台湾第2の都市の高雄で日本海軍の無線通信塔施設だった鳳山無線電信所は、戦後に台湾海軍の学校や刑務所として使われ、現在は文化財としてその施設建物が保存されている(2014年訪問)。
台湾海軍に使われた鳳山無線電信所内部
鳳山無線電信所は長らく海軍施設であったが、現在は入場無料でこのように誰でも入ることができる。
赤レンガの事務所建物は赤青のいかにも台湾っぽいカラーで塗られている。
建物によっては一部が崩落していたり、「逃げたら死刑」などと書かれた暗い部屋がある。
給水塔。
本部庁舎の大トーチカ
鳳山無線電信所の本部建物で送信設備が置かれていた。
ドアや窓は鉄の扉になっている。
本部建物の内部は火災後もあり、もし日本であれば「よくこんな状態で公開してるな」となるけど、安全については自己責任で中に入れてくれるだけ台湾は優しい。
日本統治時代の用途は不明の建物。囚人が壁に頭をぶつけて自殺しないように壁にマットレスが貼られている。
こちらも日本統治時代から存在するとされる独房のような建物があるのだけど「何に使われたのか不明」と書かれているのでかえって恐ろしい。
少トーチカ。ここでは大量のカメラマンとコスプレ撮影をやっている場面に遭遇。
無線通信所
十字形をしたコンクリートの建物は無線通信所。
本部庁舎と同じく重要な施設となるのでコンクリートや鉄扉は分厚い。
発電機を置いたコンクリートの台座や送風機の跡が残されている。
「昭和18年2月20日 三機工業株式会社」と書かれた戦中製造の送風機の銘板は今でもはっきりと読める。
半地下になった部屋もあるのだが、半分水没しており胴長でも持ってこないと内部は見学できない。
真っ暗で水没してるのに気が付かず、そのまま足を踏み入れてしまい大惨事になった!
田んぼに残る鉄塔の基礎
外壁の内側はベルリンの壁みたいにアート作品が並んでいた。
田んぼになっているエリアには電波塔のコンクリートの基礎がいくつか残っており、物置に再利用されているものも。
直径680メートルの円周上に高さ60メートルの無線通信塔が18建てられ、直径800メートルの円周上に36の塔が建てられていたという。
戦前・戦中の遺構のはるか先に新興住宅地のマンションがそびえる現在の風景はとてもいいな!
舎宅、病院、200m無線通信塔基礎
現在は駐車場として使われているエリアには舎宅や病院の建物が並んでいるがこちらも崩壊が進んでいる。
埋もれているドーム状のコンクリート。
こちらが無線通信塔のコンクリート基礎。
鳳山無線電信所には、直径300mの円周上に船橋と同じ高さ200mの無線通信塔が3本建てられていた。
鳳山無線電信所への行き方・アクセス
鳳山無線電信所は高雄地下鉄の橘線で鳳山國中駅に行き、北へ1kmくらい歩いたところにある。
開館時間は土日の9-17時。
この後は露店でタオルを買って水没した足を拭き、タクシーをつかまえて紅毛保安堂へ移動した。
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