3年期限で失効する22.5万ANAマイルをサーチャージ無料の航空会社を駆使してコロナ禍のうちに使い切った!


日系航空会社ANAやJALのマイレージは通常取得から3年で失効してしまう。コロナ禍が始まった2020年時点で26万マイルくらいを所有しており、特例で期限延長を重ねていたものの、いずれ一気に期限がくることになるので少しずつ使っていかないとヤバいと判断。燃油サーチャージが不要の会社などをいろいろ選んで使い切るまでの奮闘を書き出してみた。地図はgcmapで作成。


ANA特典航空券でサーチャージ不要の航空会社

  • エアカナダ
  • ニュージーランド航空
  • シンガポール航空
  • スカンジナビア航空
  • エチオピア航空
日本発のANAスターアライアンス特典航空券でサーチャージがかからない航空会社一覧。

他に、最初の第一区間がブラジル発だとサーチャージがかからず、ちょっと検索した限りではユナイテッド航空やアビアンカ航空などで北米から南米へ行く旅程もサーチャージは取られないようだ。


2021年夏のヨーロッパでウクライナへ 6万マイル


HND-FRA-HEL/VIE-CPT-HND
60000マイルと399.85USD
米国で予約したのは法律により24時間以内のキャンセルと払い戻しが無料になるため。

この頃はまだサーチャージが死ぬほど高騰する前だったが、サーチャージが無料になるスカンジナビア航空のコペンハーゲンCPH→羽田HNDを1本入れ込んで費用を圧縮した。

コロナで各国の入国審査はどうなった?ワクチンパスポートでヨーロッパ14カ国を回ってきた
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ワクチンを2回打ってすぐにヨーロッパに逃げ、現地滞在18.5日で14カ国を巡るという今思うとめちゃくちゃな旅だった。ウクライナ、モルドバ、沿ドニエストル共和国をウクライナ戦争半年前に行くことができたので無理したのは結果的に正解となる。モルドバ到着の1週間前に国際列車が復活してくれなかったら実現できなかったので本当に運がよかった。

激安49ユーロ!オーストリアの首都ウィーンで帰国用の日本政府指定PCR検査陰性証明書を取得
日本でも7月末からようやくスタートしたワクチンパスポートを活用してヨーロッパ14カ国を周遊。日本に帰るため新型コロナウイルスのPCR検査陰性証明書を格安で取得してみた。 在オーストリア日本国大使館のリスト掲載のViroTr...
日本への帰国に必要なPCR検査はオーストリアだと49ユーロで受けられたため、復路はウィーン発として旅費を抑えることになった。

2022年に入ってウクライナ戦争が始まり、後で日程を動かす前提で2022年7月にとりあえず入れておいたHND→FRAとTPE→KIXは旅行需要回復でどうにも動かせなくなり、両便とも日時が変更になったので無料で払い戻しすることになった。特典航空券の第一区間を出発してしまえば、残り区間の日時を変更しても値上がりした分のサーチャージは払わなくていいのでちょっともったいなかったけど仕方ない。

払い戻しは141.55USDで円安が進行した分だけ得した。この特典航空券はウィーンVIEから4区間分が復路となり、そのうち半分の2区間を使わずに払い戻したため、60000÷2÷2 = 15000マイルが返還され、航空会社都合の日程変更でキャンセルして戻されたマイルの期限は3年に戻るため、15000マイルは期限延長されて得をした。


2022年2月 ANA最長路線 メキシコ直行便 4万マイル


ANA特典航空券で冬の閑散期に北米エリアを単純往復すると40000マイルになる。

この時のサーチャージは往復15400円で、合計の諸税は30070円だった。

メキシコを選んだのは、コロナ禍においてワクチン接種やPCR検査による陰性証明が一切必要ないフルオープンの国だからで、Webチェックインすると空港でチェックインカウンターに立ち寄らずに日本を出国できる唯一のANA路線だったからだ(日本人だと他にブリュッセルもできたらしい)。ANAの特典航空券ではメキシコは北米エリアにまとめられており、冬のメキシコはベストシーズンなので都合がよかった。

メキシコシティから先はユナイテッド航空の特典航空券を使って南米まで足を伸ばしたり中米エリアを陸路で回ることを真剣に計画していたが、中米エリアはメキシコの隣のベリーズが「政府指定のホテルに3日間隔離」など厳しいコロナ対策をしていることがわかり、無念ながらメキシコ内だけを周遊することになってしまった。幸いLCCが片道4000円くらいで乗れたので、チワワ太平洋鉄道へ行くなどそれなりに満足する滞在はできた。

帰国して両国のアパホテルに3日間強制隔離されている時にウクライナ戦争が始まり、テレビの映像を見てもにわかに真実とは思えず衝撃を受けた。その後、原油高となって年末あたりには燃油サーチャージが欧米片道58000円や49000円などという狂った価格になるわけだが、この当時はそんなことを予想もしていなかった。


2022年8月 エチオピア航空で限界のアフリカ 7万マイル


2022年夏頃になるとウクライナ戦争の影響でサーチャージが高騰して手がつけられなくなり、旅行需要回復によりヨーロッパの航空券も高止まりしてしまった。

悩んだ末に、サーチャージが不要のエチオピア航空に乗って未訪問のアフリカに行ってみることにした。



必要マイル数は70000マイル。ついでに、サーチャージが比較的安かったLOTポーランドで成田NRT→ワルシャワWAWを2023年夏にくっつけておいた(スカンジナビア航空の羽田HND-コペンハーゲンCPHはウクライナ戦争により運休中だったので)。

ANA特典航空券でサーチャージかからないエチオピア航空に乗り、24日で東・南アフリカ8カ国+1密入国の周遊まとめ
ANAマイレージクラブの特典航空券を利用してアフリカに行き合計8カ国+1密入国を行った。地図はGreat Circle Mapperで作成。
NRT-ADD-JRO/CPT-ADD-NRTとなり、残りは陸路と有償の航空券を買って8カ国を巡った。未開で限界のアフリカを陸路で移動すると、バスターミナルのアフリカ人がマジでウザい、鉄道が29時間遅延、国境のATMが全部壊れているか日本のクレジットカードが使えないなど、想像したよりはるかに激しく消耗し、次回以降に大きな課題が残る旅となった。

本当に乗れるのか半信半疑であったエチオピア航空の35分乗継は可能であることがわかったことはある意味大きな成果だったかもしれない。


2023年冬 エジプトで世界三大ウザい国制覇 7万マイル


NRT-ADD-BAH/MCT-ADD-NRT/ZRH-SIN-NRTx/HND-ITM

2023年3月までに66638ANAマイル使わないと失効してしまう(後日、2024年3月まで延長が発表された)。そこで今度は冬でまだ涼しい中東とアフリカに行くことにした。ワンワールド世界一周航空券では中東はヨーロッパと同じエリア扱いになるが、ANAの特典航空券はアフリカと中東が同じエリアの扱いとなっている。日本から中東に行くのにアフリカと同じマイルを消費するのは何かもったいない気もしたが、サーチャージがかからないエチオピア航空を利用するので細かいことは目をつぶった。

本当はソマリランドやスーダンへ行くことを検討したのだが、ビザを取得するのに1泊100USDくらいのホテルに紹介状を書いてもらうなどの手間があまりに面倒くさく、もっと前もって準備しなければ不可能だと悟って泣く泣く断念した。そこでビザが不要、または到着時に取得できるバーレーン、エジプト、オマーンとおまけのエチオピアのみの周遊となってしまったわけだ。

おまけとして、2023年夏にヨーロッパから帰る航空券として、サーチャージがかからないシンガポール航空を利用してチューリッヒZRH→シンガポールSIN→成田NRTをくっつけておいた。ロンドン、パリ、ドイツなどは空港税が高いので未訪問のスイス発として諸税を節約する工夫も加えてある。



しかし、渡航3日くらい前にエチオピア航空のアディスアベバADD→バーレーンBAHが欠航し、週3便しかないため3日後に勝手に振り返られしまう。座席が埋まらないのでわざと欠航させたに違いない。ANAのデスクに泣きついたら、変更できるのは成田NRT→デリーDEL→バーレーンBAHしかないという。しかも、バーレーンの滞在が1日短くなってしまう。

自分でもユナイテッド航空のWebサイトで検索すると、確かにそれしか選択肢がなさそうだったので泣く泣くエアインディアに変更となった。魔のデリーは1時間乗継で「絶対失敗するだろう!」と思ったものの、特に問題なく成功した。

座席最高!サービス最低!エア・インディアのB787ビジネスクラスがヤバイ
エア・インディアのボーイング787-8のビジネスクラスを利用したらフルフラットになる座席は最高だったが、サービスはちょっとヤバいんじゃないかというレベルだったのでその様子を紹介。
エアインディアはANAと同じスターアライアンスなのになぜか成田第2ターミナルを使っており、JALのサクララウンジに初めて入れたのはよかったが、エアインディアの機内食は辛い食べ物しか出てこない、トイレの紙が途中で補給されない、短距離路線は座席間隔が狭くテーブルに広告がついているガチのLCC仕様、などで悲惨なエアラインなのでエコノミーはもう二度と乗りたくないところである。




ユナイテッド航空のエクスカーショニストパークを使って、バーレーンBAHからカイロCAIと、カイロからマスカットMCTという2万円前後の航空券2枚を実質無料で発券してエジプトまで到達した。本当はバーレーン→カイロ→アスワン→アブシンベルと発券してアブシンベル神殿まで空路で行きたかったが、エジプト航空は「空席あり」と表示されても実際は発券できない罠にハマって諦めるしかなかった(カイロからルクソールやアスワンは人気観光路線なので特典航空券の空席が少ない)。



エクスカーショニストパークの例。

羽田→鹿児島→名古屋と高松→羽田の間にカイロ→マスカットを挟み込んである。これで日本国内線往復11000マイル扱いで発券できる。


また、エチオピア航空は乗継時間が8~24時間だと特典航空券であっても、ホテル、3食、50USDのビザ代無料でエチオピアに入国でき、それを実際に体験することができたのはよかった。アジアからアフリカではなく中東やヨーロッパ方面は乗継時間が考慮されていないので無料ホテルの恩恵に預かれる確率が高い。


コロナで崩壊した世界を特典航空券で乗り切る

上記のように、3年間で60000-15000+40000+70000+70000=225000マイルを使い切った。コロナ禍の特例が入って2024年3月までマイルの期限が延長され、そこまでに残り30000マイルくらいを使い切れば大成功!というところまでくることができた。

マイルというものは乗ったり普段の生活でコツコツ貯めるものではなく、ポイントから大量に変換したり金で直接購入するものである。月50000円の怪しいパチンコ情報サービスを契約して即解約すると45000マイル相当のポイントが加算、怪しいWebサイトでマイルを直接購入するなどしてANAのマイルをいっぱい集めたものの、コロナ禍により一気に期限が来てえらい目を見ることとなってしまった。海外渡航できない、サーチャージ高ぎ、旅行需要が回復して空席がない、など苦労させられたが、なんとか後少しで失効を免れそう。

2023~2024年はまだしばらく航空券の高止まりが予想されるため、残ったマイルをうまく使って引き続き安く世界を周遊していきたい。
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