旧呉鎮守府庁舎
2014年6月29日に艦隊これくしょんオンリー「砲雷撃戦!よーい!10」が広島県江田島市の海友舎で開催。スタンプラリーや呉空襲&陸奥記念館ツアーも行われるようで、よい機会なので実際に訪れて歴史を知り考えるきっかけになればと冬コミ新刊で取り上げた呉と江田島周辺の太平洋戦争関連史跡と近代遺産をまとめて紹介。
呉駅周辺
大和ミュージアム
1/10スケール戦艦大和や金剛のボイラー、陸奥の41センチ主砲などのある呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム。
・艦これオンリーやる大和ミュージアムってどんなとこなの?
・呉の艦これオンリー 地方なのに混みすぎだろ!でも楽しかった!
2013年11月24日に艦隊これくしょんオンリー即売会「砲雷撃戦!よーい!5戦目!」が開催された場所でもある。
海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館
大和ミュージアムの隣にある海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館。
太平洋戦争末期に米軍が設置した機雷についての展示や伊400の双眼鏡などがある。退役した潜水艦「あきしお」にも入れる。
・自衛隊についに男の娘キャラが登場!今日も日本は平和です
詳しくはこちらで。
旧海軍工廠周辺
入船山記念館
旧呉鎮守府司令長官官舎や移設された旧東郷家住宅離れなどが見られる入船山記念館。
洋館部分の復元された金唐紙が見どころ。
初代鎮守府のレンガを用いた切符売場や旧呉海軍工廠時計塔などはわかりやすいが、ここで見逃しがちなのが、長官庁舎の裏にある海軍水道防火線栓。呉に水道が普及していない時代に海軍工廠へ引き込んだ水道が長官庁舎にもきていたことを示している。
旧下士卒集会所
鉄筋コンクリート製なので素通りしがちだが、入船山記念館の手前にかつての下士卒集会所と現在は海上自衛隊音楽隊が使用する旧桜松館がある。
旧呉鎮守府庁舎(自衛隊呉地方総監部庁舎)
赤レンガの旧呉鎮守府庁舎が残る海上自衛隊呉地方総監部庁舎。
現在一般で公開されて簡単に見られる施設で「鎮守府っぽい!」風景が見られる唯一の場所。毎週日曜公開で2014年4月6日から10:30から11:30、13:00から14:00と午後の時間が変更に。開始早々に行くと集まった人で混んでるので次の回のツアーを待つと空いていてゆっくり見られた。
見逃しがちなポイントを紹介すると、天皇陛下のために用意された階段の隣に巨大な地下司令部の構造物、庁舎の裏に地下防空指揮所への入口がある。
歴史の見える丘
南の方へ行くと歴史の見える丘に造船船渠記念碑や「噫(ああ)戦艦大和之塔」、歩道橋から旧海軍工廠で戦艦・大和を建造したドックは埋め立てられたが上屋の骨組みが現在も残っている。隣の第3ドック、第4ドックは健在で自衛隊の艦船が修理してたりする。
造船部庁舎、工場
(1)呉海軍工廠造船部庁舎。
(2)造機部長舎。
(3)造船部工場。
(4)造船部工場。
IHIの敷地内に旧海軍工廠の庁舎や工場だった建物が多数残っている。ナンバリングは以下の地図に対応。
旧電気部工場
旧電気部工場(現: 淀川製鋼所第2工場)。
呉一体の鎮守府や海軍工廠の建物の並びは大和ミュージアムで見ることができる。呉海軍工廠では48センチ砲の実験もやってたなんて展示も。
串山防空監視所
工廠神社跡には太平洋戦争末期の呉空襲に備えた串山防空監視所が。
埋められて入れないが地下工場のトンネルが何本もあったとか。
港湾監視所
トーチカ上の港湾監視所。
電気部電気機械実験室
港湾監視所から坂を下るところにある電気部電気機械実験室の建物。
アレイからすこじま
海上自衛隊の潜水艦や護衛艦が多数停泊するアレイからすこじまには、魚雷積込クレーンと旧潜水艦桟橋に運搬用トロッコのレールが残されている。
この近くに海上自衛隊呉基地があり毎週日曜に艦船の見学も行っている。
旧海軍造兵廠予備艦兵器庫並預兵器庫
アレイからすこじまの通りを挟んだ反対側が旧海軍造兵廠予備艦兵器庫並預兵器庫と水雷調整室の赤レンガ倉庫。
左から二番目は戦後建てられたもので該当しない。
アレイからすこじまやフェリーから見える遺構
大麗女島地下特潜工場
元々、燃料置場でそのトンネルを利用して特攻兵器となった特殊潜航艇・甲標的丁型(蛟龍)を製造するために作られた大麗女(おおうるめ)島地下特潜工場。アレイからすこじまから坑道の入口が見える。現在は海上自衛隊弾薬庫。
戦後、蛟龍などの特殊潜航艇が大和建造ドックに集められた有名な写真。
ただし、大麗女地下特潜工場は1945年5月5日から終戦までに5~6隻しか作ってないとか。
潜水学校
アレイからすこじまからも見える現在の海上保安大学校は1942年まで潜水学校があった。フェリーの写っているあたりの赤レンガ倉庫は海軍工廠砲熕部火工場機械室で、現在は海上保安大学校煉瓦ホールとなってイベント時に入れるようだ。
倉橋島・江田島
P基地
倉橋島に入って、艦これの北上に載せると最強の特殊潜航艇・甲標的の開発生産を行い、北上が載せたくない人間魚雷・回天も開発したとされるP基地。
広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターの敷地内にあり外からかろうじて赤レンガの建物が見られた。
中央付近の円柱っぽいコンクリートが揚げ降ろしに使ったガントリークレーンの支柱。
P基地の近くの波多見八幡山神社に「嗚呼特殊潜航艇の碑」がある。
ふるさと交流館
江田島に入り、海上自衛隊第一術科学校近くで観光案内所や売店になっているふるさと交流館。
戦艦・日向で発行された日向新聞や陸奥から見つかった遺品などが展示されている。
旧江田島下士卒集会所(海友舎)
ふるさと交流館から一本入るとある旧江田島下士卒集会所が艦これオンリー「砲雷撃戦!よーい!10戦目!」の会場。
普段は非公開で現在はぐるぐる海友舎プロジェクトが管理しており事前に連絡すれば中が見られるかも。
海軍兵学校(海上自衛隊第一術科学校)
旧呉鎮守府庁舎と並んで赤レンガが美しすぎる海軍兵学校(海上自衛隊第1術科学校)。
ドラマ「坂の上の雲」ロケやかわぐちかいじ氏の「ジパング」にも出てきてるっぽい?ツアー方式で各回が始まる前に受付を済ませる必要がある。陸奥の41センチ連装主砲塔、雪風の主錨、榛名がヘンダーソン飛行場を砲撃した一式徹甲弾などが見られるが、主砲塔あたりは海沿いでバカが落ちそうになったせいでツアーのルートからは外されたというお話を案内して下さった方から聞いた。最終回以外でツアーが終わった後に交渉次第で回れる可能性があるとか。
大須山防空砲台
呉、江田島、宮島には多数の砲台跡があり広島湾要塞を構成していた。三高山砲台や高烏砲台など陸軍要塞で、1919年に一度廃止され、太平洋戦争期になると再利用して空襲に備えた高角砲や探照灯台が置かれた。江田島の大須山防空砲台は大戦期に海軍が建設したもの。
艦これの装備にもなっている12.7センチ連装高角砲の台座やレンガ兵舎の跡が見られる。
軍艦利根資料館
重巡洋艦・利根が呉空襲で大破着底した隣で慰霊碑や遺品が展示する軍艦利根資料館。入館無料。
・利根の錨、舵、お風呂も!大破着底した目の前に建つ軍艦利根資料館
軍艦利根資料館の詳細はこちらで紹介。
三子島材料置場
倉橋島の北付近にある三子島は海軍の資材貯蔵施設で、伝染病予防のため伝染病舎や消毒所もあった。
呉軍港空襲で接岸していた空母天城と葛城が大破着底した。また、ミッドウェー海戦や爆沈した戦艦陸奥の乗員を秘密保持のため隔離したことでも知られる。
現在は工業塩の山で真っ白となり、当時の建物の残骸はほとんどなくなってしまった。
陸奥記念館
大爆発して沈没した戦艦・陸奥の引き上げが行われた場所に陸奥記念館が建てられている。山口県の周防大島にあり広島県から行くにはめっちゃ遠い岩国回りで行くか船をチャーターしないといけない。
陸奥記念館についてはこちらで詳細を紹介。
マップ
このように呉・江田島周辺では広範囲で帝国海軍の一大拠点として栄えた軍都としての姿を見ることができる。
今回の記事は陸奥記念館以外は艦これ鎮守府史跡探訪本「提督の辿り着く場所」から抜粋して紹介。また、戦争遺跡については呉・江田島・広島 戦争遺跡ガイドブックがかなり参考になった。
なお、海軍墓地、青葉や榛名の慰霊碑もあるが、あくまで戦没者のための慰霊碑なのでこちらでは紹介していない(参考: 英霊顕彰・慰霊: 日本会議広島)。また、私有地、自衛隊、墓地などでは不審な行動など取らないよう呉呉も常識的な行動を。
お知らせ・サークル
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