林田神社。
台湾東部の花蓮から台東を結ぶ台湾鉄路の東部幹線・台東線は少し内陸に入っていく。台湾東部は人口が集中する西部と比べると中国大陸から移住する人がほとんどおらず主に日本統治時代から開発が行われ、当時の木造家屋や工場などが数多く残されている。花蓮から南へ30分くらいの鳳林には神社跡やタバコ乾燥小屋があると聞いたので行ってみることに。
花蓮から鳳林へ
台湾東部の花蓮で日本統治時代の鉄道遺産と日本陸軍関連施設を巡る
松園別館。台湾東部最大の都市で、景勝地のタロコ渓谷の入口としても有名な花蓮。駅前で自転車を借りて、日本統治時代から残る鉄道文化遺産や日本陸軍関連施設を巡った。
台東線のほとんどは単線で鳳林駅では列車交換が行われる。
花蓮と鳳林の間には豊田駅があり、こちらも日本統治時代の建物が多く残されているらしいのだが、列車の本数が少なくて今回は諦めてしまった。時刻表からは分かりづらいが、鳳林駅から折り返せば列車の選択肢が増えることに気がついたので、次の機会があれば豊田駅も行こう。
鳳林駅から中央山脈を臨む景色は雄大でいいな!
自転車を借りて駅周辺を探索
駅を出て2本目の道路を左に曲がるとレンタサイクルがある。
自転車はあるけどお店が閉まっているー!
これは、困った!と思ったら、隣の床屋と兼業らしく、そこでアピールしたらGIANTのマウンテンバイクを借りることができた。
営業時間はたぶん8-20時で1日300元、今回は3時間で200元だったかな?Google Mapsだと「明星理髪、脚踏車出租店」で掲載されている。自転車のカギはなしで大丈夫というのが台湾の地方っぽい!
鳳林駅前を進んでいくと旧型客車が。
鳳林校長夢工廠。
鳳林市長長官舎で地域の文化資料館になっているらしいのだが、残念ながら月曜定休で開いていなかった。
鳳林鎮客家文物館。
こちらも月曜定休!
トラックでラッパを演奏する隊列。
にぎやかな曲を流す霊柩車が通り過ぎた後にこのようなものを見たのだけど、これが台湾流のお葬式なのか。
旧林田村の林田神社跡
鳳林駅周辺の史跡はこのようになっている。
駅から東に向かって中和路を通り、途中で復興路を北進すると旧林田村のエリアとなる。
箭瑛大橋の看板が見えたら左折する。
一面の田んぼが広がり奥には中央山脈がそびえる。
なんとなく日本の原風景っぽいぞ!
林田神社。
1914年に建てられ、2014年に再建されたようで、入口には「世紀鳳林百年林田紀念碑」が建てられていた。
こじんまりとした社殿後。
隣の敷地には当時のコンクリート残骸がドカっと置かれてとってもワイルド。
燈篭の「燈」と漢字が読める塊もあった。
防火水槽かな?
タバコ乾燥小屋「菸楼」
林金城菸楼。
どう見ても民家で「敷地内に入って本当に大丈夫なのか?」と地図通りに恐る恐る入っていく。
日本からこの辺りの林田村に移民した人たちはタバコ産業を生業とし、タバコ乾燥小屋の「菸楼(yan lou)」が数多く残っている。
葉を燻すための小屋を覗いてみるとこんな感じ。
上の方にタバコの葉を吊るして燻す空間が広がっていた。半地下には窯があり、最上部は煙突になっている。
客圧移民村警察庁。
きれいに補修されているが、ガラス越しに中を覗いてみると、天井か窓から蔦が侵入して大変なことになってた!
廖快菸楼。
カフェを併設して観光地化されているようだけど、月曜日の昼は誰もおらず。
半地下に火をくべる窯が見えた。
菸楼は大阪式と広島式の2種類あるみたい。
お好み焼きかよ。
大阪式は2階部分の凸状が煙を逃がす構造になっていて、広島式は2階屋根に直接排気口がついているという違いがあるらしい。ただし、鳳林の菸楼はほとんど大阪式しかないようだ。
オフライン地図アプリのmaps.meを開くと菸楼がいくつも載っているので、それを頼りにそれっぽい日本っぽい建物を見ていく。
これがもしかして広島式かな?
どう見ても現役の民家なので、カメラを見せてアピールし写真を撮らせてもらう。
大栄国民小学校日式宿舎。
教師の宿舎だったらしいが、補修される前なのか荒れ放題。
すばらしい廃墟でございました。
徐家興菸楼・余相来菸楼
徐家興菸楼。
余相来菸楼。
鳳林駅から少し離れて中和路に近いエリアにも史跡があり、両方とも大阪式を戦後に改装したもののようだ。
東を向くと海沿いの海岸山脈。
日本だとタバコ乾燥小屋やベーハ小屋と呼ばれて香川県などに現存しているらしいので、機会があれば見てみたい。
鳳林は日本からはほとんど失われてしまった様式の木造家屋が廃墟も含めて数多く残っており、電線もなく田んぼと山脈が続く日本の原風景のような景色を堪能できる。
鳳林の滞在は約2時間で、自転車を返却した後は11:33発のプユマ号に乗って台東方面へ向かった。
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今回の旅で回った台湾。
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