース(オレンジ)。
ブース数は、机を数えると213ブースで中国の同人イベントでは比較的大きい方になる。2ブース以上取っているサークルが多いため、実際のサークル数はこの半分くらいになる。
武漢ComiAiの資料を見ると、武漢国際会展中心1Fはは約1万平米で前回は28000人(たぶん2日間の合計)のようで。
東方オンリー「東方月見語」エリア。
イベント内オンリーは東方プロジェクトと中国発の3Dアニメで凹凸世界の2つで、後は艦これや少女前線などの軍事擬人、コスプレなどが島としてまとめられていた。
一般入場は10時からだが、少し入場料が高いVIP入場があるため、10時より前にすでに人が増えていた。
プロデューサー同僚名刺交換希望!
5000兆枚ほしい!
アイマス華中支部の名刺交換がすげえ!
スタッフさん「しおい(伊401)」好きか、いいセンスしてるな!
アズールレーンの鉄血(ドイツ)陣営の指揮官も来てくれました!
「ドイツ艦の本は今日は持ってきてないの」って話をしてたら、タオバオ経由でお求めいただけたので帰国してから発送!ありがとうございます!
軍事擬人島には台湾作家によるオリジナル架空戦記同人誌なども。
弁当の立売が便利すぎる
弁当を立売するおじさまがいてブースを回ってくれる。
しかも15元(250円)とかなり安い!上海や北京と比べると武漢の物価はまだまだ安いようで。当然、アリペイやWeChatPayで電子決済可能。
今回のComiAi15はAnimePower10との共同開催だけでなく、8月に一週おきに開催された成都Comiday、重慶ComiTimeと連携して、同人誌を次の会場に輸送するサービスをやるなどを行っていたせいか、同じ日に上海でComicupSPが開催されていたにしては同人誌を頒布するサークルが多く、同人”誌”即売会としては上海、成都に次ぐ規模感であったと思う。
日本からのゲストが充実していたのも大きい。
コスプレブース
コスプレ撮影は太陽の光が入る壁際で行われており、コスプレ島とも隣接している理にかなった配置になっていた。
残念ながらコスプレはほとんど撮影する余裕がなかった。7月に配信されたFGOのスカディもいたのだが、自分のブースにいる最中だったので撮影は叶わず。
メイド喫茶などの企画や企業ブース
メイド喫茶。
パイプ椅子や備品のテーブルにクロスをかけただけでいかにも特設っぽいのだが、コンセプトが学園祭のメイド喫茶のようなのでそういう意味では再現度はなかなかのものかな?
カプセルフィギュアが出てくるガチャガチャコーナー。
同じ8月の広州YACAでは電子マネーで入金できるハイテクな機械が置いてあったけど、武漢ComiAiでは従来型の機械のみ。
縁日っぽいブースには天聞角川などが出展。
パチンコでぬいぐるみを飛ばす豪快さに吹いた!
粘土細工でキャラクタを造形するコーナー?
結構うまいわね!
ステージイベントではアイドルマスターシンデレラガールズ依田芳乃の高田憂希さんや、女装エロゲを作り続ける西田一さんなどが日本から招待されて、先程のアイマスPたちもめっちゃ盛り上がってたようだが、残念ながら高田さんのステージは見ることはできず。
小林さんちのメイドラゴン、戦艦少女R、少女前線など、日本や中国のタイトルが軒を連ねる。
成田武漢線に就航しているANAが特別出展!SNSフォローやクイズで武漢線就航記念グッズなどがもらえた。
日本からのゲストは恐らくANAで搬送されているらしく、武漢線は好調なのか7万円くらいすることがあって有償ではとても乗れないので羨ましい。
置いてあるチラシもアニメツーリズムですか。
武漢は露出に関して寛容?
武漢は露出規制はあまり厳しくないようで、胸元やケツの肉などが出ていると隠さないといけない都市も多い中でゆるかった。
文化局が来た!
一般入場が始まってしばらくしたら、スタッフが忙しそうに走り回っているのを見かけたので、なんだろうと思っていたら、
隣のサークル「かずぴーさん、文化局の人が来たから早く同人誌をしまってください!」
かずぴー「それはヤバイ!すぐに隠さなきゃ!」
法律違反がないか監督管理する文化局の人間(武漢市文化局監管)が会場内までチェックしに来るようで、あわてて他のサークルと一緒に机の後ろに同人誌を隠す。
中国国内で出版される本は必ず当局の検閲を受けるという”設定”になっており、表向きには同人誌も検閲を受けていないものは頒布できないことになっている。
値札を外し、見本誌以外を撤去!
これで「売り物ではありません!」と示して、どこにいるかわからない文化局の人が消えるまで耐え忍ぶのだ。
こんなこともあろうかと、別のイベントでもらった「非売品」と中国語で書いたシールも持ってきたよ!
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イベントスタッフ「文化局は帰ったからもう同人誌を出してもいいよ」
緊張の瞬間から30分ほどでComiAi15に再び平和が訪れた!
文化局チェックが形式上である理由
島1つ分全部が何もないブースがあったけど、文化局が来た時にNPC出展した同人誌を撤去したのかな?
中国の同人イベントではこのように当局がチェックしにくることが多いようだが、露骨に18禁本を頒布したりしなければ基本的に問題は発生しない。
文化局の人も本気を出せばいくらでも逮捕できそうなもんだけど、実際には何事もなく嵐は過ぎ去ることがほとんど。
これは、中国においては同人イベントも若者に人気のある芸術的な文化として認識されており、アニメ・漫画・ゲーム(ACG)を将来の成長産業として中国政府が育てようとしているからで、同人イベントの開催も地方政府の役人の昇進ポイントになるのである。
そもそも、中国ではイベントは地方政府の許可がなければ開催はできず、同人イベントも当然許可が必要になるので、よく思っていないなら最初からイベント開催を許可しなければいいのだが、そうはなっていない。
実際、中国では、アニメ漫画コンベンションやゲームショーは地方政府や息のかかった企業が大規模に開催しているケースが多く、同人イベントにおいても補助金などで優遇されているイベントもあると思われ、逆に何もしてないのにあたかも地方政府が開催しているような看板が立っていて成果をPRしている例すらある。
今回の武漢の例も、恐らくチェックは形式上のもので検閲を受けているはずのない同人誌を見逃しており、イベント主催と当局の阿吽の呼吸で成り立っているのではないかと思われる。
これ、アカンやつや!
中国の同人イベントではまだまだコピーと思われる商品を目にする機会が少なくないので、「同人誌の前にこっちを取り締まれよ」と思うのが正直なところ。
こういったサークルは、同人”誌”即売会度が高いイベントではちゃんと駆逐されているものの、そうでないイベントでは残念ながら割合が増える傾向にある。
たくましく生きる武漢の同人イベント
CA15&AP10の告知書。
エロ、暴力、中国共産党を脅かす政治思想的に問題のあるもの、コピー商品など、無許可の映像音楽作品、低俗なエロコスプレ写真集などは、頒布しないよう通達されていて、そもそも中国のイベントは基本的に申し込む段階でこの手の注意書き同意がある。こういうのを最低限守っていれば 武漢は露出規制も緩いし、イベントスタッフやサークルも当たり前のように情報局の来訪に対応していて「たくましいなあ」と関心した。
テンセントが配信しているモンスターハンターワールドなどが販売停止なったり、ビリビリ動画からアニメが大量に削除されたことが日本でも大きく報道されたように、中国共産党による一党独裁の社会主義国である中国は、表現や思想面で制限が大きく、情勢の風向き一つでコンテンツが規制されてしまうとても難しい国だ。
その一方で、アニメ漫画ゲーム系コンベンションや同人イベントは今や中国全土で盛大に開催されており、地方政府もそれを後押ししている。
もちろん、一番重要なのは日本のアニメや漫画などの文化が大好きでイベントを立ち上げて運営してくれる現地のファンあってのことだが、日本でよく問題視される二次創作のグレーさとはまた違ったグレーな部分を内包しながら成長を続けるのが中国の同人イベントなのである。
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