「なかなかの絶景だ!」飯坂温泉日帰りきっぷと無料レンタサイクルで廃墟の温泉旅館を巡る【福島交通/阿武隈急行乗りつぶし】


福島交通飯坂線と阿武隈急行線を乗り潰すためにフリーきっぷを使って飯坂(いいざか)温泉を訪問し廃墟の旅館を巡ってみたら、ほとんどお金をかけずになかなか充実した体験ができた。


1500円 福島交通+阿武隈急行「飯坂温泉日帰りきっぷ」


福島駅から奥州三名湯で松尾芭蕉も立ち寄った飯坂温泉を結ぶ飯坂線。この福島交通には800円で飯坂線1日フリー乗車券+共同浴場有翼券「1日フリーきっぷ」や、1000円で飯坂線1日乗り放題+入浴券+福島片岡鶴太郎美術庭園割引券「飯坂温泉湯ったり切符」などいくつか割引きっぷがある。

今回は福島駅を発着する福島交通と阿武隈急行の1日乗り放題と飯坂温泉入浴券で1500円となる「飯坂温泉日帰りきっぷ」を福島駅で購入した。



「飯坂温泉日帰りきっぷ」は飯山線と阿武隈急行線が1日乗り放題となり、訪問時は飯坂温泉にある19の温泉旅館で日帰り入浴が1回可能だった。

福島-飯坂温泉が片道370円、福島-槻木が片道990円となるので、福島から飯坂温泉を往復し、阿武隈急行線で仙台方面へ片道乗り通すと1730円となる。日帰り温泉が400~1000円くらいとすると、合計2000円を超えるので余裕で元を取ることができる


飯坂温泉駅で無料のレンタサイクルを借りる

無料のももりんレンタサイクル


福島交通飯坂線で飯坂温泉駅に到着後、レンタル料無料の「ももりんレンタサイクル」なるものが存在することに気がついた。

利用時間は午前9時から19時までで、仮に飯坂温泉に泊まるとしても当日中に返却する必要がある。

レンタサイクルは飯坂温泉駅の改札内にあり、窓口で個人情報を提出して借りることになる。

ちなみに、福島駅にも同様のレンタサイクルがあり、令和3年4月20日から「MOMORINシェアサイクル」という名前に変わっているようだが、飯坂温泉は「ももりんレンタサイクル」のままだった。


300円の福島交通電動レンタサイクル


飯坂温泉駅にはもう1つ、電動レンタサイクルがあり、こちらは福島交通がやっているようだ。

利用時間は同様午前9時から19時まで、さすがに電動自転車は有料で4時間300円となる。




どちらにするか迷うな。


俺は飯坂真尋ラッピング自転車を選ぶぜ!


なんか、どちらのレンタサイクルもキャラが描かれた残念な自転車があったので「ももりん」にするか電動自転車するか迷ったが、いずれも温泉むすめの飯坂真尋というキャラであることに気がついたので無料の「ももりんレンタサイクル」をチョイスした。



後輪のラッピングと鍵のリングロックが干渉してウザイ、以外は特に問題なかった。



女の子のキャラがデカデカと描かれた残念な自転車で温泉街をめぐる恥ずかしさはプライスレスである……。

ちなみに、新しい自転車を選ぶと強制的に飯坂真尋になる。


廃墟の温泉建物をめぐろう!


それでは早速、自転車で飯坂温泉をめぐっていこう。





飯坂温泉駅から摺上川を上流に向かって緩やかな坂を上っていくと、このように廃業または休業中で廃墟となっている温泉旅館がたくさん見つかる。






営業を停止し廃墟となった後も、温泉旅館の客室の設備が残ったまま朽ちていく姿はとてもよいではないか。



温泉旅館の建物撤去済みで駐車場になったものかな?




まだきれいな温泉旅館で閉館しているものもあった。

調べたらこの「みちのく荘」の閉館は2020年9月30日だったので、新型コロナウイルスの需要落ち込みで潰れてしまったのだろう。廃墟が見たくて飯坂温泉まで来たわけだけど、経営者と従業員やその家族のことを思うととても胸が痛む。



飯坂温泉でたぶん一番大きい廃墟「プラザホテル吾妻」。



もしかしたら、温泉むすめの飯坂真尋はこの宿の元従業員で失業後はこうして身体を売って稼ぐしかないのかもしれない。再就職先のスマホアプリ「温泉むすめ -ゆのはなこれくしょん-」もサービス終了したし。



めっちゃボロボロなので「これも廃墟なのかな……」と思ってよく見ると老人ホームなどの高齢者施設に転身して現役の建物もあって更に驚く。

廃墟とそうでない温泉旅館の区別がつきにくく混在しているところも飯坂温泉の魅力の1つと言えるのではないだろうか。



駅前にある飯坂温泉観光協会でめっちゃ失礼だと思いつつも「温泉旅館の廃墟を教えてください!」と聞いたら、若干困惑しつつも地図に赤丸をつけて丁寧に場所を教えてくれました。本当にお世話になりました!


温泉むすめ 飯坂真尋

飯坂真尋で染まる温泉街








「暑いぜ、飯坂!!」

飯坂温泉観光協会や飯坂温泉の街中はこのようになっている。温泉むすめがリリースされてからまともに温泉街を回るのは初めてで、運営がゴリ押しで設置したのかと思ったら飯坂真尋についてはそれなりに古い温泉街に溶け込んでいるようであった。


飯坂真尋熱湯スタンプラリー


飯坂温泉観光協会では「帰ってきた熱湯スタンプラリー」というのも開催していた(写真左)。

飯坂温泉名物の熱湯風呂をめぐって先着500名に限定真尋ちゃんグッズ(うちわ?)がもらえるというもの。

200~300円の飯坂町財産区公衆浴場と福島市公衆浴場に1つずつ入って、対象店舗で買い物をする必要がある。飯坂温泉駅の建物に入っている八百屋できゅうり1本とかでも対象になると思うのでハードルはそれほど高くない。福島産のモモが見切り100円で売られていたのを帰りに買おうと思ったらなくなっていたのでとても後悔した。


飯坂温泉の文化財を見る


入場無料の旧堀切邸



国登録有形文化財のなかむらや旅館

「飯坂温泉日帰りきっぷ」で無料で入浴できるが、残念ながら休業中だった。



ほりえや旅館

こちらの温泉旅館も歴史があるらしいので入浴したら貸切状態だった。なかむらや旅館は日帰り入浴1000円だが、ほりえや旅館は400円で価格差が結構あるので、コストパフォーマンスを重視するなら なかむらや旅館に入れる日かどうか事前に確認しておこう。



なんかすごいことになってるな。

明治15年創業の老舗温泉旅館が飯坂真尋一色になっていた!



アッハイ。ガルパンもいいよね……。

話を聞いてみると、なんでも若旦那の趣味だとか……。

こういう若い経営者がいるなら飯坂温泉の未来はきっと明るいぞ!がんばれ飯坂温泉!


観光アプリで500円クーポンがもらえた


飯坂温泉を訪問した際は「ご当地なび」というアプリを登録すると個人情報と引き換えに500円相当のポイントがもらえるキャンペーンがやっていた。



旧堀切邸で税込540円の生あまざけを40円で購入することができた。

500ポイントもらえるのは先着2000人対象らしいもののほとんど利用されていないのか、端末の使い方がわかる若い店員を呼んで苦労しながら決済まで進めていたのが印象的だった。


無料自転車でおトクに廃墟観光ができる



とても東急ですね……。

  • 福島09:00 → 飯坂温泉09:25
  • 飯坂温泉13:00 → 福島13:23
飯坂温泉の滞在時間は3時間35分。この後は阿武隈急行線で槻木まで行き青春18きっぷで仙台を目指した。福島交通と阿武隈急行の1日乗り放題+日帰り入浴無料の「飯坂温泉日帰りきっぷ」、無料のレンタサイクル、500円クーポンなどを活用すると、短時間で密度濃く廃墟の温泉旅館、歴史建造物、飯坂真尋を満喫することができるぞ!

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