池上飯包文化故事館。
台湾東部は海岸山脈と中央山脈に挟まれた平原(花東縱谷)に一面の水田が広がる台湾の米どころだ。特に池上米は日本の新潟産コシヒカリのように別格らしく、うまい米あるところにうまい駅弁あり!ということで、台湾一を誇る池上駅弁を目指して池上を訪問した。
玉里駅。
日本統治時代の社畜寮が和風ホテルとして泊まれる!廃工場やサトウキビ列車を保存する花蓮糖廠
台湾東部で日本統治時代から続く製糖工場を観光地化した花蓮観光糖廠へ。
玉里の西側には台湾最高峰で富士山より標高が高い玉山がそびえるが、ここからは全く見えない。玉山は日本統治時代に新高山と呼ばれ、真珠湾攻撃の暗号電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八」でよく知られる山なのでいつか登ってみたいものだ。
車窓からは海岸山脈と一帯の水田が広がる。
14:42 池上駅に到着。
電化されてからはこんな田舎町でも最新鋭のプユマ号の列車交換が見られるようになったのね。
駅弁の立ち売りがいない!
「駅弁ひとり旅 ザ・ワールド 台湾+沖縄編」では、池上駅に自強号が発着する時は駅弁の立ち売りが駅ホームで見られると聞いていたのだが、どこを探してもいない。
池上駅の駅舎は電化と一緒に新築されたのか、木をベースにしたオシャレな感じに生まれ変わっていた。
駅改札も有人でしっかり管理していたので、もう駅弁の立ち売りは入れないのかもしれない。
なんかすごく観光地っぽいぞ。
池上駅から南東に3分歩くと池上飯包文化故事館(池上弁当文化博物館)に着いた。記念撮影をしている人が多数で、台湾の鉄道関連の観光地はどこも賑わっているな。
保存された旧型客車で駅弁を食べることができる。
台湾の花蓮と台東を結んだ台東線は日本統治時代にナローゲージで建設され、中華民国となってから改軌されたが、こちらは線路幅が762mmの時代から活躍していた車両のようで。
2階は博物館になっていて無料で入れる。
池上の米作りや、駅弁の歴史コーナーがあり無料の施設としては十分楽しめる。
池上飯包文化故事館の駅弁70元。
スープはセルフサービスで取ることができる。
「駅弁ひとり旅」に出てきた駅弁となんか違うなあ?と思ったら、池上には駅弁屋が複数あることに今更気がつく!
駅舎を挟んで右の赤い看板が家郷池上飯包、左のオレンジの看板が全美行池上便當。
全美行池上便當。
よく「台湾一の池上駅弁」と言われるのはこの全美行であるようだ。
入口付近のレジで食券を買って、奥の配給口に出す。
駅弁の蓋がメッセージカードになるわけね。
話を聞いてみると、池上駅の駅弁立ち売りはもうやっていないらしく、日本でもほぼ絶滅した貴重な文化が失われてしまったことに残念。
池上鐵路月台便當。
先程の駅弁でお腹がいっぱいになってしまったので翌日の緑島で食べたところ、経木の箱が水分を調節して味が引き締まり格別だった。台湾の駅弁はおかずが肉類ばかりなケースが多いけど、たくわん、タケノコ、キャベツとニンジンの和え物といった感じで野菜もちゃんと入ってるので飽きない。
池上15:36発の区間車に乗車して南下。
隣の海端駅で台北方面の莒光号とすれ違うため停車。目的地は次の駅なのにまさか列車交換があるとは。
15:55 関山に到着。
駅にはレンタサイクルやレンタルバイクもあり。
1911年から続く旧駅舎が保存されている。
日本北部の農家風建築だそうで、現駅舎の100m北に建っている。
1919年に建てられた駅長の宿舎も保存されている。
駅から徒歩5分くらいの関山便當。
「駅弁ひとり旅」となんか違うぞ?
「駅弁ひとり旅」に出てくるのは源昌飯店の源昌関山便當であることに気がつく。
関山便當 75元
大きなショウガが肉の上に載っているのが特徴。肉もソーセージや揚げ物など種類が多くてスナック感覚で食べられ、ショウガをアクセントにできるので飽きずに食べられる。
地元の人向けにもっと安い持ち帰り弁当もあるようで、そちらも気になった。
関山で見かけたお米とカボチャのキャラ。
旧正月を過ぎてもまだクリスマスだよ!
関山16:47発の莒光号に乗車。
莒光号は遅いけど電源のない客車でゆったりして旅っぽさを演出できるからいいな!
座席のリネンには喔熊(Oh Bear)が。
台湾のLCCであるv airの熊が倒産後に交通部観光局へ再就職したのだと思ってたけど、全然別のキャラクタかな?
ひたすら田園が続く。
17:19 台東に到着。機関車の切り離しを見学。
台北から最も遠い台東に着いた!
台東駅から台東市街へは、ちょうど17:45の8172バスに乗れた。
台東のバスはICカードが使えるものの、悠遊カードはエラーが出て認識できず。台東駅にはレンタルバイク屋があるので原付を借りるのも手。
金龍商務旅館。
バスで25分くらいで旧台東駅の台東バスターミナルに到着し、agodaで予約しておいた金龍商務旅館にチェックイン。2071円でバスターミナルが目の前かつ日本のビジネスホテル相当の設備があって不自由しなかった。
その後はホテルで無料の自転車を借りて、夜の台東鉄道芸術村、台東観光夜市でアヒル肉、寶桑豆花で豆花など。
2回間違えた結果、1日で4つの駅弁を買うことになってしまい、しかも緑島の宿の冷蔵庫に関山弁当を忘れたので1つ食べることができなかったが、3つの駅弁を比較した限りではやはり一番有名な全美行の池上鐵路月台便當が最もよかった。もしかしたら1日寝かせて経木の箱が水分を吸ってくれたおかげかもしれないが、味の引き締まり加減が段違いで、日本の駅弁と比べても遜色ない味の深さだった。
池上駅から駅弁の立ち売りが消滅した理由を聞いてみると、台湾の鉄道ブームにより駅弁ビジネスに目がくらんだ台湾鉄路が駅弁の立ち売りにもテナント料を取るようになった結果、伝統的に続いてきた駅弁の立ち売りは台湾から消滅してしまったらしい。
駅弁の立ち売りはなくなってしまったが、全美行の池上鐵路月台便當のパッケージには、駅ホームを示す「月台」と名前が入っており、かつて駅弁に立ち売りが行われていたことを示す証としてこれからも語り継がれていくのだろう。
台湾・台東から緑島へフェリーで50分!絶海の孤島の海底温泉や監獄に行きたい!
台東-緑島フェリー凱旋2号。 台湾の海リゾート地であり、太平洋戦争後に蒋介石率いる国民党が政治犯を投獄した監獄が博物館化されているということでずっと行きたかった緑島(綠島 / Lyudao)へフェリーで訪問した。