香港の香港上海銀行(The Hongkong and Shanghai Banking)で銀行口座を開設してきた。
日本国外にあるアニメやゲームの舞台や第二次世界大戦の戦跡を巡って記事や同人誌を書いたり、海外の同人イベントに出展するようになってずいぶん経ったが、日本を回っていた頃と比べると旅費交通費がどんどん増えてしまって「このままではまずい!」
「そうだ、海外で投資してお金を増やせばいいんじゃね?」
海外を巡るついでに現地で銀行口座を開設、沈みゆく国の日本よりハイリターンな株や定期預金でお金を増やして旅費を捻出すれば永久機関が完成するぞ!
いろいろ調べてみたら、日本のすぐ近くにはタックスヘイブンでオフショア投資ができる香港があるじゃないか!※投資の利益に香港の税金はかかりませんが日本で確定申告する必要はあります
そんな甘い考えで、LCC(格安航空)の香港エクスプレスに乗って香港へ向かった。
Contents
HSBC口座開設に必要なもの
HSBC口座の基礎知識
HSBCの口座の種類- Personal Integrated(1万HKD以上)
- Advance(20万HKD以上)
- Premier(100万HKD以上)
100万HKD以上のプレミア口座にすれば、年会費無料でブラックカードを作ったり、海外送金やATMの手数料が無料になるらしいので、いつかなってみたいものだ。
香港の銀行口座開設に必須のもの
- パスポート
- マイナンバー
- 国際免許証(住所証明)
- メールアドレスと日本の携帯電話番号
英文の住所証明として日本在住なら国際免許証が必須。国際免許証はあくまで英語などで翻訳しただけのもので、原本である日本の免許証を一緒に持ってないといけないが、日本の免許証を海外で一度も見せろと言われたことがないので、銀行口座開設でもなくても問題ないと思う。念の為持っていったけど。
香港の銀行口座開設にあるといいもの
- 英文の銀行残高証明書
- 日本の収入証明書(給与明細など)
- 投資実績を証明できるもの
- 名刺
HSBCの支店を訪問
HSBC尖沙咀店
必要なものを揃えていざ香港へ。HSBCの支店がいくつかある中心街の尖沙咀へ。日本人が口座を開設するのに有名な尖沙咀店やオーシャンセンター店などが徒歩圏内にある。
入口で門前払いに!香港人はドS
HSBCの支店に入口から入り、受付の機械で整理券番号を取ろうとしたら、お姉さん「あなた何しに来たの?」
かずぴー「アドバンス口座を開設したいのですが……」
お姉さん「香港に住所や仕事はあるの?旅行者なら口座なんていらないでしょ!」
こんな感じで、英語で一方的にまくしたてられほとんど聞き取れなかったが、お姉さんが口座を開設させたくなさそうな意思はビンビン伝わってきた。ここは戦略的撤退だ!
香港人は日本人から見たらはるかに上昇志向が強く、社畜なんて概念はなくキャリアアップのために平気で仕事をやめて転職するし、飲食店では手を上げて店員と目があったのに無視されることもあってドSが多い!
いや、優しい人も多いのだけど外っ面はツンしかない人が多いというか。
めんどくさそうな客が来たと思われたのかぞんざいな扱いを受けてしまったが、そんな時は素直に諦めて次のお店に行こう!
住所証明は国際免許証のみで英文残高証明はNG
別の支店に到達し、気を入れ直して行内に入る。かずぴー「アドバンス口座を作りたいです。外国人です」
お兄さん「パスポートとアドレスプルーフ(住所証明)は持ってる?整理券を取って待っててね」
よかった、優しい人だ!
しばらくして音声で呼び出される。壁の電光掲示板にも数字が出るから英語を聞き漏らしても大丈夫。
別のお兄さん「残高証明書が手書きだと偽造に見えるから印字してね」
聞いてねえよ!
住所証明書として英文残高証明を選択し、ゆうちょ銀行が510円で一番安そうだったので発行したのだが、手書きだと不可になるとは思わなかった!ハンコを2つも押してあるし、デジタルの時代だと逆に手書きの方が偽造しにくそうなもんだけど。
後述の中国銀行(香港)なども含めていくつか銀行を回ってみたが、住所証明書としては認められないと言われて断られ続ける!この時の渡航では仕方なく諦めた。
次の渡航で三菱東京UFJ銀行とゆうちょ銀行の英文残高証明を1枚ずつ用意したので、これでもう大丈夫だろう!と再びHSBCへ。
お姉さん「残高証明書は住所証明書として使えません」
マジかよ!
英語で面接した後に担当行員が上司に聞きに行く段階で英文残高証明書は住所証明書としては使えないと言われ、またも敗北!
どうやら、英語で公共料金の支払い証明などが発行されない日本だと国際免許証以外は住所証明書としては認めてくれないようだ。HSBCとスタンダードチャータード銀行をいくつか回ったが、どこの支店も同じで断られてしまった。
国際免許証は2350円かかるので、ケチって英文残高証明にこだわったばかりに、かえって費用がかかり円安も進んで大損になってしまった!
運転免許証がない人はどうすればいいのかね。韓国なら安く作れるらしいので英語で受講して取得し、日本で切り替えるしかないのかな。
ついにAdvance口座の開設に成功なるか!?
HSBC沙田プラザ店
国際免許証を発行して3度目の挑戦。入口で門前払いされる確率を少しでも減らすため、いつもの乞食旅行者スタイルじゃなくてお金持ってそうに見えるようワイシャツを着てきたぞ!日本人が多い尖沙咀じゃなくて、深センまでの途中にあり逆張りで日本人のいなさそうな沙田まで来た。
担当は30代くらいのお姉さんで英語も聞き取りやすい!これはイケる!
英語面接でよく聞かれる質問
整理券と一緒に渡される口座開設についての紙で、質問事項のところ。
よくある質問と返答例
- 口座を開設する目的は? → 投資です
- なぜ香港で開設するの? → 日本より高利回りの株を買いたいです
- 何に投資するの? → ○○の香港株を買いたいです
- いくら預けるの? → 30万HKDです(20万だとギリギリなので少ないと言われることも)
- 日本での収入は? → 月○○万円です
- 年に何回香港に来る? → 年○回です
香港市場では配当6%もあるHSBCなどの銀行株や、運賃の値上げや駅近不動産で若者からお金を搾り取り株価が右肩上がりの鬼畜MTR(香港地下鉄)などの交通株に投資したかったのでそのように答えた。もっとも、HSBCやMTRは日本の証券会社からでも買えるのだが細かいことは気にしない!
英語面接で問題ないと判断されたら、行員が上司のところにいって口座開設が認められるかが決まる。その後、個人情報を入力するので以下のようなことを聞かれる。
- 名前、生年月日、国籍などの個人情報
- 今の住所に何年住んでいるか
- 結婚してるか独身か
- 業種、職種、勤続年数
- 納税者番号(TIN: Taxplayer Identification Number)
見せた書類は全部Thinkpadタブレットで撮影して保存してたのだが、マイナンバーカードをさして「これは何?保険証?」と聞かれた時はすげえ返答に困った。お姉さんは臓器提供意思表示欄の漢字を見て保険証に見えたっぽいのだが、マイナンバーカードっていったい何なのか。現状は政府が税金逃れを防ぐためだけのクソカードやんか!
投資用口座開設とインターネットバンキングは銀行口座を作るのとは別に手続きがいるので、もし忘れられてたらきちんと頼もう。
HSBC Online Form
(1) HSBC口座開設 英会話練習 – YouTube
HSBC口座開設 英会話練習のYouTube動画を10回くらい見て勉強したけど、2019年1~2月に3回渡航したので合計20回くらい見てほぼ覚えてしまった!
ゆっくり話してもらったり単語をつなげただけのクソ英語でも意思疎通がちゃんとできれば問題ない。後は優しい行員にあたるかどうかの運ゲーだ。
パスコードの設定を自分で行う
最後に、現金で香港ドル、日本円、米ドルなどを持っている場合は、最後にAdvance用の窓口に案内されたのでそこで入金した。ピンク色の封筒に6桁のパスコードが印字された紙が入っているので、全て終わった後に自分でATMにキャッシュカードとパスコードを入れてし、設定で自分の好きなパスコードに変更する。ATMにも種類がありお金を引き出すことしかできない端末もあるので注意。
そして、家に帰ってからユーザーネーム、パスワード、秘密の質問などネットバンキングの設定を行って終了。HSBCのスマホアプリ「HSBC HK」もあるので外で見るのに便利。ただし、投資用のアプリ「Easy Invest」は香港のApple IDを作らないとダウンロードできなかった。
ちなみに、HSBCの金融機関コードは004、支店コードはキャッシュカードの最初の3桁と同じ。あとで送金時に使う可能性があるので把握しよう。
中国銀行(香港)やスタンダードチャータードで作る
もしHSBCで口座開設を断られても他に銀行はたくさんある。
中国銀行(香港)は地下鉄(MTR)の駅にだいたいあるので便利。中国銀行(香港)は香港人いわく簡単に口座が作れることで有名らしい。国際免許証を作る前に訪問した時は銀行の残高証明しかなくて上司の許可はでなかったが、若い行員が優しく対応してくれた。
スタンダードチャータード銀行は香港で業界4位、HSBCと中国銀行(香港)と並んで香港の紙幣発行を担う格式高い老舗だが、ATMはあまり見かけない。そのかわりにプライオリティ口座を作れれば年会費無料のブラックカードにプライオリティパスがついてくるようなのでお得かも。
中国銀行(香港)口座
- i-Free(1万HKD以上)
- Enrich(20万HKD以上)
- Wealth Management(100万HKD以上)
スタンダードチャータード銀行の口座
- Easy Banking Bonus Pack(1万HKD以上)
- Premium Banking(20万HKD以上)
- Priority Banking(100万HKD以上)
HSBCの使い勝手
地下鉄に多い恒生銀行ATMも無料で使える
ついにHSBC アドバンス口座を手に入れた!
HSBCのATMは街中で意外にもあまり見かけないだが、HSBCグループで傘下の恒生銀行のATMはMTRの駅に多くて手数料無料でお金の出し入れができるのでとても便利。香港国際空港にはHSBCと中国銀行(香港)のATMがたくさんある。
キャッシュカードは銀聯デビットとして決済できる
HSBCのキャッシュカードはデビットカードになっていて銀聯カードとして使える。銀聯カード対応ATMなら日本など香港外で現地通貨を引き出すことも可能。まだ試せていないがコンビニの支払いでEPSという決済システムも使えるようだ。@Chitanda_Akemiによると、買い物するついでに100~500HKDを引き出せるサービスのようです。
トランスファーワイズで日本からHSBCに300万円送金
HSBCアドバンス口座を作成した後は、日本の銀行口座からHSBCに日本円を香港ドルにして送金する。もし投資に興味がなく口座がほしいだけなら、最初の3ヶ月は口座手数料が無料なので、その間にAdvance口座から一番下のPersonal Integratedに変更して1万HKD以上預けるという裏技的方法もある。
しかし、今回は海外投資でお金を増やすのが目的なのでAdvanceのまま口座を維持するので20万HKD以上の資産をHSBCに置く必要があった。
銀行などの送金手数料をいろいろ調べたが、通貨を買いたい人と売りたい人をマッチングさせる仕組みで手数料を大幅に下げるトランスファーワイズを使うと一番安かった。手数料は日本円→香港ドルは0.7%くらいで100万円につき6700円くらい。
100万円を3回送金するのに約2万円かかり、HSBCに入ったお金は約21万HKDになった。そして、試しに買った香港株が1ヶ月で10万円くらい値上がりしてすぐプラスになったので実にいい感じだ!
がんばってお金を5倍に増やしてプレミア口座にするぞ!
これが株価暴落で無一文になるフラグであった。
ちなみに、株で儲かった分は5月にトランプのせいで全部吹き飛びました……。
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