ザンジバル島を乗合バス・ダラダラで観光 ブブブに残る鉄道遺構を探して見知らぬ人にホイホイ付いて行った結果


タンザニアの旧首都ダル・エス・サラームからフェリーでザンジバル島に日帰りし、乗合バスのダラダラと徒歩でブブブの鉄道遺構を探し中心街ストーンタウンを観光した。訪問時の1タンザニア・シリングは0.06円


多彩な乗合バス・ダラダラ

ワゴン車タイプ


中心街ストーンタウンの外れにあるバスターミナル。



Dalla Bus Station→スルタンのパレス→ブブブ警察署の経路。

奴隷市場跡やマーケットの北にあるバス停Dalla Bus Stationからザンジバル島の北端ヌングイNungwi方面のミニバスが多数出ている。

なお、タンザニアでは乗り合いバスをダラダラと呼んでおり、アフリカは旧イギリス植民地が多く左側通行のため日本の中古車が多数走っている。



ストーンタウンから北10kmくらいのブブブBububuという街にある鉄道遺構を探すため、乗り込んだのはワゴンタイプのダラダラ。

2016年発行の「地球の歩き方」には502番がブブブ方面に行くと書いてあったが、路線番号という概念がほとんど消滅しており、「ブブブ!」と運転手や乗客に聞いてバスの目的地を確かめるしかなかった。

ブブブの手前にあるスルタンのパレスまで7kmほどの距離を300シリング(18円)。


マイクロバスタイプ


ブブブのバス停。

スルタンのパレスからブブブまではマイクロバスタイプのダラダラであった。



フィッシングパークつくば園の中古バスのようでそこそこきれい。

ブブブのバス停までは2kmくらいと歩けそうな距離だったが新しいバスだったせいか500シリングも取られてしまった。言い値で払ってしまったので外国人だから舐められていただけかもしれない。とはいえわずか30円なので細かいことは気にしない。



ちなみに、タンザニアや他のアフリカ諸国ではこのような幼稚園・保育園バスもいっぱい走っており、大の大人が定員オーバーで詰め込まれて大真面目に走っている様子を見ることができる。


タイのソンテウみたいなトラックタイプ


ブブブからストーンタウンへ戻る時はタイのソンテウみたいなトラックの荷台に乗せられるタイプだった。



天井がクソほど低く途中まですし詰めだったのできつかった。

料金は200シリング(12円)と安く普通のバスと比べて居住性がとても低い。しかし、往路で300+500シリングもかかったのはやっぱり多めに取られていたのかもしれない。


ブブブで鉄道遺構を探索する


右の建物がブブブの警察署。警察署はスワヒリ語でKituo Cha Polisi。

Wikipedia情報だと、ザンジバルは東アフリカで最初に蒸気機関車を導入した国で、1879年にストーンタウンから南に約10kmのチュクワニChukwaniまで建設。1905年にブブブBububuまで約10kmの鉄路が建設され1930年まで運行。現在も橋や堤防の遺構を見ることができるという。

このBububuという地名こそが蒸気機関車の音が由来となっているようだ。

しかし、地球の歩き方だと「機関車の轟音と煙で沿線住民の不満を買い1927年廃止」のように書かれており、詳しい年ははっきりしない。とりあえず、警察署の裏に駅の遺構が残っているらしいので行ってみよう。




コンクリートの物体はいくつかあるが、これらが駅の遺構なのかどうかまったくわからんぞ。

タンザニアの失業率は10%前後だそうで、その辺で暇そうにしている人に聞いてみたがやっぱりよくわからん。

「あ、あいつなら知ってるかも!」

携帯電話で誰かに連絡してくれ、しばらくしてガタイのいい男が現れた。遺構の場所を知ってるので案内してくれるらしい。



気がつくと、どんどん人気の少ない方向へ。

ぼくしってる

これ、人がいないところに連れ込まれて金品や荷物を根こそぎ奪われるやつ。

うわー、やばいところ来ちゃったぞ!


「大丈夫、ノープロブレムだ!」


いや、犯罪者はみんなそう言うんだよ……。

話を聞いてみるとさっきの警察署に勤めているようで、同僚の写真などを見せてくれた。

いやいや、肝心な自分の身分証を持ってないか見せられないのはかえって怪しすぎるだろ……。

「今は休憩中」と言われたけどその話も嘘なのでは?



いつ襲われるかとビビりながら歩くと海岸に出た。

開けた場所だし、最悪走って逃げられそうなので、いきなり連れ込まれて拉致られるということはなさそうか?



そして、川沿いに到着。

「あそこにあるぞ、見えるか?」



おおおおおお……!?



鉄道橋の遺構あったああああ!!!!



同じ場所ではなさそうだが古写真と似たような橋脚じゃないか!



場所はこのあたりとなり航空写真からも橋脚の残骸が確認できる。

近くにサイダ・サルメ王女Sayyida Salmeの邸宅をゲストハウスにしたというHouse of RoyalsにAirbnbで泊まれるらしいのでここに滞在するのも面白そうである。周辺は王族の豪邸の廃墟らしき残骸をいくつか見ることができる。


幸いなことに、警察署まで襲われることなく無事帰ることができた。ザンジバル人は優しいな!まったく調べずノープランでもなんとかなるもんだ。

チップの相場はさっぱりわからなかったが自称警察官の男に10000シリングともう1人手伝ってくれた人にも5000シリングだったかチップを渡して笑顔で別れることができた。

今は鉄道のないザンジバル島でかつての風景を想像する鉄道観光を楽しむことができ大満足である。


その他、ザンジバル島の観光スポット

スルタンのパレス(Kibweni Palace)


スルタンのパレス(Kibweni Palace)。

ストーンタウンとブブブの途中で立ち寄った観光地。ザンジバルはポルトガルの後にオマーンに侵略されていたのでイスラムの王宮が残っている。本当は「地球の歩き方」に載っていた廃墟化したスルタンのハーレム(Maruhibi Palace)に行こうとして間違ってたどり着いたのがこの建物だった。

Google MapsだとSultan’s Palastと表記されており、Maps.meだとSultan’s Palace。検索して調べると建物名はキブウェニ・パレスKibweni Palaceのようだ。Zanzibar TourismのFacebookを見ると2022年3月にオープンしたばかりの史跡らしい。

元々行こうとしたスルタンのハーレムは、Google Mapsだとストーンタウンから3.5km北に行ったMaruhubi Historical Sitesで、近くにMtoni Palace Ruinsという別の遺跡もあるようだ。



王の寝室。右側は妻と仲良くするための2人掛けソファらしい。

妻が4人で子供が9人いたという話で他に妻や子供のベッドルームなどを見学。

入場料は5USDでシリング払いも可能。アフリカは1人でも専任のガイドがつくケースが多く、新人女性と教育係として国かザンジバル政府の役人の2人が案内してくれた。

ツアーが終わった後は、役人から庭に生えているレモングラスの匂いを嗅がせてもらって「スパイスツアーに行かないか?」と誘われたがあまり時間がなかったので断った。身分証明書も見せてもらったけど、役人が仕事中に勝手に外国人を案内して小銭稼ぐタンザニアないしザンジバルは腐りすぎだだろう。

アフリカはどこの国もだいたい上から下まで国民全部が腐ってるから街はゴミだらけおしっこの臭いだらけになるんだと実感できた。


ストーンタウンを徒歩で観光


バス停のすぐ近くにあるマーケット。

ブブブから戻った後は16:15分のフェリーまでストーンタウンを徒歩で普通に観光。




奴隷市場の跡地に建てられた教会とモニュメント。

ザンジバルはムスリム商人による奴隷貿易の拠点で、イギリスによって奴隷制度が禁止されるまで栄えた。

博物館館内では、ザンジバル王国の王位継承を巡って1986年に発生するも、わずか45分で終結し「史上最短の戦争」と言われるイギリス・ザンジバル戦争についての説明もあり、奴隷解放にイギリス海軍が貢献していた事実を知ってなかなか面白かった。



ストーンタウン内にある日本人娼婦「からゆきさん」が住んでいた住居。

この反対側を向いた角地に彼女たちが営んだバーがあっという。シンガポールでもからゆきさんの墓などを見たことがあるので、こんなアフリカまで来ていた事実に衝撃。



ポルトガル時代の砲台だと思う。




オールド・アラブ要塞と中に入っているティンガティンガ絵画の工房兼ギャラリー。

ポルトガル居住地の跡地に建てられたもので、1754年に破壊され、現在は観光案内所、レストラン、土産物屋が入っている。



パレス博物館。

コロナ禍に乗じて改装しているのか知らないが、パレス博物館、驚嘆の家、ザンジバル博物館、旧英国領事館などがことごとく閉鎖していた。



ハマムニ・バス(Hamamni Persian Baths)

1870年頃に金持ちや王族が利用したスーパー銭湯で、泉の周りの小劇場、マッサージルーム、シャワー、大浴場、プール、ラウンジなどが揃い日本人としてはたまらない展示。ガイドツアー形式で案内してもらって屋上にも上がれる。

「地球の歩き方」にも載っておらず日本語で検索してもほとんど情報が出てこなかったが、ザンジバル島ストーンタウンの観光スポットではダントツでオススメである。博物館が営業休止すぎてフェリーの時間までやることがないと思ってたものの、ここでちょうどよく時間を有意義に過ごすことができた。

こんな感じでダル・エス・サラームからフェリーで日帰りし、ダラダラと徒歩でブブブの鉄道遺構とストーンタウンを満喫。ザンジバル島はキリマンジャロと並ぶタンザニアの観光拠点ながら日本語の観光情報が少なく、機動戦士ガンダムのジオン公国の巡洋艦ザンジバルで名前しか知らなかったので、次に2人以上で行く機会があればゆっくり周ってみたい。

最後に、アフリカで見知らぬおっさんについていくのは命の保証がないから絶対にやめよう!


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